【感想・ネタバレ】家族ゲームのレビュー

あらすじ

出来のいい“ぼく”と違って、グズな弟は、家庭教師を何度かえても効果なし。高校進学をひかえ、何とかしたいと焦る母。6人目の家庭教師・吉本の出現で、ついに変化が! 経歴も風貌も型破りな吉本は、弟を逃がさず、体育会系ノリで徹底的にしごいていく。両親の期待は弟にうつり、優等生だった“ぼく”は、だんだん勉強をサボリ気味に……。受験に振り回される一家を描く、第5回すばる文学賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ドラマは見ていません。
ただ、CMとか聞いた範囲で過激っぽかったので原作もそうなのかな?と思ったんですけど…ドラマのようじゃなかったです。
内容的には、私の家に近いものをだったのでいろいろ考えさせられました。
きっと子供視線では「そうそう、親ってこんなだよ」と共感し、親視線では「子供の為なんだ」「親だって…」とか思うのではないでしょうか。
親の立場になったとき、こうはならないよう思い出したいなと思う作品でした。
内容はまぁふつうだった…だけど面白い。
飽きが来ず最後まで一気に行けました。
その点と、読んで考えることが有ると思う作品だったので★5です。

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2013年07月08日

Posted by ブクログ

映画やドラマに幾度となく映像化される、その原作がどんなものか知りたくなり読んでみました。その骨格となるストーリーは意外なほどにシンプル。沼田家の兄弟、慎一と茂之。弟茂之のもとにやってくる家庭教師。強弱の差はあれど、かれが謎の無性格者であるところが物語の共通項であり、その他のところはかなり自由。今回原作を読んでみて、「家族ゲーム」というコンテンツの強さは、そのストーリー性でなく“空気感”にあるのだなぁ、と思いました。森田監督の映画化では音楽が一切なく、エンディングでけだるくうたた寝する家族に外から聞こえるヘリコプターの羽音が印象的だった。そして、その雰囲気こそがこの原作を忠実に映像化していたのだなぁと感心した。家族の物質的距離の近さと精神的距離の遠さ。そこからくる息の詰まる閉塞感、圧迫感。家庭教師の暴力性に端を発する肉と肉とがぶつかりあう低い音の印象。そんな、物語を支配する空気感こそが「家族ゲーム」の「家族ゲーム」たるところであり、そこさえ守れば他は変奏曲を自由に奏でられる。時代を超越し愛されるそのコンテンツの強さの理由が分かった気がします。

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2013年06月04日

Posted by ブクログ

この本は、大学近くの古本屋で「人生の迷子たちへ」とメッセージがつけられた中身はわからない本の3冊セットのうちの1つだった。

まずこの本はページが少ないし余白も多いのでさらっと読める点が良い。

さて、内容についての感想に入る。

この本を読み終えてまず、私もこの本を、人生に迷っている人におすすめしたいと思った。

本についていたポップにはさらに続きがある

 ー「明日からどう生きよう…」と思った事がある       人はなおさら面白く読める3冊。あったかいのもあるし、ヒェッというやつもある。そりゃ人生様々だしな。ー

と。

古本屋でこれを手に取った時期は、なんか色々うまくいかないなと躓いていた頃だった。
この本はそれに似たうまくいかなさがたくさん書かれていた。

面白いほどにうまくいくいっていない家族がテーマだし、悪質すぎるいじめ、今ではあり得ない体罰、優等生が落ちこぼれていく様…

文字にすると驚くほど暗いテーマばかりなのに、(世の中に溢れている悲劇と比べたら)不思議とこの小説はさほど暗い雰囲気はない(後味はあんまり良くない)

それはきっとどこの家族もこれに似た暗さや歪みを抱えているからではないかと思う。
表面上ではわからないけど、知ってしまったら思わずツッコミたくなるような、”よくない事“がリアルに書かれていた

