あらすじ
一匹の白い蝶がそっと見守るのは、光と影に満ちた人間の世界――。認知症の母とひっそり暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄弟が、小さな手で犯した闇夜の罪。心通わせた少女のため、少年が口にした淡い約束……。心の奥に押し込めた、冷たい哀しみの風景を、やがて暖かな光が包み込んでいく。すべてが繋がり合うような、儚くも美しい世界を描いた全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作。
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Posted by ブクログ
各作品が完成されているのに、全部どこか繋がっていて光はどんな時も見えるはずっていう最終章のメッセージが好きだった。
第一章の美の狂気みたいな気持ち悪い描写が最高においしかったです…
Posted by ブクログ
結構好きなタイプの道尾短編集。各話ちょっとずつ繋がり、円環になるような構成。残酷ながらも切なくて温かい話あり。好きなのは、「冬の蝶」、「春の蝶」、「風媒花」。サチは色々あったけど力強く生きている。「虫送り」の兄妹は真実が知れて良かったね。
蝶道って初めて聞いた(Nで言ってたっけ…?)。不思議…
Posted by ブクログ
読みやすい。
短編集だけど、それぞれの物語が繋がっていて楽しかった。子供がホームレスにイタズラされそうになったときはドキドキしたー
子供が犠牲になる話はつらいなー
Posted by ブクログ
【隠れ鬼】★★★★☆
中学男子と30歳の甘酸っぱい恋物語。結局最後まで「あの人」の名前を知れなかったのが切ない。
女の雰囲気が幽霊っぽくて、そっち系の話になるのかと思ったら違った。思春期の男の子に手出してモヤモヤさせて、再会したら冷たくするのは酷いでしょ。愛人の息子にイタズラするとか何考えてるか謎だった。
母親の認知描写は読んでて辛い。弁当のバランを食うシーンは、もし自分の母が将来こうなったら...と想像したら悲しくなる。
【虫送り】★★★★☆
かくれんぼで隠れてる間にみんなに帰られて残される陰鬱なスタート。まさか前作に登場したパッと出のキャラが主人公になるとは思わなんだ。妹も虐められてるらしく兄弟揃って境遇が可哀想。
コオロギが採れると嘘ついて、女の子にイタズラするホームレス怖い。まあよく考えたら拍手だけで大量のコオロギ捕獲できるわけないか。コオロギたちが虫かごに入ってくるの想像したら気持ち悪かった。
その後あらわれたホームレスの男も敵か味方か分からず、小学生たちが内心ビクビクしてるのが伝わり緊張感ある。
【冬の蝶】★★★★☆
ホームレス殺しの犯人は前作の兄弟ではないことに驚く。「この世に死んでいい人間なんていない」と言っておきながら、アンタが殺しちゃってるんかい笑
サチがミステリアスで魅力的なキャラで印象に残る。母の男に犯されながらも、平然と日常を送ってる彼女の精神力すごい。あの男が居なかったらピュアなラブストーリーになってたのに...。
強風吹いた時にサチが顔をしかめず、笑っていたのを見て惚れるシーン好き。紙を裏返して自分を内側に閉じ込める、というサチの発想が面白かった。
【春の蝶】★★★☆☆
悲惨な幼少期を過ごしたサチがまともな大人になってホッとした。後味悪い話が続く中で、今作の最後は希望を持てる話。誰が犯人か気になったが、由希の耳聞こえないふり、牧川の自作自演など思わぬ展開に。
今までの話と比べると、うまくまとまりすぎてて薄味な印象。後味悪い展開の方が好き。
【風媒花】★★☆☆☆
母を嫌う理由が結局よく分からなかった。デカい理由があるかと思いきや、父が死んで荒れたのが原因で拍子抜け。母がなにかやらかしたのが原因かと思ってたのに。しかも小さい頃から嫌いになって、大人になるまで引きずるのは長すぎ。お母さんが可哀想だよ...最後和解エンドに向かったのが救いか。
【遠い光】★★☆☆☆
少女が両親の離婚と向き合う話なのは分かったが、主人公の葛藤がよく見えず、結局何がいいたいかよく分からない作品だった。
これまでの気味悪い話と違って、風媒花とこの作品だけはハッピー寄りな話で浮いてる。最初から最後まで気味悪さを通して欲しかった。
Posted by ブクログ
6つの短編集
ハンコ屋、橋のエピソードなど所々で繋がりがある。光ったり翳ったりしながら動いているこの世界を蝶を通して表現している。
第1章隠れ鬼
ハンコ屋さん、認知症の母。中学生の時の回顧、愛と憎悪は紙一重。
第2章虫送り
小学生の兄弟、橋のエピソード。良いホームレスと悪いホームレス。
第3章冬の蝶
2に出てきた良いホームレスさんの中学生の時の話。淡い青春、毒親。
第4章春の蝶
3に出てきた女の子が大人になってからの話。耳が聞こえなくなってしまった女の子、お爺さんの家に泥棒。
第5章風媒花
父をなくした家族の話。息子目線、姉の入院、母と仲直り
第6章
5で出てきた姉の小学生教師としての話。