あらすじ
七人の主人公が織りなす、恋と空戦の物語!
四千もの島嶼が大瀑布を挟んで存在する「多島海」。
ハイデラバード連合共同体、セントヴォルト帝国、秋津連邦、三つの大国が覇権を争うこの海を、七人の少年少女の操縦する大型飛空艇が親善飛行していた。
その、「エリアドール飛空艇」に集ったのは――
河南士官学校三回生、坂上清顕(さかがみ・きよあき)。
河南士官学校三回生、ミオ・セイラ。
箕士官学校四回生、紫かぐら。
エアハント士官学校四回生、バルタザール・グリム。
エアハント士官学校三回生、ライナ・ベック。
エアハント士官学校三回生、イリア・クライシュミット。
エアハント士官学校二回生、セシル・ハウアー。
いずれも、その突出した才を認められた士官候補生たちだったが、「空の一族」の強襲を受け、名も知れぬ島への不時着を余儀なくされる。脱出のために協力する七人だったが――。
2008年『とある飛空士への追憶』
2009年~2011年『とある飛空士への恋歌』(全5巻)
2011年『とある飛空士への夜想曲』(全2巻)
そして、2012年『とある飛空士への誓約』。史上空前の規模でついに始動!!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
全9巻完結。『とある飛空士』シリーズの最終作。
出来れば最終作と言わず、この世界の成り立ちを続けて書いて欲しい。
巨大な海の滝"大瀑布"で遮断された国々が飛行機という文明を得て出会った時の最初の行為が握手ではなく殺戮であった、という文書が作品内にあった。人間の業の深さが現れている。隔絶した世界、憎しみ合う人々、数千万の死、支配、搾取、貧困…
この世界はまるで人間の実験場みたいだ。こんな世界を作った者はラストに満足しただろうか?私は泣きました。
Posted by ブクログ
ああ、これはいい!
わくわくが止まらない!
「追憶」「恋歌」「夜想曲」と紡がれた『とある飛空士』シリーズの4作目。
また新たな『恋と空戦』の物語の始まりに、なんとも心躍った。
冒頭から亡国の王族の逃亡シーンがあり、それこそ追憶や恋歌を思い出して、実に飛空士シリーズらしい始まりだと思った。
そして、集うメンバーにはその元王族だけでなく、因縁のある撃墜王同士の子供たちや、空族のスパイなどが含まれて、これからなんとも壮大な話が始まるのだなという期待感がいやがうえにも盛り上がる。
一艘の飛行艇に乗り合わせた7人の士官候補生たちが、戦場の空を、夜の海原を、敵機の攻撃を受けながら必死で逃げ延び、さらに危険な夜間着水を実行する展開は、ページをめくる手が止められないほど、惹き込まれた。
もちろんお約束のラッキースケベあり(笑)、ミオと清顕の痴話げんか(?)ありでコミカルの部分も楽しめた。
早くも恋の三角関係に発展しそうな展開があって、さすがに『恋と空戦』の物語という看板に偽りなしという感じだ。
ちなみに、元王族はすぐに誰なのか分かったけど、スパイの方は誰だろう?
いかにも怪しそうなのは彼だけど、たぶん違うんだろうなあ。
おそらくもっとも意外な人物、と言うことは……
この1巻目の刊行はもう5年前なのだけど、実は完結するまで読み始めるのを待っていた。
途中、恋歌のあの人も登場してくるらしいので、この先読み進めるのが楽しみ。
物語の滑り出しは最高!
さあ、次だ!
Posted by ブクログ
最悪の状況をこれでもかと重ねてぶつけてくる。予想していたとはいえ思わず呻いた。
ハチドリは誰か。
スパイは誰か。
このテーマは例えばアガサ・クリスティの「NかMか」でも扱われた、ミステリ色の強いテーマだけど、ハチドリの正体が明らかになった時、ミステリ色の強い展開だったなと思えれば最高の出来になるのだが……。
それにしてもシリーズ最長、恋歌より長くなるってちょっと想像がつかないな。
ミリタリ的には夜想曲でいったん潰えた旋回機銃への回帰、かな(笑)。
Posted by ブクログ
ハチドリは誰なのだろう……と、気になる。
あの方だとあまりにもそれっぽすぎるから、違うのかなーと勝手に考えてみたり。でも、王道で行くのかな?