よくない事は思わず隠したくなるし、できれば自分の人生の中に入れたくない
と無意識のうちに思っていたが、それがここまでリアルに、オープンに書かれた小説を読んで、(しかもあのポップ付きの)よくない事、うまくいかない事も含めて人生なんだと。
人生に迷っているわけでも躓いているわけでもなく、ただ人生を進んでいるだけだと

気が楽になった。

きっと別のタイミングで別の形でこの本を読んでいたらこんなに面白いとは思わなかっただろう

良い本に出会えました





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2025年01月31日

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かなり前に読んだことがありましたが、久しぶりに読み返してみました。
いじめ、体罰、不登校と問題だらけの家族、やっと普通の生活に戻るのかと思いきや、何一つ解決せずに話が進むところに引き込まれました。
ちょっと大袈裟かなとも感じますが、読み応えあります。

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2024年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2013年購入
*
久しぶりに読んでみた。13年に買って読んだ当初はドラマとの違いにただ驚いていたけど、大人になってから読むとなかなか面白い。
慎一の堕落していく姿に怒りきれない両親、茂之には強く言えるのはそれまでの2人の性格の違いか。無駄に達観してる慎一は人生へのやる気がなくなったら更生できる未来が見えないし、茂之はもともとの性格からこうやって人生を逃げ続けていくんだろうって考えるとこの家族は救いようがなくて可哀想。
昭和の時代はモノが溢れていない分、勉強のしやすい時代だとは思うが勉強嫌いの子供からすると生きづらかったのかなとも思った。

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2022年11月04日

Posted by ブクログ

やりとりには暴力的だったり過激なところもありますが、受験生の気持ち、親への反抗心などいろいろ考えさせられます。あらすじから先の展開や細かな情景が浮かぶ表現で想像しながら読んでいくのは面白かったです。

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2022年06月18日

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できの良い兄と悪い弟、そして弟につけられた破天荒な家庭教師のお話
何度もドラマ化や映画化しているだけあって、僕が子供の頃からの共通の社会的問題が取り扱われている
松田優作、鹿賀丈史、長渕剛、櫻井翔 多少の演出の差こそあれ、「見せかけの家族」という描かれているものは同じ
学校の成績は何のためか?学歴は何のために必要か?親の役割とは?
当時の言葉で言うなら、受験戦争、学歴偏重主義、いじめ問題、家庭内暴力、体罰、核家族化とかかね

「家族ゲーム」というタイトルは、家族はそれぞれが役割を演じているゲームのようなものというメッセージなんだろうなぁ
父親は外で働いて稼ぐ、子供には厳しく
母親は子供の味方で、先回りして子供の代弁者
子供は親に従順で勉学に励むべし
というステレオタイプな社会的役割
慎一のバトンタッチの変貌ぶりはそういう事なんだろうね

吉本は茂之に勉強を教えようとしたわけではなく、「生き方」を教えようとした
だけど、成績は上がったものの、生き方は変えられなかった
そこが両親の認識とのズレ


吉本の言葉で、それを一番表していると思ったのが以下のセリフ
弟が出来が悪いと言った親に対し
「あんまりそんなこと言わないで下さい。とくに本人の前では。それに、学校の勉強なんて、頭の良し悪しとは無関係ですから」

