あらすじ
54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる! 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドの傑作ミステリー。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
クラインの壷を読み、井上夢人としての本は初めて読んだ。
これまたどえらい本を読んだ。
もうぐっちゃぐちゃ。でも最後、綺麗に収束される。
ミステリー小説が好きな人は、このトリックを予想したことが一度はありそうだけど、これが1994年の本なんだもんね。
54個目のフロッピィファイルを見た時は鳥肌立ったな。そういうことかと。
岡嶋二人も井上夢人もリーダビリティという点では、圧倒的かもしれん。
Posted by ブクログ
話題になっていたので購入
とても面白かった。
各人物の目線からストーリーが展開されていってネタがわかるとあー!てなった。
察しがいい人はすぐわかるかもしれないが自分は言われるまで全く考えていなかったので、とても印象に残る作品になった。
Posted by ブクログ
すごいなぁ。びっくりした。
帯に惹かれてレジに持って行って積読してた本。今日はこれにしようと思って軽い気持ちでページをめくり1日で読んでしまった。私は勘が良くなかったので4分の3のところでようやく気づいた。
もう1回読も。
匿名
読む手が止まりませんでした
話題になっていたので読んでみた。ファイルが何個もあるから短編小説のような気持ちで読み進めていた。最後に向けてすべてが繋がっていくところに毎回衝撃を感じていた。ぜひオススメしたい作品になった!
Posted by ブクログ
54個の文書ファイルを読み進めていく形式。
主婦、向井洵子が奇妙な現象に巻き込まれている事を予期させる文書。それを追う小説家。殺人の実行犯と思われる人の文書。
様々な人の文書が織りなしていく模様を俯瞰してみた時、驚愕の模様が描き出される!
多重人格系かなと、初期の段階で気付いたものの、54個のファイルの意味を知った時の戦慄はすさまじかった…
Posted by ブクログ
【あらすじ】
54個の文書ファイルが収められたフロッピィディスク。ファイルに記載されているのは、様々な人間の視点による「事件」の記録である。夫の帰りを待つ妻、小説家志望の男、暴力的な気配を漂わせる男、何かから逃げようとする女。互いに矛盾を孕みながら、しかし奇妙な符合を見せるファイルを読み進めた果てに、開示される衝撃の真実とは…。2024年度本屋大賞【発掘部門】受賞作。※
※本屋大賞の特別賞。実施年度の前一年をノミネート基準とする大賞とは異なり、2002年11月30日以前に発行された全ての小説を対象とする。時代を超える名作を、文字通り「発掘」することを主眼に置いた賞である。
【短評】
良作であった。
井上夢人は『オルファクトグラム』以来となるだろうか。論理的で緻密な文章を描く作家という印象であり、本作においてもその筆致は遺憾無く発揮されていたと思う。
矛盾とか違和感を凌駕して「気持ち悪い」に至る程に訳が分からない前半部。「もしかしてこれはSFなのか」と考えることを放棄しそうになる位には、マジで意味不明。これは、文章が拙いとか読み辛いとか癖があるという汚点ではなく、すいすいと意味内容を咀嚼したうえで、脳が解答を拒むような意味不明さなのである。
正直に言えば、それでもちょっとキツかった。脳がオーバーヒートし、文章がやや滑った感がある。この混迷は作者が意図したものであろうが、体感に嘘は付けない。
さて。中盤過ぎ位だろうか、この作品には天啓が訪れる。
前述の歪み、違和感、矛盾を全て明瞭な理屈を以て説明する「離れ業」を開帳してくる。結構露骨にヒントが出されるので「!!」という瞬間の衝撃を堪能することが出来るだろう。結構、脳汁が出た。素晴らしいと思う。
終盤はやや評価が分かれるところかな。
ネタバレ防止のため詳述は避けるが、丁寧に丁寧に事実を整理してくれるので、この作品に仕込まれた仕掛けをしゃぶり尽くすことが出来る。一方で、既知となったある「真実」を弄り回しているに過ぎず、スピード感を削いだという意見もあるかもしれない。
倫理的な観点は良く分からない。真実そういうものなのか、実際そうではないのか、私には良く分からない。ファイルNo.54がああいう趣向だったことを含め、私はエンタメと割り切って読んだ次第である。
しかしながら1994年上梓の本作が2026年の今以て十分に戦えるというのは、驚きだった。時代を超える名作というのはあるものだと、改めてしみじみと嘆ずるのである。
Posted by ブクログ
フロッピーディスクを開いてあらゆう視点から見ると誰が誰なのかわからなくなる不思議な感覚。
この人はこの人でなく、あの人がこの人…?いやあっちの人があの人か…?人物が増える度に誰が本当の誰か悩ませてきて面白かったです。
まさかお前もか!となって、その結末になるとは。
でもその筋が分かればたしかにこれはその通りになるな…と事件の概要なすんなり理解できて面白い。
Posted by ブクログ
途中で何となく予想はできたけど、でも面白かった。
途中でおそらく多重人格なんだろうな……とは思ってたけど、まさか出てくる人(殺された人は除く)全員が同じ人だったとは……!
