あらすじ
疑心暗鬼が七人の友情を切り裂いてゆく。
――空は、墓場だ。
――わたしは人間ではない。戦闘機の一部だ。
かつて「空の王」と呼ばれた父、カルステン・クライシュミットの教え。
その言葉を胸に刻み、一個の鉄塊となったイリアは、今日も灰色の空へ向かい離陸する。
25戦中、24勝1敗。撃墜数33機――。
エアハント士官学校飛空科の「模擬空戦」において、驚異の記録を更新中のイリア・クライシュミットは、「空の一族」の追撃からただ一機帰還し、叙勲までされた士官候補生たち「エリアドールの七人」の中では突出した存在となっていた。
比して、イリアと共にエリアドール飛空艇の操縦を担当した坂上清顕(さかがみ・きよあき)の戦績は、11戦して2勝0敗9引き分け。撃墜数0機。
互いに撃墜王の父を持ちながらも、イリアに実力の差ばかり見せつけられ、悩み、焦る清顕。
――なんのために、ぼくは戦場を飛ぶ?
――なんのために、ぼくはひとを殺す……?
そして、平穏な学園生活の中で懊悩する裏切り者の工作員「ハチドリ」。その正体も明らかに――!?
七人の主人公が織りなす、恋と空戦の物語。激動。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
恋と空戦の物語。誓約編第2巻。
1巻で活躍し「エリアドールの七人」と呼ばれるようになった清顕達。
前半は平穏な学園生活を送っていたが
後半は激動の一言。
突然、ミオの性格が変わってしまい戸惑う清顕達。
ついに明かされる「ハチドリ」と「シルヴァニア王家王位継承者」の正体。
さらに飛空士シリーズならではの戦闘機による空戦も健在。
特に清顕とイリアの戦闘対決は見物。
勝つのは果たして。
そして最後の最後に明かされた衝撃的真実。
予想通り!かと思えば予想外の展開に!
この面白さ、ハマる。
次巻が楽しみ。
Posted by ブクログ
そう来たかー!! という2巻。圧倒的に面白い。これ、読まないのもったいないよって言いたくなる。
私の予想は半分当たって半分ハズレた。
2巻を読んでから1巻の最初の清顕の回想を読むと、震える。
Posted by ブクログ
評価:☆4.5
「なんのために、ぼくは戦場を飛ぶ?」
そして、平穏な学園生活の中で懊脳する裏切り者「ハチドリ」が動き出す――。恋と空戦の物語、激動。
大切な人を守るために銃口を向ける覚悟をした清顕とイリアの人間らしい部分が見所でしたね。
同じ気持ちになって空を飛ぶ二人の姿は美しかった。
あとは不明だった工作員、王位継承者の正体が明かされて次巻から遂に本格始動という感じ。
予想外なところもあって先が俄然楽しみになってきた。
「あんたが戦えるのは、ほかのひとのため、じゃないかな」
「――いつまでもずっと、こうしてきみと飛んでいたいよ」
Posted by ブクログ
若き士官候補生たちの
かけがえのない日々
それは青く、瑞々しく、まぶしくて
しかしそれゆえに、切なくて……
取り戻せない想いと誓いとが
どこまでも広い蒼穹に満ちている——
*
『誓約』2巻目
帯やチラシで再三ネタバレ箝口令がしかれている通り
この巻では噂のスパイ、ハチドリがその正体を現します
正直ちょっと、9割くらいコイツだろうなと思ってたので
うんやはりな、と思ったのだけど
作者の仕込んだ驚きはこれだけではなかったという……!
しかしあの子、あそこまであからさまにしてたら
バレバレじゃないか
現にバレたじゃないか
ぺーぺーなのかな?
王女の方は意外でした。
どこかで完全にあの子だと思ってたのに…なぜだろう?
作者にそう思わされたってことか!くそぅ悔しい!←
しかしやはり空戦はいいですね
一度でいいから生で模擬空戦を見てみたいものです…
ただひとつだけ
自分が人を殺すための理由になったって
女は嬉しくないんじゃないかなぁ…と
そこまで想ってるよ!守りたいんだよ!ていうのを伝えたいんだろうけど
人を殺してまで守りたいと言われても、その覚悟は確かに伝わるけど
まぁ素敵!とか、嬉しい!なんては思わないだろうし
今回のように、人を撃つことにためらいのあった清顕が
そのことで前進できたというのもな…うーん
照準器の向こうに顔を浮かべられてもな…うーん
それは克服なのか?
はたまた逃避なのか?
責任転嫁なのか?