自分が三流大学の3留中というのもあっての言葉なんだろうけど
その後の茂之を見て、成績は上がっても本質は変わっていないというのがよくわかる

吉本は慎一にとって、「自由な生き方」を提示した存在
この後の慎一がどうなったのか、気になるな


文章は、最初かなり読みにくかった
読点がやたら多い
吉本の江戸っ子口調と読点の間の多さが人物像とマッチしない

でも、解説を読んで、それは各登場人物のリズムなんだと書かれてあって、さもありなんとも思った

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2020年05月26日

Posted by ブクログ

解説でも書かれてるように主人公はほぼカメラ役で
他の4人の人間模様を描いている作品
物語後半、教師の面倒くさそうな対応がリアル
面白かった

※ちなみにイケメンは登場しません

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2015年02月19日

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みんなのレビュー読むと、「ドラマと違ってガッカリ」ていうのが多いね( ´ ▽ ` )ノ。
ドラマは知らないけど、映画は見てた( ´ ▽ ` )ノ。特にラストは全く違ってるし、主人公なんて「出てたっけ?」てほど映画では影が薄いし、松田優作演じた吉本は原作より人間味がないし、等々( ´ ▽ ` )ノ......皆が戸惑うのも分かる( ´ ▽ ` )ノ。
でも、小説は小説でよかったよ( ´ ▽ ` )ノ。
いじめ、引きこもり、共依存......30年たっても、まるで変わっていない問題を的確に描いてる( ´ ▽ ` )ノ。
もやもやもやもやした話で、読後感は非常に良くない( ´ ▽ ` )ノ。でも、そこがいい( ´ ▽ ` )ノ。直前に読んだ「西の魔女が死んだ」と対極だ( ´ ▽ ` )ノ。
タイトルは、小説ではなんかシックリ来ず、むしろ映画の方がピッタリしてる感じ( ´ ▽ ` )ノ。
2015.2.16

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2015年02月16日

Posted by ブクログ

第5回すばる文学賞受賞作。自分の将来を定めようとする時期の兄弟が、家族や家庭教師や学校から影響を受けて、何もかも決めあぐねてしまっているもどかしさが、葛藤と共に描かれている青春小説。自分の意志を持って何かする前には、他者を真似たり手助けを受けたりするものだが、それが伴わず足踏みしてしまっている。そこからどう抜け出すのか、行動の一歩を踏み出せるのか、読み手自身に照らし合わせてみることも出来る。

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2015年01月25日

Posted by ブクログ

長渕剛や櫻井翔のドラマは見ていないけど、松田優作の映画は観たことがある。あれは衝撃的だった。特に家族が横一列に座って食事をするシーンは不気味だ。

長年それぞれの役割を演じてきた家族の中に吉岡という闖入者が加わった事でそれまで保っていたバランスが崩れる。そもそもこの家族はお互いに向き合って暮らしていない。

家庭教師の吉岡は唯一茂之を正面に捉え、荒治療をしていい方向に向かわせようとするが、最後は失望してサジを投げてしまう。結果茂之も兄の慎一も以前にも増して退廃的になって行く。慎一が言うようにからくりがわかってしまうと、もう前のように自分の役割を演じる生活にも戻れない。

経済成長期から今日に至るまでの自分の望みがわからない現代人全てが、ぎょっとさせられる問題作だ。

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2014年12月18日

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ネタバレ

映像化された同名の作品には全く触れなかったので、変な先入観を持たずに小説版『家族ゲーム』を楽しむことができた。(「ドラマ版と全く違う」といったレビューが多かったので、ラッキーだったのかも。)

そこはかとない息苦しさを感じる作品だった。
その要因は移動が極端に少ないからであろう。この物語の中心は語り手である慎一の部屋での出来事と、その部屋の窓から見える光景である。この作品を読んで、私は『SAW』シリーズ1作目をまず思い起こした。四角い部屋の中にとらわれた二人。ワンルームシチュエーションを覆う、閉塞感や絶望、緊迫感といったものは作風は全く違えど、この『家族ゲーム』にも当てはまる。ジグソーのように慎一が観察者になっていたのも不気味さを喚起する。

どこへもいけない苛立ち、窮屈さ。それらを抱えている慎一は弟の家庭教師として雇われていた吉本の海外旅行の話に、「思わず大声を出してしま」うほど食いつく。
この息苦しい六面体の中から抜け出し、親のしがらみから解放されることがきっと慎一の「したいこと」なのであろう。しかし、高校生の身分ではそれも叶わない。そして親への抵抗策として彼が選んだのは、どこにも行かないこと、つまり引きこもりである。ここではないどこかに行きたいが故に、引きこもりになってしまう。なんとも逆説的で、皮肉だ。

