あらすじ
インド南部の古都マドゥライに、ラリー・ペイジ、クリントン元大統領、ムハマド・ユヌス、ピーター・ドラッカーが注目する組織アラヴィンドがある。わずか11床の小さな病院から始めた彼らは「治せる失明を世界から根絶する」という壮大なビジョンをいかにして実践してきたか。創業者とその一族の軌跡を鮮やかに描き出す。
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Posted by ブクログ
インドで一日に1000件もの良質な眼科手術を行い、白内障による無用な失明から貧富にかかわらず多くの人々を救っているアラヴィンドが、なぜ設立され、どのようにして仕組みが維持されているか。
ドクターVと呼ばれたヴェンカタスワミー医師のインテグラル・ヨーガに導かれたヴィジョンの力強さが、奇跡としか思えない医療サービスを提供し続けていること、単にBOPの貧困層に向けた特殊なサービスということではなく、富裕層にも同様のサービスが行われ、件数が技術と低価格に結びついていることに感嘆する。
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Posted by ブクログ
白内障など、先進国ではあまり問題にならない疾患で失明する人がインドには多く、その根絶を目指したアラヴィンドという病院の話。原題(Infinite Vision)はビジョンと視力とのかけことば?
偉大な創業者、カリスマが亡くなった後、組織はどうなるのか。寄付金の受け入れを進めて行くことにより、奉仕の文化が毀損されないか。今後の行く末は少々心配ではある。
・なんといってもその流れ作業のような数に圧倒されるが、大量に行なうことで組織全体の効率があがるという思想がベースにあるらしい。また、治療費は患者が決めることになっており、無料の患者も多く受け入れているが、病棟などは有料の患者も無料の患者も同じ。分けてしまうとスタッフが勤務場所のえり好みをしたりしてよくないという。
・医療においても数値で検証することは重要なのだが、医師は独立した存在で、体系的な思考になじまないという文化がこれを邪魔する
・独占状態をつくるのではなく、周囲を巻き込む流れをつくる。それが全体の水準を引き上げ、参加者を増やし、活発な相互学習を促しながら、自分自身の市場を広げることにつながる。