【感想・ネタバレ】人を助けるすんごい仕組みのレビュー

あらすじ

糸井重里が感動した「西條剛央さんの、すんごいアイディア」。支援活動のプロでない著者が画期的な支援の仕組みをどう立ち上げたのか?日本最大級のボランティアプロジェクトをつくった著者が明かす、有事に有効な支援の仕組み。1000人超の組織を給料を一切払わず事務所も持たずに、どう運営するのか?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

筆者が3.11以降「ふんばろう」プロジェクトを立ち上げ、
巨大化した組織をいかにまわしていったかを、筆者の専門
「構造構成主義」という小難しい理論を軸に語っています。

大事なのは「状況確認」と「目的の把握」。
実に単純明快!
この目的に集った力は、役所の公平主義や前例主義などの
障害を打ち破る力やスピードがあることを実証しました。

また、勢いで動いていた初期から、次第に
組織内部で発生してきたトラブルを減らす
7か条は、色々な組織に使えそうです。

後半には、
「ある組織や社会が衰退と滅亡に向かうときに、
一つの共通した現象が見られる。
それは個々人レベルでは、誰もがおかしいと
思っているのに、一部の利権などから社会や
組織全体は反対方向に進んでしまう、という現象だ。
組織が死に至る病、と言っていい」
というくだりがあります。

これも、小さな会社でも、大きな組織でも言える事。
常に、この組織の目的って何だったかと戻る勇気が必要ですね。

そして、ただ原発の是非をぶつけ合うのではなく、
どうしたら経済も停滞させることなく、
安全な代替エネルギーを普及させることが
出来るかという切り口で議論ができる
ベースや人の思いが出来たのではないか、と
感じさせてくれます。

糸井重里さんの「できることをしよう」と共に
読むべき一冊。

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2013年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 著者 西條剛央氏は1974年生まれで、早稲田大学大学院(MBA)の心理学と哲学の専任講師を務めている。
 過去にボランティア活動の経験は無かったが、「構造構成主義」を用い「ふんばろう東日本プロジェクト」を立ち上げ、日本最大級のボランティア・プロジェクトを成功させる。
 本書は、その仕組みと支援の舞台裏を書いたもの。
 
 阪神大震災のときも、全国から集まった多量の支援物資について保管と仕分けができずに被災者に届かなかったと聞いた。東北大震災では、その失敗を教訓にロジスティクスに詳しい人がボランティアとして支援していると聞いたような気がするが、事実を確認したわけではない。
 確かに、『ホームページに、聞き取ってきた必要な物資とその数を掲載し、それをツイッターにリンクして拡散し、全国の人から物資を直送してもらい、送ったという報告だけは受けるようにして、必要な個数が送られたら、その物資に線を引いて消していく。そうすれば必要以上に届くこともない。また、仕分ける必要もなければ、大きな避難所や倉庫で物資が滞ることもない。必要としている人に必要な分量。直接送ることが可能になる。』というのは、いい視点だ。
 これを支援してくれる人たちを見つける手立てもインターネットというあたりが、阪神大震災との大きな違いだ。インターネットの使用環境が全く違う。
 時代は変わるので、以前の成功も失敗も鵜呑みにしてはダメ。
 だから、現地を見て、状況と目的から方法の有効性を考えるというのは面白い。
 ただ、本としては、今一つ分かりにくい。ノンフィクション作家が書いた方が格段に面白いものになっただろう。
 ボランティアの組織運営上の苦労話は、目新しいものはないが、改めて組織運営の参考になった。

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2016年02月01日

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