巻末の解説を担当している高橋源一郎氏の文章はとても興味深かった。

もし自分が人の親になってからこの作品を読み返したとき、違った作品の捉え方ができるかもしれないし、また、なぜ『家族ゲーム』という題名になったのか、現時点で自分なりの答えを持たないので、それも一考の余地がある。

読んで損はない作品であると思う。

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2013年10月11日

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ドラマ化されていると聞き、読んでみた。スパルタ家庭教師とできない弟。
けれども成績が上がっても行ける学校へ行きたがらない。大団円で終わらない結末。

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2013年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先日終わったドラマと違い、全く救いのない結末にビックリ。
いかにドラマが原作を膨らませて作ったかが分かった。
私としては断然ドラマのほうが好き。

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2013年08月01日

Posted by ブクログ

ドラマとは違うけど、だからといって「期待はずれ」という感想しか抱かないひとはもったいない。本とドラマを同じ尺ではかるのがまず間違ってる。
読んだあとゆっくり咀嚼すると希望があります。

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2013年06月27日

Posted by ブクログ

ドラマを見て、一体何が言いたいのかさっぱり分からず原作を読んでみようと思った。原作の吉本先生はあっさり撤退する。結局家庭の中で親に与えられた役割をロールプレイングゲームよろしく演じているだけでは変われないよ、という事だと思う。ドラマでは今日、櫻井翔演じる吉本先生が「悔しかったら、ちゃんと家族になってみろよ!」と怒鳴ってた。余談だが親父の時の吉本先生は松田優作だそうである。
巻末の高橋源一郎氏の解説が小説のリズムについての話で興味深かった。

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2013年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

話題に便乗して読んだ本。
そのページ数は少ないものの、ぎっしりと作者の考えが詰まった良い作品だった。
家族関係と教育。それは子供の人格形成に深く関係してくる。
子供の自主性を育てるにはどうすれば良いのか。対して常識とマナーとモラルを強いるにはどうすれば良いのか。
少なくとも自らがそれらを身につけていないといけないと思うが、それだけでも上手くいかないと思う。
そしてそれはこの本に答えは出ていないと思うし、分かっている人は本当に少ないのではないか。
それゆえ、親になる前から深く考えなければいけないと感じた。
こんなことを沢山考えさせられた、読んで良かったと思える本でした。

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2013年06月19日

Posted by ブクログ

◼️所感
自分は禅に関心があるので、目的や結果重視の社会的な大人の生き方と今を感じ取る禅的な子供の生き方の違いに焦点が向かいがち。

この本では高校生の兄(慎一)が大人の世界と子供の世界の狭間を生きる葛藤が感じられる。

兄の慎一は幼少の頃から良い子として優等生として振る舞うことを暗に強いられており、子供としての感性を抑え込まれて育っていた(わがままを言うことができず、滑り台を思いっきり滑ることさえも出来ないでいた。)

そんな調子で進学校まで進んだが、最近覚える違和感から前に進めなくなってしまう。(結局不登校になってしまった。)

以下のフレーズが特に印象的。
"ぼくはその気味悪い色を眺めながら、最近感じている二つの相反する気分を味わっていた。それは、一つことがすめば次のことへ、駆け足で進むよう強いられる生活への消耗感。同時に、それから乗り遅れることへの不安感。"

思うところは、、
禅的に生きるために目的重視の生き方はやめよう、今を大切にしていこう、というほど単純な話ではなかったことを思い出した。そうありたいと思っても現実はそこから乗り遅れることの不安感もついて回るので、この不安感に対しても対処しなければならない。特に子供は自分も周りも日々変化していくので、この不安感から逃れるのは難しく、前に進むしかないと感じるようになる。禅的な生き方はある程度大人になって安定してからじゃないと難しいのかもしれない。


