あらすじ
金色にかがやく草原の果てに佇む、緑に囲まれた白亜の校舎。全寮制の名門校リデルハウスには、奇妙な制度があった。特別な才能を認められた生徒は「ラヴ」と呼ばれて、普通の生徒が知らない場所で学園生活を送っている。そして、かれらはリデルハウスからの“制約”の見返りとして、在学中に一度だけ「ギフト」を行使できる。「ギフト」は、実現可能な望みであればなんでもひとつ、叶えることができるという──。新鋭が紡ぐ、懐かしくも新しい少年少女たちの物語。
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Posted by ブクログ
寄宿学校、最高でした…
登場人物たちがみな魅力的で、
特に私はタキが好きです。
皮肉屋だけど、人を魅了する力をもっていて
実は気遣いもできる男。
皮肉を言うところが愛らしくさえ思えてきます。
そしてエレインとの関係性も気になります。
タキはエレインが自分の声で影響を受けないと思っているけど、実は影響を受けて、、、?
この2人でもう1話読みたいくらい大変気になるお話でした。
また、ミーシクも気になります。
リリが自分と同じ年代を生きていないと早々に気づいたミーシク。それだけでなく、リリのその後まで予見してリリが生きれるよう、自分が嫌われたとしてもリリのため言葉を矯正する。
なんて心優しい女の子なのだろうと思いました。
そしてアモニカ。親代わりの祖父が亡くなったのは、嵐の日に仕事に呼ばれたから。
でもアモニカ自身は祖父が亡くなったことを、誰かのせいにすることはしていませんでした。
そしてフライデーさんがだれかもわからないけれど、せっせと手紙を書く。わからないなりに情報を集めたり、これは書いて大丈夫だろうかと考えたり一生懸命で明るい彼女にとても惹かれます。
その他の登場人物たちが皆素敵で
とても愛おしく感じる作品だと思いました。
そんな生徒たちの過ごす日々は、
波瀾万丈だけどどこかゆったりとした牧歌的な雰囲気もあり、読んでいて懐かしい気持ちになりました。
リデルハウスに行ってみたいです。
Posted by ブクログ
スピン誌での連載も読んでいたので完結を見届けることができてよかったです。
すでに読んだはずの『金曜日のゆううつ』と『水曜日の誘拐』で、ああギーディーこういう子だったわとかタキのツンデレ好きだわと感じたことを思い出し、書き下ろしの『木曜日は真夜中に』でこれは佐原さんの最高傑作ではと感嘆し、とほほなマミアンの『月曜日のページ・ボーイ』で優秀な弟を持つ長男な自分と重ね合わせたりして、最後の『日曜日の魔法使い』でああ読んでよかったーとなりました。
ギーディーとアモニカが話していた「どちらも捨てずに、どちらも取る。その方がうんと素敵だし自由だ」が決断を迫られたラヴたちの方向を決めるのもたまらなくいいし、何かと二択を迫りがちな世界ではっとさせられたのでした。
ラヴたちの一度限りのギフトをいとも簡単に行使するのもとても心地よかったです。
少年少女たちの物語なのは間違いないし、子ども時代を思い出して懐かしい気持ちにもなりつつ、読んでいて後半からは祖国や文化を失った世界中の人々に思いを馳せることにもなりました。そういう意味でこれは伝承の物語なのかなーなどとも思いました。
『スターゲイザー』、『ネバーランドの向こう側』を経て本作にたどり着いたのは必然だったのかななどとも思いました。
今年読んだ小説心のベストテン入りが確定しました。オススメです。
Posted by ブクログ
タイトルや表紙から漫画『約束のネバーランド』を思い浮かべて読み始めたので、そんなに物騒な物語ではなくてホッと一息。
名門校「リデルハウス」になんの因果か入学することになった主人公、そこには自分たち一般生徒以外に「ラヴ」と呼ばれる特別な才能を持った生徒たちもいて……というお話。
自動車が出てきたけど、貴族社会もまだ色濃く残っているようなので、時代設定的には20世紀初頭くらいの感じなのかな?
基本的に一話完結で、5人の「ラヴ」それぞれに焦点を当てた物語が展開されていく。そのなかで、「ラヴ」はなんのための存在するのか、学校で時々起こる不思議な出来事の正体は。といった謎が散りばめられ、最終話でそれらが回収される。
今にしてみれば、これは一つの国、一つの学校、一人の人間の歴史の一端を担う壮大な物語であったとも思える。
劇中で「記憶の遺志」という考え方が語られるのだけど、連綿と語り継がれていく事実やひとの想いは遙か先の世代にも心の奥底に残り続け、それがある限り人々は絶えず、また別れることもない。
跡を残すことの偉大さというか、我々がなんのために生きているかみたいなことにも通じる、心に残る考え方だなと今まさに私の「記憶の遺志」に刻み込みましてございます。
Posted by ブクログ
【収録作品】
金曜日のゆううつ
水曜日の誘拐
木曜日は真夜中に
月曜日のページ・ボーイ
日曜日の魔法使い
全寮制の名門校リデルハウスを舞台にした成長物語。
特別な才能を認められた生徒は「ラヴ」と呼ばれて一般生徒ととは別の学園生活を送っていた。
アモニカは、唯一の肉親である祖父の死後、篤志家により、条件付きでそこへ一般生徒として送り込まれる。
ギーディー、タキ、ミーシク、マミアンという孤高を保ち、なれ合ってこなかった「ラヴ」たちが、アモニカとペジーという一般生徒との交流を通して年相応に成長していく様子が好もしい。
「懐かしくも新しい」という惹起文句に納得。