生田斗真さん主演の映画も話題となった本作。
身勝手な企業や個人に対し、動画サイトで「制裁」を予告しては実行する“シンブンシ”。実際にあった炎上事件をモデルにしているだけに、虚実の境がぼやける錯覚に陥ります。
第1話冒頭で違法ダウンロード&共有ソフト使用を摘発されても開き直る若者の姿は非常にリアル。ネット上の誹謗中傷や炎上合戦から、事件現場でもすぐに写メりTweetし、あたかもゲームのように面白がる人々まで、作者は現代のネット社会の暗部をよく分かっていて、個人の無関心さや煽動される集団心理を巧みに描いています。“シンブンシ”のやっていることは明らかに犯罪ですが、彼らが標的にする相手の悪事や、テロに至った動機を知ると、つい彼らを応援したくなってしまう…これがこの作品の最大の魅力です!警視庁サイバー犯罪対策課もあの手この手で犯人像に迫ります。ラストに“シンブンシ”はどうなるのか、それによって世間はどう変わるのか。最後まで目が離せない作品です。(書店員・鮭)
感情タグBEST3
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そうきたか、とかなり裏切られた。しかし、ここまで頭が回る人間ならここまで落ちなかっただろうにと、誰しも思うだろうがそれはフィクションなのでね。
ネット時代をよく切り取ってるなぁと感心しました。面白かったし、最後は感動と驚きを与えてくれました。
最後まで計画通り
全てが計算通りで、最初から最後までしっかりとした理由があっての計画と行動していた。
吉野さんのスピンオフ作品を見たいかも
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二巻最後の引きがあまり好きではなくて、読むの忘れてたけど、読んだら面白かった。
こういう計算されつくしたのはいいなあ。
たまに読むといい。
主犯の心情がちらっとでも描かれてたらまた別なのかもしれないけど(描かれ方によっては駄作にもなるかも?)、あくまで警察主体なのも計算かなあ。
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まさか本当の目的が
こんな些細なことだったとは。
ゲイツはヒョロのことを
本当に大切に思っていたんだ。
吉野警部もいいキャラクターだったな。
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この終わり方は好き。
すべての筋が通って、何が目的で、どんな動機で動いていたのかがすべてはっきりするし、爽快感のある最期だった。
この結末を最初からすべて想定していたのはすごいと思う。
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面白かった!!復讐する者たちの背景を殊更感動的に、読者が同情を抱きやすく描くのでもなく、かと言って自分たちの被害者的立場に自己陶酔する事もなく、こういう男たちがああいう出会いをして、テロ行為に及んだのは、誰かの代弁者として義憤を振りかざすでもなく権力に噛みつく様を英雄視するでもなく。高望みすれば捜査側の主役である捜査官を男性にしてくれてたら、髙村薫女史描くところの男臭いクライムノベルレベルに至ったのではないか、と思った。男臭い感じで更に面白かったろうな、個人的に、って思う。『マークスの山』ばりに。最期もなぁ、すっごい泣けた気がするよ。
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ミステリ漫画ガイドから、だったか。あまり期待していなかった分、かなり楽しめた。どっちかっていうとホラー寄りかな、ってことでこのタイミングで読んだんだけど、猟奇的描写は殆どなく、かなり本格的なサスペンス。whoとかhowでなく、whyに焦点が当てられているのが良い。ちょっと切なくなってしまうラストまで、終始読ませられる作品。
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映画を見て面白かったので借りた。珍しく、原作より映画の方がいいな。何事も原作第一と思ってたけど。まず絵がイマイチ。ラストも映画の方がいい。仲間たちは奥田が一人で罪をかぶると知っていたのか。いやでもノビタは密告しようとしたんだから、知らなかったのか。そこらへんが原作でははっきりしないんだよな。しかしみんな奥田に罪をかぶせた罪悪感はないのか。あの海で寿司を食べるシーンはとても良かったのに、映画オリジナルみたいだ。しかし、あの産廃処理の現場はひどすぎる。あー、吉野のエピソードも漫画じゃないんだな。映画の方がストーリーがしっかりしてる気がする。ちゃんと分かりやすいというか。捕鯨団体のエピソードは削られてたけど。
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面白かった。筒井さんは本当に漫画がうまいと思う。
映画っぽいなと思ったら映画化するのかー。映画っぽいのと映画はまた違うんだけどな。なんでもかんでもさぁ(ブツブツ)
とっても切ない犯人だった。それにしても吉野警部補ちょーかっけー。
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1巻で自尊心を奪い取ろうとする何かを憎んでいる。日本に殺されたヒョロ。理不尽に怒る2巻。それが誰かのためになるという間違いのない確信を得た時、人は利得を超えた行動をとることがある。
それが誰かのためになるという間違いのない確信を得た時、人は利得を超えた行動をとることがある。まさにそのセリフを体現した男たちのたったひとつの目的が完遂された最終巻。
時にそれは立場さえ越える。1巻から通して繰り広げられたシンブンシの犯行はあくまで日本の闇に殺された仲間のヒョロのためのものでした。確かに、今流行のバカ共が起こすネット犯罪をただ罰するだけではただの神様気取りの犯行にしかならない。それでも、僕は2巻の社会の理不尽黙って耐えてしまう人間に怒るゲイツや1巻の予告動画で自尊心を奪い取ろうとする何かを憎んでいるという言葉に感情が宿っていた気がします。だからこそ、敵である警察官の立場の吉野を最後まで動かす結果にもなり得たのではないかと感じ取れました。
社会から弾かれ、どん詰まりの人間でも、どこかで人のために何かができるかもしれない。それが人間の悪意を利用することになったとしても。単純な感情の発散が主のネット犯罪を題材にしながら、そういった人間が持つ尊厳を背骨に使ったことでとてもおもしろい作品だったと思います。筒井作品ではおなじみの喜多嶋もでて、若干ニヤリもしましたし、次の作品が楽しみです。
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最終巻。ネットカフェにて。もう少し続けて話を広げてほしかったという思いもあるけど、だらだら続けられて矛盾やほころびや未回収の伏線がぼろぼろ出てくるのも嫌なので、これぐらいがちょうどよかったのかもしれない。
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シンブンシと語る男がネットに制裁予告動画を投稿し、制裁を実行していくという内容。
実行の理由も少しずつ明らかになってくる。
現実で起こっていることを参考にしている点が多く、本当に起こりそうな感じのストーリーだ。
3巻で完結。