多重人格の話はいろいろテレビとかでも再現VTRとかで見た事あるから何となくわかる。ので今回も結末が何となく見えてきた感じ。自分を守るために新しい人格ができるって聞いたことあるもんね。
フロッピーディスクとか、ワープロとか、随分古いなあと思ってたけど、なんとこの本20年前に書かれた本なの?それはすごい。今読んだから、なんとなく結末がわかったけれど(それはいろんな話が出回っているから)、20年前にこの本を書けたとなるとすごいかも。
Posted by ブクログ
読めば読むほどわからんくなって…これはもしや?と思ったら、えー?!そんなこと?!ってなったけど…もう一捻りで綺麗にまとめられて…結論面白い!よくこんな設定おもいつくもんだ、すごいなぁ。
Posted by ブクログ
割と早い段階で多重人格ではないかと
気づいたのでラストで驚くとかはなかった。
多重人格以外で伏線回収できたら
凄いと思ったんだけど
やはり多重人格だった。
Posted by ブクログ
最初はただの日記。
だが、徐々に物語は不穏な気色を見せ始め、最後には思いもよらぬ結末が!?
物語中盤でなんとなく事の顛末は掴めてくるものの脳の理解が追いつけないそんな不思議な体験をすることでしょう。
タイトルの「プラスティック」の伏線も見事であった。
Posted by ブクログ
向井洵子のワープロ文書で物語は始まる。ミステリーの仕掛け満載、これはあざといかなぁなんて思いながらストーリーにひきこまれる。謎が分かりそうになってきて、それはないだろうと思いつつも…
小説としての構成は巧み。次々に起こる謎、事件について、全体を整理する役のような高幡英世の存在が混乱する私の気持ちを少し落ち着かせる。登場人物たちの関係が大体見えてきて最終章。終わり方も見事、だけど。
岡島二人のファンだったが、コンビ解消となり盛衰期で裏話を読んだところで、井上夢人とははなれた記憶がある。今回は久しぶりに読んで、小説としてはおもしろかったが、あの当時に思った感じは残った。井上ワールドと私はあまり相性が良くないかもしれない。
Posted by ブクログ
だんだんこうなるのかな…?と予想しながら読んでいたのだけど、結構楽しかった。話の切れ目がちょくちょくきてくれるので、移動中に読みやすくて良い。
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plastic:可塑性とは、固体に外力を加えて変形させた際に、力を取り除いても元の形に戻らず、その変形を保つ性質。
向井洵子に始まる54の伝記。高幡英世、奥村恭輔、藤本幹也、若尾菜莉子、ゆみ、あらゆるストーリーがあり本多初美へ繋ぐ物語。個体として本多初美から派生していく数多の人格が織りなすストーリーがまさにプラスティックでした。やっぱり上手いですわね。
多重人格の苦悩の53のストーリーを本体の54番目に判断を委ねるオチも粋ですね。
Posted by ブクログ
途中から展開が読めた。不可解なことが起きるとまず多重人格を疑うから。でも、面白かった。最後はどういう事だろう?初美は読んだ上でそれでも命を絶ってしまったという事なのか?まだ読んでないから?
