あらすじ
大学1年生の晴希は、道場の長男として幼い頃から柔道を続けてきた。だが、負けなしの姉と比べて自分の限界を悟っていた晴希は、怪我をきっかけに柔道部を退部する。同時期に部をやめた幼なじみの一馬に誘われ、大学チア初の男子チームを結成することになるが、集まってきたのは個性的すぎるメンバーで……。チアリーディングに青春をかける男子たちの、笑いと汗と涙の感動ストーリー!
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Posted by ブクログ
・そう思ったとき、ノック三回分のシャーペンの芯がぽきりと折れた。
・キャラメル味の太陽が太陽に食べられていく。
・しかし、翔の短刀ほうがもっと直入だった。
・どうしてだろう、こういうときって、その人が話したいことよりも、話したくないことの方が伝わってくる。
・「これでいいんだ、これでいいんだ」そう呟き続ける晴希から少し離れたところで、一馬が世界一美しい形で土下座をしていた。
・序盤の、一馬の部屋に初見の溝口と三人でチアの話を始めるところで、もうちょっとだけ泣きそうになった。もうすでに、未来が見えてしまったからだろうか。青春って恐ろしい。朝井リョウって恐ろしい。
Posted by ブクログ
あー楽しかった!
チアの知識がなくても大丈夫。
人数が増えるに連れてついていけるかな?と思ったけど問題なし。特にトンの心理描写にかなり揺れた。最終章読みながら泣いてしまった。
なかなか上手くいかないチームの中で、イチローが翔に訴えたシーンが胸を打った……。
笑えるところと泣かせるところの緩急がジェットコースター。
Posted by ブクログ
登場人物みんなを応援したくなる。
そして、応援しているこちらも力をもらえた。
自分のミスでチームの仲間を怪我させてしまうかもしれない危険があって特殊なスポーツだけれど、
だからこそお互いの絆や信頼関係の上に成り立っていて、唯一無二の素敵な競技だなと知ることができた。
特に後半は涙なしには読めなかった。
名言好きの溝口が1番好き。
ノートに毎回書いていたのは偉人の名言ではなく、溝口本人の名言だったのも良かったし、
誰にも弱音を吐くことがなかったのもすごく健気で、これからはたまにはチームのメンバーに本音を吐き出してほしいなと思う。
読後に、朝井リョウさんがこの作品を描くために取材したという、早稲田大学の男子チアリーディングチームのパフォーマンスの動画も観てみた。
作品がよりイメージできて嬉しかった。
Posted by ブクログ
笑えるし泣けるしで面白かった。
男子だけでチアをやるっていうのも良いし、メンバー1人1人に個性があって魅力的。
面白い事をしたい、誰かのために何かがしたい、自分を変えたいなど動機はそれぞれだけどみんなで練習して目標に向かって努力している姿はカッコよかった。最初は楽しい雰囲気で和気藹々としていたけど、目標が高くなるにつれてメンバー同士の意見が合わなくなる感じもリアルで良かった。それでも最後までみんな辞めずに続けて、最高の演技が出来て良かった。感動した。
特に最後の儀式はめちゃくちゃ泣いた。今まで聞けなかったメンバーの本音や努力の軌跡が見えて本当に泣ける。最後の演技の途中にノートの話が挟まれてて余計に感動した。
自分も中学、高校で部活をやっていたから自分と重なる部分もあってより楽しめた。
今まで誰もしてこなかった新しいことへの挑戦、みんなで目標に向かって努力することの大切さや素晴らしさを再確認できた。
Posted by ブクログ
1つの物語でチームメンバー16人もの性格や内面を表に出すのは、アニメや漫画ならともかく小説ではなかなかイメージしにくい。
だから学祭後の新規メンバー紹介のときは、この後のストーリーが雑になりそうでかなり不安だった(実際金はともかく銀、銅はめっちゃ雑w)けど、新規メンバーが初期メンバーの成長の糧になっていてよかった!
最後のみんなのノートの内容はちょっと泣いた。特に弦の気持ちには同情しちゃった。
朝井先生は青春モノの心情描写が上手で大好き!
Posted by ブクログ
チアメンバーが7人から16人になったとき正直人数多いなと思ってしまいました。心情が書かれないメンバーもいたので、まぁ16人もいるしな…仕方ないよなと思っていましたがそうではなかった。コーチの「最後の儀式」でメンバー全員の思いを知れました。あのノートには登場人物全員の辛い、苦しい、悔しい、超えてやりたい、頑張りたいという想いが赤裸々に綴ってある。演技を通しながら一人一人の想いを読んだとき、もう一度この本を読み返したくなりました。
それから、今回の話で1番成長を遂げたのはイチローだと思っています。できない人の気持ちが分からない、なんで出来ないと考えていたイチロー。「そんなの感覚でできるやろ」とトンに言っていたイチロー。そんな彼がチアを通じて歩み寄ることができた。1番の成長だと思います。
Posted by ブクログ
朝井リョウ11作目。有名どころで気になっていたものの分厚くて敬遠してましたがやっと読みました。後半のノートを公開することでメンバーの全員の視点や葛藤がまとまって描かれていて、構成が上手だな…と思いました。(誰)
団体競技もので『風が強く吹いている』も最近読んだのですが、『風が強く吹いている』の爽やかな青年たちにくらべ、弦とイチローのやや屈折した感情も丁寧に描いているのが朝井リョウらしかったです。一馬と晴希のまっすぐな絆も良かった。一馬はずっと切なくて、特に、家族に見てもらうためにチアをやるんじゃなくて、家族を忘れないためにチアをやると決意した最後にはうるっときました。