あらすじ
七福神めぐりが流行る神楽坂で、寿老人役の爺さんが石像に頭をつぶされて亡くなった。近所ではずいぶん嫌われ者の老人だったのだが……。一方、奉行所が10年来追い続ける大泥棒・品川左衛門が久々に姿を現す。贋の恵比寿天から弁財天の口吸いまで、不可思議な事件が相次ぐ。根岸肥前が過ごした不思議な一夜「虫一匹」(書き下ろし余話)を新収録。殺人事件シリーズ第10弾。
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Posted by ブクログ
『殺人事件シリーズ』は江戸の名所を周る旅ガイドなんだな
とこの巻を読んでなんとなく思った。
新宿魔族あたりからかなぁ、
『平成のいま』を語る頻度が高くなってきた気がする。
今回の神楽坂も平成では人気のスポットだし。
このシリーズの謎解き散歩本があったらけっこう重宝しそうだけどな。
七福神に見立てた商売方法など
江戸の流行を見せてくれる話ではある。
内容的には
ミイラ取りがミイラ的な、なんとも皮肉な結末だなぁと思った。
そして坂巻に嬉しい再会が訪れる。
彼もそろそろ幸せになってもいいんじゃないか。
この巻は本編もさることながら余話が印象的。
夢オチなのか、タイムリープものなのか
どちらとも取れるところが面白い。
妖談シリーズのふたりががっちり噛んでくるのにも
思わずニヤリとさせられた。