あらすじ
想乃は駆け出しの絵本作家。次作が決まらず悩んでいたある日、遠縁のおじさんから古い団地の一室を相続する。
その団地には小さなカフェがあり、異界から来たお姫さま・ユリアが明るく働いていた。
お魚のパンや、こけももジャムのクッキー、ミルクに浮かべたふわふわクリームパン。ユリアが作るお料理は、どこか不思議で、けれどあたたかく美味しい。
月に一度、満月の夜。ユリアはドレスを着ておめかしし、大好きな国王陛下をお迎えする。
自分たちの絵を描いてほしいと頼まれた想乃は、優しく恋しあう二人の姿を、スケッチブックに描き留めてゆく。あのとき団地で起こったこと、恋も友情も、涙も笑顔も、輝く奇跡も全部……。
現代のおとぎ話。
「わたしは待つのが辛くなったとき、ごはんやお菓子を作ると気持ちが落ち着くの。
あの人に作ってあげたい、この人に食べてほしい。そんなことを考えながらお鍋のスープをかきまぜたりパンを丸めたりしていると、だんだん楽しくなるのよ」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
野村美月さんの作品は「ものがたり洋菓子店月と私」シリーズが大好きで読んでいて、初めて違う作品を読みました。
こちらの作品も、流れている時間が
とてもあたたかい。
登場する人たちみんなひっくるめて、
幸せであってほしいと勝手に願いながら
読み進めてしまいました。
現実の世界とは違う要素も多いストーリーでしたが、逆にそれが素敵な物語として楽しく読めました♡
そしてまるで物語は文字として読んでいるはずなのに、ずっと想乃が優しいタッチの色鉛筆で描いた絵本を読んでいるような気分で読み終えました。
一旦完結したお話しなのかもしれませんが、
その後の世界をまた読んでみたいと思える作品でした!
野村先生!
素敵な物語の世界へ連れて行ってくださりありがとうございます。
Posted by ブクログ
古い団地が舞台。そこで絵本作家で待つことに疲れてしまっている想乃と月に一度の大切な人との再会を待つ異世界のお姫様であるユリアが出会う。
想乃は、お姫様と国王陛下の月に1度の再会をスケッチブックに書き留める。それは絵本のように柔らかく童話のように優しく…。幸せそうな彼女たちの様子を見て、想乃も絵本作家として一歩踏み出す。
けれども、ユリアの下には試練が、悲報が訪れる。そして輝くような奇跡が起こるのだ。
異世界が絡むファンタジー作品で、けれども出てくるご飯は野村さんらしくおいしそうで優しい雰囲気を醸し出す。現代を舞台にした、メルヘンで美しいおとぎ話だった。