あらすじ
1981年、神奈川県Q区。沖縄からの移住者が暮らす街で新生活を始めた篤は、ある夜、「びしゃっ」という水の音と共に、全身ずぶ濡れの人影を目撃する。その日を境に、Q区の住民が次々と“自宅で海水に溺れ死ぬ”という異様な死を遂げていく。街が疑心暗鬼に包まれ、自警団が結成される中、篤は“おばぁ”と呼ばれる比嘉勝子のもとを訪ねる――。
【電子特典】
手書きメッセージ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
澤村伊智の!新刊!読みました!おもしろかった……。ちょと今のところ今年のベスト3に入りそうだ。いまのこの時勢で、社会をこれだけ取り込みつつ、小説でしかできない表現をしており、そしてホラーとしてしっかり怖いのすごすぎないか、小説うますぎ。
今回は障害者、ミックスルーツ、沖縄への差別と米軍や先の大戦による天皇批判要素もあり、めちゃめちゃ盛り込んでくるやん……と思いながら読んでいたし、最後のあの小説だからこそできる演出、自分の偏見が浮き彫りになり、食らった。本当にまだまだ自分のなかにある偏見を引き剥がすのは難しい。今回体感でもって自分のなかに内在化した偏見の存在がわかってよかったと思う。
また排外主義に陥る人間の心理、それが成立する環境がどうできあがっていくのかも緻密に書かれていて、それに伴う差別や偏見による加害もかなり含まれるので、読む人はその点に気をつけてほしい。
ホラーというジャンル柄、このへんのラインがしっかりしている作家さんは大変貴重だ。貴重というのも悲しい話ではあるけれど。
比嘉勝子さんがかっこよすぎて、私はちゃんと澤村伊智作品を誠実に映像化してほしいんですよ。誰かもっかいやってくれないか…
Posted by ブクログ
読ませてくるという表現が相応しい、映像のような読書体験でした。私自身が内包していた嫌な意識に気付かされるも、そういうのをやめようと思えた学びのある一冊でもあります。
舌を巻くという表現がパッと浮かぶほど、発売日に本屋さんへ駆け込んで良かったと思える1冊です。
Posted by ブクログ
読み終わった。途中まで、このテーマ大丈夫……?と心配しながら読んでいたけどさすがの澤村さんだった。エンタメとしての面白さと社会の歪みを描くことを両立しようとする試みに思えた。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
自分も先祖のルーツが南の方だったり、たまにハーフかどうか聞かれたりするから、最後の方は読んでてすごいドキドキした。
前作『ばくうどの悪夢』といい、すごいテーマから攻めてくるなあ…。という感想
Posted by ブクログ
面白すぎるよおおおおお!!!!!!!!!
比嘉姉妹シリーズが大好きで長年ずっと追いかけています
新作も時間をかけてゆっくり読むつもりでした
それなのにあまりにも面白すぎて読む手を止められずイッキ読みしてしまいました
もっとじっくり楽しみたかったのに!!!!
電子書籍版で購入したのですが特典の手書きあとがきが深く胸に刺さりました
私はいわゆる「普通の日本人」です
大きな差別を受けたこともなければ人並み程度の幸せを得ることができた人間です
だからこそ本作はとても苦しかった...いろいろ考えさせられました
ただのホラー作品ではありません
人間の心の底にある仄暗い欲望を、これでもかと言うくらいにリアルに書きあげられています
間違いなく名作です
本当に素晴らしかった...!
さすが澤村伊智先生です!!
Posted by ブクログ
ユタの霊媒師は、なんと比嘉琴子と真琴のおばあちゃんだった。
ざんどぅまの話がクトゥルフのインスマスの話に出てくる怪異に造詣が近く、ラヴクラフトの嫌な感じを彷彿とさせました。
しかし、そこはちゃんと澤村伊智さんの舞台です。いったん現実のターンになった途端にガラッと世界の向きが変わります。
澤村伊智さんの最新刊でしたが、不気味で最高でした。
Posted by ブクログ
大好きな比嘉姉妹シリーズの続編で、購入したその日に一気読み。琴子の家系でこんなことがあったのかと、過去の断片を知れたという充実感がありました。あとは「やっぱり人間は怖い一面を持っている」というのが自警団の歪んでいく流れでヒシヒシと感じました。最後の展開には「予言島」の時のような「えっ!そういうことか!」と、良い意味で驚かされたのも楽しかったです。来週発売の短編集も早く読みたいという気持ちが更に増しました!
Posted by ブクログ
新刊を楽しみにして購入。
ぼぎわんで大ファンになり、
比嘉姉妹の登場を楽しみにしておりますが、
今回は、おばぁとお母さんの登場。
主人公のナレーションで話しは進んでいく、
ここに仕掛けがあるのだろうと思いつつ、
これはどんな仕掛けが仕込まれているのだろう?
海から来るびしゃびしゃのおばけ。
他の地からの移住者を差別する先住者たち。
化け物以上にヒトコワですが、
恐怖に駆られた人間たちは冷静さを失い、
強いものに言われるがまま動いてしまうのだ。
胸が締め付けられる残酷なヒトコワ。
神奈川に沖縄の人が多く移住した場所といえば、
鶴見区ですが、よくは知らない町ですが、
リアルに町が浮かんできて、
自警団が町を練り歩く姿が恐ろしかった。
今回の恐怖仕掛けに関しては、
どちらかと言うと、
読者任せでちょいと分かりにくい。
結局どうとれば良いのだろう?
ととはり屋敷を読むと成程となる。
と、感想を書かれていた方がおりましたので、
すぐに読まねば、と思います。
Posted by ブクログ
人々の心理の変化と、変わらないものに戦慄する一冊でした。
相変わらず気持ちよくギョッとさせてくれます。
「ととはり〜」と続けて読んだので、「ははぁ〜」と思う部分もありました。
文庫化を待てずに購入しましたが、読んでよかったです。
ざんどぅまの影は何のために!?
ざんどぅまの影は、ただのびしょびしょのお化けだとしても、何か目的寄りがあったんでしょうか?。それがわかりませんが、結果として、何かできましたか?。ちょっとイヤな感じもします。沖縄と沖縄以外の日本との分断…。まさか、中国の影、じゃないでしょうね。また、沖縄に特別な負担のイメージができつつある現在、戦争がイヤになる気配です。そういう場合は、警察や公安に強くならないと。軍はイメージダウンですね。
Posted by ブクログ
比嘉姉妹シリーズの前日譚。
舞台は1981年の神奈川県P市Q区。
ある夜、全身ずぶ濡れの人影が目撃され、その日を境に、住民が陸地で海水に溺れ死ぬという異様な出来事が続く。
“びしょびしょのお化け”そのものも不気味だが、余所者を排除しようとする集団心理や差別意識の方が恐ろしい。
作中に散りばめられた「ちゃぷちゃぷ」「びしゃっ」「ごぼごぼ」といった音が強烈で、行間から湿気が立ちのぼるようだった。
比嘉勝子――“おばぁ”の圧倒的な存在感は、ここでも揺るぎない。
ホラーでありながら、人の心に巣食う悪意や偏見を照らし出す一冊。