あらすじ
作家として、母として、個人として――
金原ひとみ 魂の遍歴
希死念慮に苦しんだ10代、デビュー作による芥川賞受賞、
結婚、出産、孤独で自由なパリでの生活、
かけがえのない子供たち、離婚、そして新たな場所へ。
『蛇にピアス』から『マザーズ』と経て、
『アンソーシャルディスタンス』『YABUNONAKA-ヤブノナカ-』へと結実した
小説家の軌跡。
朝日新聞掲載からSNSで拡散され大きな話題となった
「『母』というペルソナ」ほか、
作家生活20年にわたって書き継がれたエッセイ&掌編小説を完全収録
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Posted by ブクログ
変わらないもののないこの世界を生きるのは苦行に等しく、これは変わらないという何かを信じたい気持ちに、常に誑かされ続けている。
私はこの子に他者という存在を教えられたことを実感する。
否定も肯定もなく、すぐそこに自分とかけ離れた他者が存在するという事実に、私はどれだけ苦しみ、どれだけ救われてきたか分からない。
最高すぎて、泣いた。泣きながら、読んだ。あの日、泣く我が子を抱きながら恐れおののいたこの子を生かしていく事はできるのか?という恐怖は今も忘れられない。また、思い出して、泣いた。そして成長していく頼もしい我が子に、私も救われている。