あらすじ
ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常――のはずだった。しかし、ある暑い夏の日、まだ幼い姪が自宅で何者かに殺害され庭に埋められてしまう。この殺人事件をきっかけに、次々に明らかになっていく家族の崩壊、衝撃の事実。殺害動機は家族全員に存在していた。真犯人はいったい誰なのか? 連城ミステリーの最高傑作がここに。
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Posted by ブクログ
いやダークプレイスくらい色々起きるやんとか思ったけど最後の顛末にはグッと掴まれた。色々ありすぎてえええ?ってなったけど、面白かった。女と男と、それらが寄り集まって家族と親類と出来上がっていく中で、その基盤が腐っているという。男女のどろどろが極大化した上で、一つの家族にぎゅっと集約されてるっていう、一番近い肌寒さがあった。幸子好きじゃないなぁ。
Posted by ブクログ
まず最初の印象は、太陽が照りつけるメラメラとした密林やじめっとした日本の夏と、それとは裏腹に現場の部屋の中の冷たさと不気味さでした。温度がすごく伝わって来る感じ?
最後まで犯人が誰だか分からない、ミステリーだと感じながら読んでいたのが、大どんでん返しいつ来るのか、物語が終盤から畳み掛けるように進んでいく模様が面白い。
解説の通り、物語の語り手がコロコロと変わることで真実?事実を見つけていく進み方だが、一人称で告白をしている故、誰一人として嘘をついていないのに読み手からすると大どんでん返しが起きているという不思議な感覚を覚えた。
もう一度読めばまた物語の感じ方が変わるのだろうと思えるので少し時間をあけてまた読みたいと思う。
Posted by ブクログ
誰が犯人なんだと振り回されて振り回されて、最後にゾッとさせられた。この罪深い家族の秘密は白昼夢のように惑わせてくる。
家族みんなから忌み嫌われる存在の直子が不憫だ。誰もが少しずつ罪を背負っていて、最初に殺意を持ったのが故人である昭世で、トドメを刺したのがまだ子どもである佳代というのがまた何とも言えない後味。
語り手がどんどん代わっていくのが面白かった。それぞれの真実をそれぞれに信じていて、複雑に絡まって歪な様相を呈している。
直子の最後の言葉は事実なのか、それとも桂造の幻聴なのか、もはや誰にも分からない。これも昭世の、呪いにも似た言葉の結果だろうか。