感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
山本兼一さんの本は『利休にたずねよ』以来です
すごく好きで面白く、また読みたいと思っていたのに
なんとなく後回しにしていたら、亡くなってしまった
とびきり屋見立て帖シリーズは4作で終わってしまったらしく
それなら1作目から読んでみようと思いました
幕末の時代の新撰組や土佐藩士、坂本龍馬などを
町人夫婦の目から見、また道具屋での生活や
あの時代の京都の町の様子が生き生きと表現されています
これは、続きも読まなくちゃ
Posted by ブクログ
時は文久3年(1863年)。将軍家茂が上洛を果たした年から話はスタート。まさにあの幕末の混沌が背景。装丁のイラストとは趣を異とする時代設定なれど、話が至ってのんびり調。新撰組、幕末の志士たち、歴史上の人物が、こぞって出てきても、エピソードのアクセント程度というところが気が抜けてる。時代劇ホームドラマ的なお話。気楽に読めるという点では及第点。
奥さんが第4巻目になる「利休の茶杓」を買ってきてたので、チラと読ませてもらったのが発端。なにやらシリーズモノということが判り、1話から読むほうがよかろうと、「利休の茶杓」は1話目で置いて、まずこの1作目「千両花嫁」から。個々の話に特段関係があるわけではないけど、最初から読んでおいて良かったと思える(主だった登場人物が固定されているので)。
第1巻は、ことの起こりと(駆け落ちして店を開くこと)、タイトルの通り、この道具屋の嫁が素晴らしいというエピソードが続く。第6話目では、出奔した実家の親父の理解は、まず得られたという話で〆る。まだ、母親の説得が残ってるが、これは後々語られるのだろう。
一方、時代はその年(1963年)のまま進まないので、これはおそらく明治維新のころまで、寅さんシリーズ的に何十話と話を紡いでいくのかなと思わせる。が、作者が今年(2014年)2月に急逝したとかで(4巻の帯を見るまで知らなかった)、4巻でこのシリーズは終わってしまうようだ。2巻、3巻で、どれほど伏線の回収や、登場人物のエピソードが織り込まれているか分らないが、楽しみに読み進みたいと思う。
「利休にたずねよ」で知った作者であったが、57歳の若さでの絶筆はさぞや無念だったろうと思う。合掌。