【感想・ネタバレ】蝋燭は燃えているかのレビュー

あらすじ

「宇宙空間の殺人」の次は、京都大炎上!

連続放火殺人事件に挑むのは、宇宙還りの女子高生・真田周(さなだ・あまね)!

宇宙ホテルでの連続殺人事件から帰還した女子高生の真田周は、大気圏突入時の配信が炎上し、個人攻撃にさらされ、まるで加害者のような扱いまで受けることに。
そんな中「まずは金閣寺を燃やす」と不穏な書き込みがあり、それを皮切りに名所名跡が次々と放火される。
その場にいたのは、消息不明となっていた友人の姿。京都を舞台に新たな事件!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『星くずの殺人』の続編であり、前作に登場した女子高生が主人公。

『星くずの殺人』では宇宙ステーションで起こった事件だったが、
本作では打って変わって日本の京都が舞台。
スケールが小さくなったのでは?と思いながら読んでいたが、
京都の名所の数々が巻き込まれる大変大規模な事件が展開されていく。事件の規模なら前作以上だ。
不謹慎かもしれないが読んだ後は京都旅行に行きたくなること間違いなし。

主軸となるテーマは炎上や加害者家族に対する誹謗中傷だろう。
おそらく今現在もなんらかの出来事で起こっている現象であると思うし、こういったトラブルなんかは枚挙にいとまがない。
家族だから、友人だから、果ては同じ地域・都市に住んでいるからと、外野は一括りにして同様の狂気や悪意を孕んだ存在と決めつけて糾弾する。私も含めて心当たりがまったくない人はいないと思う。しかも糾弾する側は自分たちに正義があり、それが正当な権利であると思いこんでいる。
まさに現代のSNSで起こっていることを反映させたような物語だった。

こういった作品を客観的に読んでいると、誹謗中傷している側の醜悪さや幼稚さがありありと見えてくるのに、
そのような行為がなくならないのはなぜなんだろうか。
前述したとおり、やっている側としては正義を執行している感覚があるからなのだろう。
我々は自分に正義があると何をしても許されると思っているフシがある。それが他人を傷つけ、結果的に殺すようなことになったとしても……。

この作品を読んで今一度、正義とは何かということを考えてほしい。
正直に言うと私は正義というものがわからない。そもそもそんなものは人間が勝手に作り出したもので、それが他人を害する大義名分になるというのならそんな概念はなくなってしまってもいいとすら思っている。そのように考えてはいるものの、声高にそれを主張するわけではない。ただ私は巻き込まれたくないだけなのだ。
そんな自分を心底恥じ入るほどに心に刺さった作品だった。

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2026年01月13日

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