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2025年11月22日

Posted by ブクログ

この小説が書かれたのが、40年近く前であることに驚いた。
父親も家庭教師も威圧的&暴力的で、今なら「あり得ない」シチュエーションだが、
学校に行かない(いけない)状況は現代でもアルアル。
むしろ、行かない選択が容認されている分だけゆるい状態かもしれない。
イジメに至っては、さらに陰湿で巧妙になっている。
結局この家庭教師はなにをしたのだろうか。
機能していない家族を一時期通過しただけ、なのかな。

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2021年08月30日

Posted by ブクログ

前に買ってあったが確か途中挫折してしまった気がする‥
時代の流れか、今の時代ではあり得ない話しかな?
弟くん、多分今の時代であれば施設か病院で相談を受けるのが先だと思う。

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2019年08月21日

Posted by ブクログ

この物語の主人公はいったい誰なのだろう?
慎一でもあり、茂之でもあり、吉本でもある。
進行役である慎一の目線から語られているシーンもある。
だが、茂之や吉本の心情が語られることはない。

・長男 慎一
地域で一番の進学校に合格。
母や父に期待され、うっとうしく思いながらも優等生としてふるまい続けてきた。
弟の成績があがるにつれ、両親の関心は自分から弟へと移っていき、彼は優等生を演じることをやめる。
したいこともなく、何ひとつ自分で決めることもない。意固地。
流されるままに時間だけは過ぎていく。
・次男 茂之
他人に対して自分の感情を伝えることもぶつけることも出来ない。
鬱屈した感情は、異様な行動となって現われる。
しかし、そうした行動も人の目があるところではけっしておきない。
ただ、面倒な今から逃げるため、それだけしか考えていない。その場しのぎさえ出来ればいい。
常に面倒なことからは逃げ、自分からは何もしようとしない。
・母
自分では教育熱心な口うるさい親ではないと思っている。
だが、無言の圧力は慎一に優等生を演じさせ、茂之からは逃げ場を奪う。
自覚がないだけに、もしかしたらもっとも手強く面倒な存在。
・父
父親とは家庭ではこうあるべきという妙な思い込みがある。
機嫌がいいときも、不利になったときも、とにかく乱暴な物言いをする。
おまけに声でもでかい。

破天荒なやり方で茂之にアプローチしていく吉本。
最初は唖然とし批難したりした両親も、成績があがるにつれて吉本を信頼するようになる。
吉本が茂之に一番教えたかったことは何か?
それは成績があがる方法でも、勉強のしかたでもないと思う。
自分で決め、自分で動く。
ただそれだけのことを覚えてほしかったのだと思うのだが。
人はその気になりさえすれば、何歳になっても変わることができると思う。
逆に言えば、本人にその気がなければ周囲が何を言っても何をしても、変わることは絶対にない。
挫折・・・吉本と慎一は、方向性は違っても共に感じたのではないだろうか。
現実を見ようとしない親。
現実を変えようとしない長男。
現実から逃げることしかできない次男。
家族というのは難しい。
2013年放映のドラマ「家族ゲーム」の展開を期待して読んではいけない。
原作からは基礎的な設定だけで、中身はまったく違う物語になっているからだ。
小説「家族ゲーム」は結局何も変わらない、以前よりも悪化した状態で終わっている。
しかし、ドラマ「家族ゲーム」では崩壊してからの再生までも描かれている。
個々の設定も現代にあわせて変更されていた。
原作というよりも原案程度に考えて読んだほうがいい。

