あらすじ
1981年、神奈川県Q区。沖縄からの移住者が暮らす街で新生活を始めた篤は、ある夜、「びしゃっ」という水の音と共に、全身ずぶ濡れの人影を目撃する。その日を境に、Q区の住民が次々と“自宅で海水に溺れ死ぬ”という異様な死を遂げていく。街が疑心暗鬼に包まれ、自警団が結成される中、篤は“おばぁ”と呼ばれる比嘉勝子のもとを訪ねる――。
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Posted by ブクログ
大好きな比嘉姉妹シリーズの続編で、購入したその日に一気読み。琴子の家系でこんなことがあったのかと、過去の断片を知れたという充実感がありました。あとは「やっぱり人間は怖い一面を持っている」というのが自警団の歪んでいく流れでヒシヒシと感じました。最後の展開には「予言島」の時のような「えっ!そういうことか!」と、良い意味で驚かされたのも楽しかったです。来週発売の短編集も早く読みたいという気持ちが更に増しました!
Posted by ブクログ
事前情報ゼロで読んで、巻末の作品紹介読んでみたら、シリーズもののエピソードゼロ的なもの?
最初は少し入りにくかったけど、後半は一気読みだった。
比嘉姉妹シリーズも読んでみようかな。
Posted by ブクログ
やっぱり比嘉姉妹シリーズは面白いですね。
結局、レギュラーメンバーは出てこないんだけど、それも憎い演出だなと思いました。
でも、久しぶりの新作だったから彼、彼女らの活躍が見たかったというのはありますね。
にしても、かなり重厚なストーリーでした。
現実に起きている移民問題が絡んでいるようにも思えました。
結末については、煮え切らない感じがまた良かったです。
びしょびしょのお化けは、海で見つけた宝物を人間に取られたから取り返しに来ただけなのに、あまりにも残虐に人を次々に殺すから、篝火で燃やされて消滅。
省三を筆頭とする自警団は無差別に人を殺してたのに、謎の連続殺人鬼から街を守った英雄として祭り上げられ、お咎めなし。
裏で手を引いてたヤクザもお咎めなし。
街のために戦った勝子は無惨な死を遂げる。
まさに街を救った篤は米軍に逮捕される。
篤はまさにバットマンの『ダークナイト』のような活躍でしたが、彼も報われた感じがしない。
省三や博子は罪悪感のようなものは感じているようでしたが…、うーん、なんとも煮え切らない。
でもそれがまた良い。勧善懲悪じゃない感じが、リアリティがあるように感じられました。
過去のシリーズで語られていた通り、琴子たちの親の毒親感が表現されててそれも良かったですね。
冒頭のウルトラマンと小泉八雲の話。本編とどういう繋がりがあったんだろう…。結局わかりませんでした。ウルトラマンの話は、佐久間篤の血統が日本人であることをミスリードするためのものだったのかな。であれば、佐久間篤という名前である時点でミスリードできているわけだから、冗長的にも感じるし…。やっぱわからないですね。
最後に、個人的に大好きだった一節をご紹介。
篤が抱いた嫌悪感がひしひしと伝わる傑作だと思いました。特に最後の一文。こんな表現、初めて見ました。最高です。
“言ったのは名取という刑事でした。太っているというか、全体的に「垂れ下がっている」中年男でした。眠たげな垂れ目、弛んだ頬肉。への字口は常に半開きで、腹も出ている。座るときは壁に凭れ、たんなる胡座すら酷くだらしない。声にはゲップが交じっている風に聞こえました。”
ざんどぅまの影は何のために!?
