【感想・ネタバレ】社内政治の科学 経営学の研究成果のレビュー

あらすじ

印象操作、派閥、権力争い、ゴマすり、社内人脈、根回し…
世界の学術研究に基づく「理論・フレームワーク」

経営学者が、研究成果に基づき「ビジネスパーソンに必要な政治力」を読み解く


【目次】
第1章:あなたの周りの社内政治
第2章:「日本だけ」ではない社内政治
第3章:そもそも社内政治とは?
第4章:リーダーシップとしての社内政治
第5章:ビジネスパーソンに必要な政治力
第6章:社内政治を分析する

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Posted by ブクログ

社内政治に関する最新の先行研究を踏まえつつ、実務家にもわかりやすく紹介された良書です。

合理的なようで、まったく合理的でない組織の実態を「社内政治」という観点で解き明かしています。

改めて「限定合理性」を唱えたサイモンの偉大さも感じました。

【メモ】
・社内政治=利害の不一致や対立があるときに

・組織は公式の制度やルール、合理的な意思決定だけで
は説明しきれない「別の力学」によって動いている

・誰が影響力を持っているのか。誰の言葉が信用されるのか。誰が誰と手を組んで話を前に進めたのか。こうした非公式な行動や人間関係が、組織の現実を動かしている。

・社内政治はなくせるものではなく、なくすことを目指すべきものでもなく、前提とすべき事実。政治のない組織が健全な組織になるとは限らない。

・マネージャーに求められるのは、社内政治を駆逐することではなく、「社内政治は常に存在する」という前提で、それを健全な調整機能として活用していく姿勢。社内政治は悪ではなく、人が集まって働く組織において避けることのできない現象。それを理解し、うまくマネジメントしていくことが、優れたマネージャーへの第一歩。

・『企業の行動理論』:組織の意思決定は合理的なプロセスではなく、交渉や妥協の積み重ねによる政治的プロセスであるとされた。→企業の経済合理性に基づいて意思決定をするという組織論の前提をくつがえすもの

・POPsモデル(組織内政治の知覚):実際に会社の中で政治的な行動が行われているかどうかよりも、従業員が会社で起きていることを「社内政治」だと感じているかどうかが、心理や行動に強く影響する=ネガティブな政治の蔓延を考えている状態

・政治スキル=信頼と説明責任を操作できる影響力の源

・社内政治:影響、非公式、対立
→対立のある状況で、目標達成のために非公式な影響手段を使う行動

・社内政治は言葉の使い方、物語の語り方、感情の喚起などを通して、周囲の認識や行動を変えようとする行為

・印象マネジメント=他者に与える印象を意図的に操作し、自分が相手に持ってほしいと思うイメージを形成しようとする行為

・リーダーには対立や不確実性の中で、人々が納得するような意味を物事に与え、利害を調整する政治力が求められる

・人はリーダーになったばかりの頃は、自分がリーダーとして認識されたいという個人レベルの動機が強くなる。そして経験を重ねるにつれてアイデンティティの焦点が他者や集団に移行し、「メンバーや組織の成果を上げること」を重視するようになることが望ましい

・最新の先行研究を踏まえつつ、実務家にもわかりやすく紹介された良書です。

合理的なようで、まったく合理的でない組織の実態を「社内政治」という観点で解き明かしています。

改めて「限定合理性」を唱えたサイモンの偉大さも感じました。

【メモ】
・社内政治=利害の不一致や対立があるときに、

・組織は公式の制度やルール、合理的な意思決定だけで
は説明しきれない「別の力学」によって動いている

・誰が影響力を持っているのか。誰の言葉が信用されるのか。誰が誰と手を組んで話を前に進めたのか。こうした非公式な行動や人間関係が、組織の現実を動かしている。

・社内政治はなくせるものではなく、なくすことを目指すべきものでもなく、前提とすべき事実。政治のない組織が健全な組織になるとは限らない。

・マネージャーに求められるのは、社内政治を駆逐することではなく、「社内政治は常に存在する」という前提で、それを健全な調整機能として活用していく姿勢。社内政治は悪ではなく、人が集まって働く組織において避けることのできない現象。それを理解し、うまくマネジメントしていくことが、優れたマネージャーへの第一歩。