Posted by ブクログ
まだ1巻ながらすでに傑作の予感ただよう飛空士シリーズ最新作。
追憶から読んでいるためか空戦の描写が分かりやすく感じました。 もちろんこの誓約から入っても全然OK! 恋愛パートも含めていわゆる王道なのでぜひ。
また今回はいつもの恋+空戦に加え、ミステリー要素もあるところが良いなぁと。 はやくも2巻目が待ち遠しいです。
Posted by ブクログ
シリーズ最長になりそうとのことだけど、全何巻だろう。希望としては8巻。1~7巻でそれぞれ表紙、最後は集合写真がいいな。ガガガは男ピン表紙がダメとかないよね?何にせよ2、3年以上のシリーズになりそうですが、今からワクワクです。
それにしても、わりと非の打ちどころのない感じで、何と言っていいのやら。全体的にベタな王道展開だと思うけど、その王道のど真ん中を堂々と歩いて行ったそんなイメージ。
何が凄いって、クライマックスのとこ。なんだよ「夜間着水」って。
飛空士シリーズと言えば空戦で、もちろんこの作品も主人公たちの飛空艇VS敵の戦闘機の描写は手に汗握るものでしたし、それはこれまでのシリーズでも変わらない。
最後は、派手な空戦で盛り上げることも出来たでしょうけど、敢えて(映像としては)地味な着水でハイライトを飾ったのは、これはもう拍手喝采です。
これ、例えばシリーズ一作目の「追憶」で、シャルルは困難な夜間着水を成し遂げたのだ!とかだったら全然盛り上がらなかったと思うんです。あれは何とかターンで良かった。
シリーズの積み重ねの中で、我々も無意識のうちに作者の飛空技術に関する知識を吸収していて、「夜間着水が非常に困難な芸当であること」をすんなりと受け入れられたんだと思います。
だからこそ、その困難な状況に仲間が力を合わせて立ち向かうという感動に浸ることが出来たんじゃないかな。
1巻でありながら、早くもシリーズものの醍醐味を醸し出しています。
Posted by ブクログ
お気に入りの飛空士シリーズの最新刊という事でプライオリティを上げて読みました。まだ出だしの状態だったが、プロローグで7人の主人公の内5人が英雄、2人が裏切り者と述べてあり、これは色々な人間模様が交錯する物語になるだろうと思います。今回は3名の絡みがメインでしたが、中々面白かった。次回作も首を長くして待とうと思います。(これ以上書くとネタバレが多くなって面白みがなくなるので省きます)
Posted by ブクログ
不吉なものを幾つも抱えたままで開幕した第1巻
何気ない、けれど大切な約束がこれからどんな影響を与えてしまうのか、恐ろしいけれど楽しみに読んでいこうかと思った
Posted by ブクログ
評価:☆4
七人の主人公が織りなす、恋と空戦の物語。
今回はシリーズの始まりって感じの巻ですね。
それでも空戦の臨場感・緊張感は流石の一言!
キャラも特徴あってすぐ覚えられた。
7人の中に紛れ込んだ工作員の存在が今後この関係をどう乱していくのかが気になるところ。
裏切り者は誰だろうな・・・疑いの目で見るとみんなそう思えてくるから分からんw
この感覚は六花の勇者を読んでるときのものに通ずるものがある。
「たとえ敵味方に別れようと、我々は憎み合うことはない。友情は永遠だ」
Posted by ブクログ
この中に二人、裏切り者がいるな展開で始まりましたが、いきなり激しい戦いの様相でした。固く結ばれたと思われた7人の絆と、誓約。それが一体どうなるのか。
Posted by ブクログ
恋と空戦の物語
「飛空士」シリーズの最新作
今回の舞台は、空の一族が傭兵として兵力を投入した共同体の国々と
主人公たちの和と洋の二国が結託した同盟軍との戦い
自国の士官学校で腕を磨いた主人公は
より高いレベルの学校に編入することになり
華々しい親善艦隊の一員として
大瀑布の向こうの同盟国へと向かった
だがその途中で空の一族の大艦隊とぶつかり
親善艦隊はあえなく撃沈
主人公ら7人の士官候補生を乗せた飛空艇は単機適中突破行を
敢行しなければならなくなったのだった——
*
これまでは、飛空機による軽快なドッグファイトが見せ場だったのに対し
この巻では、主人公たち7人がそれぞれ役割を分担しての
飛空艇での戦いになって
今までとは違った緊張感が味わえた
鈍重な飛空艇が、身軽な飛空機に追い回される様はやはりヒヤヒヤしたし
コクピットの操縦士以外の5人がそれぞれ機銃を撃つのにはテンションが上がった!
なんというか…一体感?
編隊行動とか、じゃっかん死亡フラグなことが多いけれど好き
一糸乱れぬ動きなんかは鳥肌が立つ
そこに込められた決意とか
一本の盾となり槍となる姿とか
序章の通り
7人の中には裏切り者もいるようだし
ハラハラが止まりません
どんな悲劇が彼らを待ち受けているのか…
目が離せない
Posted by ブクログ
傑作の香りがぷんぷんと…!
とある飛空士シリーズの第4段。
いつまで引っ張るんだ…と思いながらも手を出し読んでみると、やはり面白い。
今回の主役はいくつかの国々から集まった7人の学生たち。
それぞれがそれぞれの事情と思いを抱え、1機の飛空艇に乗り込みます。
7人もいるとなかなか覚えきれないな…と思ったのも最初だけ、しっかりとキャラがたっており、混乱するようなことはありません。
今のとこのお気に入りはバルタザール。
彼のリーダーシップとプライドは見事。
また、同シリーズ特有の緊張感溢れる展開は健在。
足の遅い飛空艇で敵の戦闘機との戦闘シーンや巨大積乱雲との遭遇シーンなどは相変わらず息が詰まります。
そして、そうした試練を乗り越えた先に芽生えた彼ら7人の友情。
7人の中には敵国のスパイや滅亡した王家の生き残りが混ざっていますが(読者もそれが誰かわからない)、この友情はきっと世界を変えるのでしょう。
シリーズ最大規模で展開される「とある飛空士への誓約」。
注目です。
Posted by ブクログ
飛空士シリーズの新シリーズですね。
個人的には恋歌より好きな感じです。
たぶんキャラでしょうか。
展開はいつも通りで飽きてしまいそうなくらい
お約束をなぞっていますが、
ちゃんと工夫はされているしやっぱり読みやすい。
空戦は見ごたえがあるし、キャラの個性が豊か。
キャラは個性ありすぎて逆に薄っぺらく感じるとこもありますが、
この作者なんで、各人バックボーンはあるのでしょう。
今回は叙述トリックといいますか、スパイを伏せて話を進めているので、
それを予想しながら読むのがなかなか楽しいですw
普通に定番の感じだとあいつかあの人なんだけど、
裏かいてあの子なんじゃないかなぁ…とか。
で、シルヴァニアの子がこっちで、
でももしかしたらそれはミスリードで…とかww
考えながら読むタイプの自分にはなかなか楽しい1巻でした。
内容も素晴らしかった。かなり好き。。
次巻が楽しみですね。