Posted by ブクログ
多重人格がトリックというかタネなのはもう珍しくないと感じるけど、これが書かれた時は衝撃的なだったのかなと思う。自分の体が「女」であったらもっと面白いのに。自分が統合された後の本田初美なのではという感覚を感じられそうで。
Posted by ブクログ
出張中の夫の帰りを待つ主婦・向井洵子の日記が保存されたフロッピィディスク。そこには、彼女が自分を騙る偽物が身辺に存在する不気味なエピソードが綴られていた。そして、偽物の向井洵子惨殺事件…。混迷を極める中で次々に現れる話者の語る真実を繋いだ先に見える物とは…。
気付いたよ多重人格者。
不自然に途切れる記憶から、疑い始めた中盤。そのつもりで読むと、比較的容易に辿り着ける。ネタばらしまでに、なんとか藤本幹也も人格の一部であることにも思い至ることができた。そこまで来れば、奥村恭輔もそうであることは、ネタばらしを待つことなく辿り着けるだろう。そういう意味では、理不尽でない絶妙な難易度設定であり、フェアな作品と言えるだろう。
病理学的にはそれでいいのか。
「二十四人のビリー・ミリガン」を筆頭に、他にもフィクションも含めて多重人格者を扱った小説を読んだ経験がある。本作の、赤の他人をまるごと取り込むみたいな人格形成のケースを知らなかったので、そこがどうしても最後まで引っかかった。人格同士が一切の記憶共有をしていない点と、他人の人格を丸ごと取り込む点が、物語を成立させる肝の部分であるので、そこありきでご都合主義的に作られた症状であるように感じて、首を捻る結果になった。医学素人であるので、この違和感が正しいものか分からないのが残念だ。もし、精神医学に則った記述であるのならお詫びしたい。
冒頭がわけ分からなすぎた。
謎を展開するスピードが早すぎて、人物名や世界観を飲み込む前に拡大していく謎に困惑した。向井洵子が感じる違和感は、明らかに記憶分野の不調を示唆するようなものに感じ、ミステリィというよりは病気を心配しながら読んでしまった。恥ずかしながら、若年性アルツハイマー的な方向に展開していく可能性も頭をよぎりながら読み進め、更に混迷を深めるという自滅的な側面もあった。
仕掛けに気付くと後は惰性で読み切る感じ。
事件の残忍さに比べて、語り手のテンションが常に淡々としているのもあり、全体的に地味な印象を受ける。「オルファクトグラム」を期待してしまうとがっかりする。
Posted by ブクログ
続きが気になり読書スピードは上がったけど、最終的に多重人格オチか…と少しガッカリした。多重人格の要素は上手に使わないと、チートっぽくてしらけてしまう。ただ、そのオチが明かされた後でも、「唯一この人だけは第三者だろう」と思いこんでた対象が人格の1人だった…というのは意外で面白かった。
最終的に人格統合に向かっていく形や、事件の概要説明も綺麗で矛盾はなく、総じて良くできている物語だと思う。それでも星3としたのは、登場人物への感情移入や世界観への没入が弱かったから。自分にとって大事な要素なんだなと改めて。
Posted by ブクログ
プラスティックには熱可塑性という性質がある。
熱を加えるとグニャグニャに溶け、冷めると固まる。また熱を加えるとグニャグニャになる。
この性質を利用して様々な形に成形できるのがプラスティックの便利な所。
まるで登場人物たちの心のよう。
プラスティックにはもう一つ、熱硬化性という性質を持つものがある。
これは熱を加えると一度はグニャグニャに溶けるが、固まった後はもう元には戻らない性質の事。
まるで登場人物たちの心のよう。
Posted by ブクログ
54個の文書ファイルが記録された一枚のフロッピーから始まる物語。
1人の女性の日記から始まるこのファイルから、一体彼女の身に何が起こっているのか、一読者として追っていく…のだけど。