・『企業の行動理論』:組織の意思決定は合理的なプロセスではなく、交渉や妥協の積み重ねによる政治的プロセスであるとされた。→企業の経済合理性に基づいて意思決定をするという組織論の前提をくつがえすもの

・POPsモデル(組織内政治の知覚):実際に会社の中で政治的な行動が行われているかどうかよりも、従業員が会社で起きていることを「社内政治」だと感じているかどうかが、心理や行動に強く影響する=ネガティブな政治の蔓延を考えている状態

・政治スキル=信頼と説明責任を操作できる影響力の源

・社内政治:影響、非公式、対立
→対立のある状況で、目標達成のために非公式な影響手段を使う行動

・社内政治は言葉の使い方、物語の語り方、感情の喚起などを通して、周囲の認識や行動を変えようとする行為

・印象マネジメント=他者に与える印象を意図的に操作し、自分が相手に持ってほしいと思うイメージを形成しようとする行為

・リーダーには対立や不確実性の中で、人々が納得するような意味を物事に与え、利害を調整する政治力が求められる

・人はリーダーになったばかりの頃は、自分がリーダーとして認識されたいという個人レベルの動機が強くなる。そして経験を重ねるにつれてアイデンティティの焦点が他者や集団に移行し、「メンバーや組織の成果を上げること」を重視するようになることが望ましい

・変革推進者が社内政治から距離を置いたり、目を背けたりしながら改革を進めることは現実的ではない

・変革における社内政治はすべてが悪いわけではない。他者からの信頼獲得、敵対勢力への対処、妨害行為の回避など、正当化できる面もある

・イシュー・セリング:リーダーが自らの部署の課題を、重要な問題として認識してもらうために上層部に売り込むこと

・正当性:ある意見や行動、提案が「社会的文脈において適切である」と集団内で共有されている程度
①用具的正当性
②関係的正当性
③道徳的正当性

・政治スキル
①社会的鋭敏性
②対人影響力
③ネットワーキング能力
④表見誠実性

・社内政治=組織を動かすための実践的なリーダーシップとしてとらえ直し、それを前向きに活用するための知識と技術

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

社内政治は、利害の異なる人々を束ね、会社の目標を実現するための重要な要素であり、影響力を発揮するための戦略的なアプローチが必要であり否定されるものではない点を強調する。

特に「意味のマネジメント」として、経営層特定の言動や出来事に意味を与え、受け止め方をコントロールする行動こそ社内政治とした点は、単純な利害調整・権力闘争といった旧来のイメージではなく、本書で指摘している通り、意味をめぐる合意形成であり解釈の綱引きという側面があるということであり、大変興味深い指摘だった。

この点において、重要なのは各レイヤーのマネジメントと単に表面上の意味を共有するだけではなく、自分の担当領域における解釈を落とし込むことで、意思疎通が図れるだけではなく、最終的なチームにおける成果の評価にも直結するだろうと感じた。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

社内政治を実践的なリーダーシップとして定義したとても実用的な本。科学と題されているだけあってリーダーシップの歴史的体系系な知識も身につく。ある程度大きな企業で働くマネージャー、リーダーは読んでおくととてもタメになる一冊。以下特に留意したい箇所。
・全員が納得する最適解はない
・組織は前提として非合理
・社内政治は前提とすべき現実
・ジェフリーフェファーとヘンリーミンツバーグ
社内政治を肯定的に捉える(好きな学者)
・アジェンダコントロール
・力の誇示よりも利他の方が人脈形成に効く
・意味のマネジメント 
・正しい説明より納得できる説明
・起こる出来事は同じ。どのように導ける意味付けをするか
・共有された意味のマネジメント
・利己目線、チーム目線、会社目線
・普段から行う印象のマネジメント

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

社内政治というおよそ経営学とは相容れないようなテーマに対して、真正面から学問的なアプローチを展開するのが本書の目指すところだろう。考えてみれば「政治学」という分野がしっかり学問分野の中には存在するのだから、取り上げるのだってちともおかしくない。