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2017年03月09日

Posted by ブクログ

櫻井翔くんのドラマと(今となってはうる覚えですが)こちらの小説というか原作は全然話が違いました。

私は、原作の方が好きだなぁって感じました。

多分、原作では家庭教師でも弟でもなく兄が主人公なんだとは思いますが、主人公じゃないってぐらいちょっと影の薄めの主人公で本作での彼を表している気がしました。

少し前の作品ですが、きっと今の家族にも相通ずるものがあるはずです。
作品を読み終わった後に題名通りだなと思いました。まさに家族ゲーム。

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2017年02月03日

Posted by ブクログ

今の若者にひしひしとくるフレーズがあるのでは

すばる文学賞受賞シリーズ。
第五回の受賞は1981年12月掲載なので、もう35年前の話。

ですが嵐の櫻井翔さん主演でドラマにしていたのはなんとなく記憶に新しい。

優秀な僕にグズな弟、という設定が新しい・・・!と感じます。
大体、兄弟に劣等感持っているじゃないですか。
それが、弟が思ったよりグズ、というかちょっと知能に障害をお持ちなのでは、というぎりぎりの人でびっくり。不潔なんだよなー。

でも、執着を持った部分には物凄い知識を持ってるんだろうというのは、随所に現れます。

そんな弟のもとにやってきた家庭教師が凄い、時代だよなぁ。今はこんなんやったら訴訟沙汰。
ガンガン行きます。

でも、この家族のゆがみがあって、結局は変われない。
35年前の作品でも今の若者にひしひしとくるフレーズがあるのではないのでしょうか。

父親の無関心、母親の過干渉が子供をだめにする。それが弟だけでなく、兄も。

やりたいことが見つからない、という闇を抱えたまま物語が終わってしまいます。
困っていることは、自分で気づいて、それを乗り越えて行くしかないんですね。
子供に過干渉になる人に、読んで、気づいて頂きたい作品。

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2016年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

弟の家庭教師に雇われた風変りな大学生により変わり出す、ある兄弟の日常を描いた物語です。

家庭教師の手腕を見せる物語だと思って読み始めましたが、作品の趣旨は想像していたものと違っていました。

外側に出られない子供たちを始めとして、この作品で描かれる種々の問題は現代でもありふれたものです。

それだけに兄弟の状況全てを家族の問題とするのはやや難しい気もしますが、問題の一面を簡潔に浮き彫りにしたという点では、成功しているかもしれません。

兄の状況とともに観察したまま終幕を迎えますが、今なお問題の解決に動き出せていない、読者の時代をも批判的に捉えられていることが残念でなりません。

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2016年06月12日

Posted by ブクログ

ドラマから見たので正直オチにはがっかりしました。でも現代の家族では、こういう日常が当たり前なのだとしたら、仕方がないのかもしれません。

後味の悪い終わり方でも、今後のこの家族の行方は気になりますね。

解説者の最後の一言が1番重く感じました。

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2016年06月07日

Posted by ブクログ

家庭教師 z大学 アフロ 戯曲ぎきょく 北アフリカの砂漠 小説にだってリズムがある バイク 公園の風景 今月の目標 僕と弟選手交代 自閉症 どもり 映画的構成 村上龍 茂之 慎一 特権的な青春の時間 昭和57年 駒 零戦 コピー A大 薄ら笑い 少しくらい眼先を変えたいじゃない 吉本 他人を蹴落としてエリートになる 森田芳光

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2014年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家庭教師によってあらわにされた家庭の不協和音、兄慎一の感じる不安とこわれていく母親との関係。あるいは弟の得体のしれなさ。こういう父親はさすがに少なくはなったが、基本スタイルは変わらないとあらためて感じた。

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2013年11月08日

Posted by ブクログ

ドラマは見ていなかったが有名な本なので読んでみた。こうなる可能性というか、要素は自分にもあったのではないかとすら思う。気づきの多い話だった。

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2013年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長年にわたり,映画化・ドラマ化されている作品。

今回の櫻井翔バージョンは,なかなかおもしろいが,
私自身は長渕剛バージョンで育った世代。

暴力による矯正という時代背景を感じさせるが,
その根本にある思いは,今も変わらないんじゃないだろうかと思う。

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2013年05月31日

Posted by ブクログ

・テレビドラマにある夫婦のいざこざや吉本の過去の話は一切でてこない。

・テレビドラマのほうが面白い。

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2013年05月25日

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