【感想・ネタバレ】奪われた「三種の神器」 皇位継承の中世史のレビュー

あらすじ

壇ノ浦の合戦から後南朝まで。天皇の証をめぐる壮絶なドラマ! 壇ノ浦の合戦、南北朝の対立、皇位奪還を狙う後南朝──。鏡・剣・玉という、歴代天皇の皇位継承のシンボルを求めて繰り広げられた争奪戦を通して、中世期の神器をとらえなおす1冊。(講談社現代新書)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

今年の大河は清盛が主人公だけに、壇ノ浦の描写がどの程度になるのか、気になるところではありますが…。
本書によって、平家が三種の神器を持って都落ちしたことが如何に重大事だったのかが改めて判って、その成り行きにドキドキしながらページをめくりました。

この、源平時代の大事件のみならず、赤松氏に絡む神器争奪戦も、ほんに先が気になって気になって、途中で読み止められず、つい夜更かしを…という、歴史学術本では珍しい『ノリ』に満ち溢れております♪

そういった、文字通りドラマチックな展開をこそ、大作歴史ドラマで拝見したい気持ちにもなったのでありますが、こと、こ~室に絡む話だけに、ドラマ化は難しいのかな…と思うたりもしておりまふ…。
赤松氏再興を賭けた争奪戦のエピソードなどは、南北朝問題という、デリケートな部分が関わってきてしまう訳でありますし…。

赤松氏の辺りに関わらず、この「奪われた『三種の神器』」は、もそっと、中世の歴史を勉強し直してから、じっくりとっくり再読したい気持ちが高まっております♪
初読時は、本当に「えええーッ!!ど~なるのーーッ!??」と思いながら、かなりのスピードでワクワク読みをしてしまいましたゆえ…。

一つ、何だか妙に感じ入ってしまいましたのが、壇ノ浦に沈んだ草薙の剣を、かなりの期間、朝廷が諦めずに探し続けていた…というくだり。(最後の探索が、27年後に行われたという記録があるそうです!)
今のような、深海向けのダイビング道具も無い時代、「この辺?」という見当で広く深い海に潜った海人(あま)さんが居たのかと思うと、その不可能過ぎる仕事に、ため息が出るような切ない気持ちに…。

上質のミステリーを読むかのように楽しめて…少し変わった角度から歴史が眺められる一冊だと思います♪

0
2012年04月14日

「学術・語学」ランキング