ざんどぅまの影は、ただのびしょびしょのお化けだとしても、何か目的寄りがあったんでしょうか?。それがわかりませんが、結果として、何かできましたか?。ちょっとイヤな感じもします。沖縄と沖縄以外の日本との分断…。まさか、中国の影、じゃないでしょうね。また、沖縄に特別な負担のイメージができつつある現在、戦争がイヤになる気配です。そういう場合は、警察や公安に強くならないと。軍はイメージダウンですね。
Posted by ブクログ
あらすじは公式のがあるから割愛。
幽霊的怖さよりも人怖系ですね。途中までは篤を助けてくれた恭介含め、みんないい人たちに見えるけど、恭介がいなくなると段々と本来の姿が現れてくる。とても読みやすくて面白いですが、だいぶ胸糞です。差別ってのはどこにでも、どの時代にもあるものだよな。
おばあこと比嘉勝子がめちゃくちゃかっこいい。おばあと呼ばれて嫌な顔をしてるのは馴れ馴れしいからかと思ってたけど実は別の理由があったらしい。どうやら比嘉家をメインにしてるシリーズものがあるらしくて、そっちも気になってます。
ただねー。現代に戻ってきたときの篤の発言がどうにもひっかかりました。急に記者、ひいては読者を糾弾してくるんだけど、それがどうにも理不尽すぎるうえ、なんかキャラとしてというよりも作者の思想が出ちゃってる感じで。しかもここから盛り上がってくるよー! って展開で2~3ページを余計な話で埋めてくるもんだから興が削がれるしリズムも悪い。さらにいえば叙述トリックが弱い。確かに勘違いはしてたけど、カップルの件なんてあったっけ? レベルだったんだけど。
Posted by ブクログ
1981年。沖縄からの移住者が多く住む、神奈川県Q区が舞台。そこで新生活を始めた篤が、怪異に巻き込まれていく。
まず語りは篤なのだけど、最初に、琴子に"降りた"篤が、野崎にインタビューされていると言う状況が明かされている。篤はすでに死んでいる。そうなった経緯は、特に書かれていない。
物語は篤が、全身ずぶ濡れの異様な人影を目撃することから始まる。そこから、Q区の住民が「自宅で」溺れ死ぬという、異様な事件が続出し、住民は「沖縄からの移住者が関わっているのでは」と疑心暗鬼に陥っていく。
この辺の人間の心理は、本当に怖い。
若者たちのリーダー格だった恭介が殺されてしまい、友人たちがどんどん沖縄人憎しに傾いていく様が、妙にリアルだ。
そして、琴子の祖母に当たる勝子が、命と引き換えに怪異を追い払った。最終的には、"青い目"の篤が(ハーフであると、ここで明かされる)トドメを刺すのだけど。篤もまた、よそ者だったのだ。
タイトルにあるように、怪異は作中で「ざんどぅま」と呼ばれていて、なんとなく沖縄っぽいが、そもそも怪異と沖縄は無関係だった。いろいろな偶然が重なって、篤の仲間たちがそう思い込んでいただけだったのに、Q区の住民は沖縄出身者を露骨に避け、恭介が作った自警団は恭介が殺された後に暴走し、何の罪もない沖縄出身者たちを殺して回るのだ。ある意味、怪異より恐ろしい。
怪異が人を襲っていた理由も判明するので(襲われた人にとっては、巻き込まれた感満載だけど)、より一層、「ヒトコワイ」が強調されている。
琴子と真琴の祖母である勝子は、2人が生まれる前に死んでしまっていた。野崎と琴子は、篤の話を通して勝子の人生を知ったことになる。勝子は豪胆で頼れる"おばぁ"だったけど、なんと霊能力はなかった。本当の霊能者は、10代で亡くなった勝子の妹だという。
でも勝子は、Q区と篤を救った。しかし、誤解から沖縄出身者を多数殺した自警団に、その手柄を横取りされてしまった。それでも、勝子の精神は琴子と真琴に受け継がれているのだと思う。
澤村伊智のホラーとしては‥ちょっと期待外れだったかな。ヒトコワイの中身がなんか、マイノリティの差別という気持ち悪さだったせいかも。
「ざんどぅま」は怖さが足りなかったし。
星3個だけど、まあ3.5くらいかな。
Posted by ブクログ
2026年。
1981年。沖縄からの移住してきた人々が集う神奈川県Q市で現れる怪異(海系)。自警団を結成したが、中心人物が死に方向性が変わってゆく。そして個人的には興ざめの叙述トリック。
今回のおばけはびしょびしょのお化け。
あいかわらずどんどん読み進めてしまうんだが。
野崎と真琴が故人の篤から口寄せで聞いた話という体。
響いたのは。おばぁがユタ治療?に法外なオカネを要求し、「全部いっぺんはムリだけど少しずつ返すから」の返答に「治ったら返さないね」 喉元すぎれば暑さ忘れる、だね。