あらすじ
ビーバーイーツ配達員の僕は、東京・六本木の雑居ビル内の料理店へ今日も向かう。この店では、特定メニューを組み合わせた注文が、謎解きの依頼だ。不審な焼死体が出たアパート火災、空室に届く置き配、指のない轢死体・・・・・・。オーナーシェフは、配達員を使って難問を解く。だが、僕らに告げる。口外したら命はない、と。『#真相をお話しします』で大ブレイクした結城真一郎が仕掛ける、笑いあり・驚きあり・そして怖さあり・・・・・・の摩訶不思議な、新時代の本格ミステリ、ここに爆誕!!
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Posted by ブクログ
ビーバーイーツを利用して謎解きをするという新しい設定が面白い。
『名探偵』ではなく『シェフ』だから、真相はどうでも良くて客の好みに合わせて『味付け』する。これはうまい表現だなぁと思った。
1話は平凡な大学生が配達員で、配達員が手がかりを集めてオーナーが謎を解決する(解決ではなく調理)という普通の展開。
2話目以降は配達員の事情も絡んできて違った面白さもあるが、だんだんと雰囲気が怪しくなっていく。
配達員たちの抱える事情や境遇のいくつかは身に覚えがあり、だからこそ、オーナーとの約束を破った配達員の最後が恐ろしかった。
オーナーは不自然なまでに完璧な容姿をしているが、その瞳は無機質で無感情。底知れなさや仄暗さが加わって、妖怪を思わせるような不気味さを感じる。
最後の最後までオーナーの詳しい情報がなく、怪しいまま終わったことで、もしかしたらどこかに“店”がありそうだという余白を感じられてよかった。
Posted by ブクログ
謎の料理店の店主が謎解きや人探しをして欲しいという裏注文に、配達人を雇って証拠探しや手がかりを探すことで探偵のようなことをする。でもその探偵業務がどれも的をいているものの『客が満足のいく答え』を探しているだけ。『客が欲しいのは真実でなくていい』というなんとも薄気味悪いことを言う……。
そんなことを言う店主の正体を明かそうとした配達人のひとりが…配達を通じ仲良くなった店と結託して店主のいわば『手足』になって働く人や、店主自身をつけていたところ…電車の来るホームで背中を押され………なんとも怖い話もあった。『知らぬが仏』という合言葉で配達人たちが、消えた配達人を店主に探させようとしたところ『俺が殺した』と……実は作っていた料理に人の肉も紛れていたらしき表現もあり最後の方は背筋が凍った…とても夏にピッタリの小説だった気がする。