あらすじ
俺は戦争で死に損なったおっさん騎士だ。
みんなは俺を救国の英雄と呼ぶけれど、右足を負傷して動かせなくなってしまったから、今は見習い騎士の訓練施設で教官をしている。
綺麗な自然を見るのが好きだった。でも長く歩けず、馬にも乗れない。滝も湖も、もう見に行くことはできない。
だから俺の唯一の楽しみは、太陽のような黄金の髪と海のような青い瞳を持つ見習い騎士・ウィリアムを見つめることだけだった。
────けれど、ある日。
彼が強いまなざしでまっすぐに俺を見返し、その優しい手に触れられた瞬間、止まっていた世界が静かに動き出した。
これは、終わったはずの人生で出会った初めての恋の物語だ。
見習い騎士×教官、救いと癒しの溺愛ストーリー。
<電子限定の書き下ろしショート付>
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
凄く良かった!
おっさんと自覚のあるリシャール。
救国の英雄と言われていてもただまぐれで敵将を討っただけと謙遜して慎ましく暮らしていてとここまで意識の低さにはもう言葉もなくて。
怪我の後遺症の為か話し方がゆっくりで「ねぇ」とかがのんびりとしてる人柄をさらにのんびりとさせているのが面白くもあり切なくもあり。
そんなリシャールの唯一の楽しみが騎士見習いのウィリアムを眺める事。
ウィリアムはリシャールからの視線を初めはとても嫌がっていたのに理由が「綺麗だから」と知り、そしてリシャールの「死の舞踏」に魅了されてからのリシャール「好き」からの追い込みが凄すぎて(爆笑)
あれよあれよとセックスに持っていってしまうとか!
そんなウィリアムにリシャールは「おっさんなのにありがとう!」と変な方向での感謝とか(笑)
リシャールの戦時中15年間はとんでもないほどの酷いものだったのにリシャールが深刻に受け止めているんだけどほわわんと乗り越えて行っている感じがしていて切なくて読んでいて哀しく涙が出るのだけどその中に「リシャールがエロい」と「エロエロ」がウィリアムからひっきりなしに出てくるから笑えるしで悲しくて泣いてるのか面白くて泣いてるのか分からなくなって来て大変でした。
ウィリアムの一途さ、リシャールの勘違い?すったもんだの末に結婚と大変だったけれどリシャールが幸せになれたとホッとしました。
けれどここからもリシャールが「生きてるのか死んでるのか」でふわふわしてしまってたり、からのウィリアムがとんでもなくおかしな奴だとかが番外編で描かれていて回りがいかに振り回されているのかが分かるのには笑えるけどゾッともしました。
続編ではリシャールのやはりどこかネジが抜けてるのかおかしい?考えからの事件が起きてウィリアムを辛い思いにさせてしまいようやく自分のおかしさに気づいて反省して、でもどこがおかしいのかが分からない。けれどウィリアムはそれをわかってくれているとわかるのが切なく悲しく、でも素敵だなと思いました。
ウィリアムがリシャールの為に平和な国にするからとかウィリアムのリシャールへの愛情が深くてそれにリシャールが「愛してる」と返すが最高でした。
そして「猫」の2人の会話が胸にぐっと来ました。
特典ペーパーでは作中に出てくるウィリアムの秘密の書を見つけたリシャール、バカップルでした。
Posted by ブクログ
(傲慢で自己肯定が高い)若い男に恋をする(謙遜して自己肯定が低い)おっさん騎士の話。
二度も死にそうになった怪我の後遺で、どこか喋り方がゆっくりになったリシャール。
そんな救国の英雄を好きになったウィリアム。
リシャールの視点で読んでいると、リシャールに振り回されていて大変だな、と思っていたけど、ウィリアム視点で読むと、格好いいのに考え方がぶっ飛んでいるな…と。
騎士団長や公爵夫婦の視点で読むと、結局周りは二人に振り回されていて大変。
割れ鍋に綴じ蓋?なのかもしれない。
ウィリアムがだんだんアホに壊れていく…
最初は面白くていいけど、あまりそればかりが続くと飽きてくる。