あらすじ
地震、台風、飢饉、戦乱、政治的混迷……。人は死に、心は移り、自然は猛威をふるい、家は壊れる……。
今日の世によく似た激動の時代に生きて、鴨長明さんは何を悟ったか。
求めない。妬まない。依りかからない。
すべては変化していく無常の世界を生きるためのヒントが満載の古典的名著『方丈記』が、超わかりやすい現代口語訳で今よみがえる。
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Posted by ブクログ
高校に入って最初の古文の授業で扱ったのが、方丈記だった。古文が嫌だったのは、そもそも自分の言語学習能力が低かったせいなのだが、当時は内容のつまらなさのせいにしていた。ところが、その後ずっと「行く河の流れは絶えずして…」のフレーズを記憶していて、しんどい時には方丈記に助けられた。この超口語訳と原文を再読しながら、実は、長明の生き方に共感するところが多い自分に気づいた。800年前から読み継がれているということは、同じように共感する人たちが、どの時代にも多くいたということだろう。現代風に言えばミニマリストの生き方。これからも方丈記は多くの人を助けることだろう。