あらすじ
生成AIと人間の言語システムには、決定的な違いがある─それにもかかわらず、今、言語習得過程にある子どもたちに「おしゃべりする生成AI」が手渡されようとしている。2児の父でもある言語学者が、切実な危機感を込めて警鐘を鳴らす。
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Posted by ブクログ
最初から最後まで著者の主張に一貫性があり、ブレずにいてくれるので非常にわかりやすい。
タイトルを読んだだけでも著者が生成AIを子ども(特に乳幼児)に使わせることには反対しているのが伝わるが、それをいろんな視点から考察しているのが非常に興味深く自分も賛成する点ばかりでした。
今後生成AIがどれほど人間に近づくのか未知数ではありますが、今のところ生成AIは不確実な情報を自信を持って伝えてくるというのは自分も実感しているのでその点においてだけでも子どもに使わせるのは違うかなあと思います。
また子どもに対してという点からは少しずれますが、言葉だけでの共感は示してくれるけれどそこには対人間間での共感ならば生じるであろうあたたかさは生成AIからは読み取れないと実感しています。
ロボットなんだから自分の思い通りに応えて欲しいと思ってしまうのも怖いところで、少しでも自分の思ってたのと違う回答が来るとそういうことじゃないんだよと思ってしまう自分がいることがもはや怖い。本当の対人間との会話では相手の回答にたとえ納得がいかなくても、そういう考えもあるんだなと思えるのに。
良くも悪くもAIには期待しすぎてしまい、する必要のないところで失望したり不信感を抱いてしまうのがまた怖いところだと思います。
大人の自分でさえそうなので、まだ感情抑制も知識も未発達で不足している子どもにとっては、非常に不安定な存在なのではないかとも思います。
とにかくいろんなことを考えさせられるし、なるほどなあという視点もたくさんあり、とても勉強になりました。