そして本書では「うちの会社は政治ばっかりだ・・」と言った愚痴を集めるのではなく、社内政治とそもそもどのようなことを指し、それがパフォーマンスの発揮やビジネスに対してどのような影響を与えているのかといった”役にたつ”内容を丁寧に説明してくれる。

何より本書が実務的に意味があるのは、組織がある以上政治は避けられないものであるといった前提を明確にした上で、「良い政治」と「悪い政治」の2つの方向性があり、どのようなことを気をつければ良い政治を実施することができるのかということが明確に書かれているということだ。

社会人を数年やれば、単に良い成績を上げれば昇進をしたりあるいは良いポジションを得られるわけではないということがなんとなくわかってくる。そのようなタイミングで本書のような、アカデミックなアプローチを通じて政治を学んでおけばもっと早く、あるいはもっと高いポジションを得られたのにと残念に思う人間が多いことだろう(自分も含む)

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2026年01月05日

Posted by ブクログ

「社内政治」というネガティブに見られやすい用語を学術的に分析していきつつ、社会人にとって適切に付き合っていくべき事象であることを説いた印象でした。特に、社内の各個人の政治力がどこから湧き出るのかを4項目に分解して説明した第5章、社会人としての社内政治の付き合い方をまとめた第6章は読んでいて納得できる内容が多く、非常にためになりました。

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

経済学が、より人間らしい行動経済学に発展したのと同様、経営学が人間の息遣いをもって描かれる。かつ、理論的な背景が明確。

結論 社内で、より多くの人に信頼されることによって、より少ない説明でより多くの権力・資源を得て影響力を持つことを目指す。

①相手に好印象与え、相手の利益になる行動をとる
・単純接触効果=人は、繰り返し接する相手に好意を持ちやすくなる
・類似性魅力仮説=自分と似た相手に親近感を抱く

②有力者の権力を借りる
例 まず同期入社の同僚に相談し、その同僚の上司につないでもらう

・企業は同じ目標を持つ一枚岩ではなく、異なる利害や関心を持つグループの集合体。こうした中での意思決定は、全員が完全に納得する。最適解ではなく「ある程度の満足を得られる妥協点」を見つけ出すことが現実

・政治スキルとは信頼と説明責任を操作できる影響力の源。政治スキルが高い人は、他者と良好な関係を築き、信頼を得る力にたけている。その結果説明責任を果たすために細かなルールを重ねることがなくなり、自律性を与えられ、裁量的に仕事を進められるようになる。信頼に基づいて影響力を発揮できるようになる。

・日本では、不確実性回避傾向が強い。将来や変化、曖昧さ、不確実な状況に対して、人々がストレスや不安を感じやすい。→根回しによって会議や意思決定の場を何が起こるかわからない場にはしない。

・日本はハイコンテクスト文化。空気を読む。察する言葉にしないと言う前提が強く働く。アメリカはローコンテクスト文化。言葉で明示することが重視される。

・根回しとバックステージネゴシエーション。後者は、より交渉としての色合いが強い。

・社内で「社内政治が蔓延している」と感じると、人々はより知識の隠し合いをする

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

社内政治の学術書。したがって、実践的内容を期待してはいけない。
社内政治がアカデミズムの対象になることに驚いた。
著者も述べているが、それだけ日本では知られていないし、イメージが良くないのだと思う。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

さまざまな論文を引き合いにだしながら、客観的に「確かにそうなってるな」と思える部分があった。会社組織を完全合理的に理屈で動かすのではなく、人間と人間の関係性で動いていくのは実感しているところで、そこへのアプローチ…社内政治をあるものとして利用していく…も書いてあって、整理された良い本だと思った。
方で内容的にはそりゃそうだろ以上のものがないというか、驚きはなかったのですすっと読み流してしまったところも多かった。
個人的にはリーダーシップのところが勉強になった。自己ではなく組織やチームを主体に政治活動できるのがリーダーということで、なるほどと思った。

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2026年01月09日

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