あらすじ
虎治と光は元同級生。夫婦になり子供を持ち家族になった。言葉と体と時間を重ね、時にぶつかりながら同じ方向を見て進んでいると、それが夫婦だと思っていた、けれど。子育てへの意識の違い、自分の体への戸惑い、老い、子離れ。こんなはずじゃなかった――私の〝かんむり〞は一体どこにあるのか。どうしようもなく別々の体を生きる、夫婦の物語。
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Posted by ブクログ
読み始めた時は、学生時代や幼少期を間で語りながらメインでは今=30代くらいの生活を綴っていくのかと思っていたが70代までが綴られていて、ある夫婦、家族の生涯を覗き見した気分になった。
主人公の光が息子がスイミング教室を嫌になったことを知り、辞めることを許可するが夫は「そんなんじゃ逃げ癖がつく」、「男はスポーツをやっていた方がいい、今でも体育会系は評価されやすいんだ」と言った時、夫が解雇された時、転職した夫が仕事に集中できるように努めた時、ベリーショートにすると褒めてくれはしたものの夫の中に「ベリーショートの私」を受け入れる器がなかった時、、、人に言うとそんなこと?と思われるようなことやテレビで流れるニュースに比べると大したことないことが、光の立場になり本を読み進めていくと、光の人生の中では大問題であり喉につっかえるような出来事である。この本の中で特に大きな出来事はないが、それが妙な人生らしさを描写しているのだと思う。最後に急に出てくる光よりも2回りくらい若い女性とのシーンはこの本の締めくくりに相応しいと思った。夫が亡くなった光、夫と離婚した女性、1つの愛が終わり少し身軽になったようにも思える2人の女性が初対面でさりげなく勇気を与え合っているように見えて綺麗だった。藤崎彩織さんのあとがきもすごく良かった。