途中他の人物の証言やら動向やらが差し込まれて、徐々にぼんやりとした全貌が見えてくるこの感じ、とても好き。構成が良いから、オチが見えても捉えて離さない。もうこのまま最後まで一気に連れてってくれ!となる。
ワープロやらフロッピーやらが出てくるような時代のものと思うと斬新だったのでは。
Posted by ブクログ
いや、途中から、そういう事だよね?と、想像はしていた。
けれど、そこまでとは!と驚嘆。
色々な視点で進んでいく中、途中こんがらがってしまうけれど、着地点は同じなので、大丈夫かな。
フロッピィディスクとワープロ、私も使った事のない、すごく時代を感じさせる物が活躍するけれど。
今の時代に置き直しても、とても面白い設定だな、と感じた。
Posted by ブクログ
何となく結末がわかっていて、正直何が何だか分からなくなってきてしまった。
本当に有り得る話ではあると思う。
でももちろん本人達も怖いとは思うが、話している相手側も怖いだろうと思った。
特に過去の辛い思い出とか、そういうのを自分に起きたことではないと頑張って考えているうちに起きてしまうことというのは知ってきた。
こういう場合の自認というかリーダーみたいな人は誰になるんだろう。
フロッピーが出てくるということは30年前ぐらいだと思うので、やはり頭がおかしいと判断されてしまうのかもしれないのが恐怖だった。
Posted by ブクログ
なんと20年以上も前の作品が2024年の本屋大賞超発掘本ということで、ミステリー好きとしては読まねば!
まず、フロッピーディスクやワープロという単語が懐かしい〜。
感想はネタバレするので何も書けない!という感じ。笑
Posted by ブクログ
2024年本屋大賞の超発掘本。
フロッピーやワープロなどの言葉に懐かしさを感じた。
それぞれの登場人物視点で書かれたファイルを読み進めながら事件を追っていく。
途中でなんとなく展開は読めたけど、結末は意外だった。
Posted by ブクログ
だろうなぁ。
とは思った。
最初の三分の一くらいはもう、疾走したよ。
読みながら、もう、止まらない止まらない!
気になる!気になる!
え!なに?何が起きてるの?
え?なんなの?
っていう。
ただ、途中からまさかと思うけど、そういうオチだけで終わるのか、終わらすのか、、、?
って思って、期待を裏切られるのか?どうか?
って最後まで読んで。
まぁ、そうですよね。
ってオチがさ。
なんか残念、、、、、
このタイプでの1番の衝撃はやっぱりハサミ男だな。
うん。
#プラスティック
#井上夢人
#オチが少し残念
Posted by ブクログ
とある主婦の不穏な内容の日記から始まり、その後、調査内容や供述など、複数の人物による記述ファイルが続く、という構成。不可解な雰囲気で謎が謎を呼ぶ展開に、ワクワクしながらどうなるんだろう!と読み進めたけど、途中で何となくオチが分かってしまった(汗)
しかも自分的には苦手なオチだったので、正直納得いかない部分もあるけど、そのオチなりに丁寧に積み上げられているし、そこに至った心理描写もちゃんと描かれているので、不満感は少しずつなくなっていった。
最後の落とし方なんて挑戦的だし、いろんな感情が膨らむし、何ならちょっとオシャレだし…、なんか惜しい印象が拭えない複雑な読後感だった。
Posted by ブクログ
結構オチがわかりやすいというかタネが1/3くらいでわかってしまったので後半は答え合わせを待つ状態だったのがちょっと残念。タネに気づかず読み終えたかったな。
Posted by ブクログ
視点がコロコロ変わって、同じ場所、同じ時間のはずなのになんでこうも食い違うんだ?パラレルワールドかなんかか?と思ったけど全然違った。勘違いも良いとこだった。笑
最後にネタがわかってすとんと納得がいったときは中々の爽快感でした。