あらすじ
シングルマザーで働き詰めの母に代わって車椅子の弟の面倒を見てきた岡崎成道は、看護師を目指して大学に進学する。40人のクラスに男子はたった5人。覚悟はしていたものの看護業界は女性中心で、講義も実習もトラブル続きだ。自分は必要とされていないのではないか。思い悩む成道は、ある患者の担当になり――。
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Posted by ブクログ
看護師を目指す男子学生のお話。
主役の岡崎成道は、母と弟と3人暮らし。
父は、交通事故で亡くなっており、同じ事故で弟の晴道も体が不自由になってしまう。
母は、働きに出るようになる。
成道は、晴道の介護をしながら学校に通い、部活などもせず、いわゆるヤングケアラーであった。高校を出て働くつもりでいたが、やはり父がそうだったように、看護師の道に憧れ、星林看護大学を目指す。ただし、経済的に母に頼れず、成績が2位以内で合格し、奨学金がもらえた場合に進学すると決意する。何とか2位で入学する。入学式では、やはり女子だらけで、同じクラスには男子5名であった。成道は、相変わらず授業が終わると、すぐに帰る生活を送っていた。弟の世話をし、家事をし、勉強も怠らず、努力の塊のようである。それでも、母には認められず、弟のわがままにも付き合う日々。
実習先でも、男に看護してほしくはないという患者さんもいれば、逆に実習を受け入れてくれる優しい患者さんも多い。
また、友人や先生にも恵まれるが、不満は言わないが、家庭に大きな問題がある。そんな折に、自立し始めた弟が、交通事故にあってしまい、大学を辞める手前までになってしまう。しかし、先生の説得により、実習を続け、何とか卒業まで漕ぎ着ける。そんな時、最初の実習で担当していた患者さんと約束した、看護師になったら青のナースシューズが贈られてくる。
とにかく、粘り強く、真面目で優しい努力家の成道に感動しました。弱い母にものすごくイライラしましたが、秀才で同級生の松原と良い仲になればよいなと応援したくなりました。
来月からまたテレビでやる同作者の作品、リラの花咲くけものみちも楽しみです。皆さんも観てください。
Posted by ブクログ
最近お気に入りの藤岡陽子さん作品。
読後、登場人物みんな頑張れ!って気持ちになった。と同時に私も力をもらえた作品だったと思う。
成道が学校と両立して、家事や晴道の世話を自分がやるべきこととして文句も言わずにこなしている姿が見ていて心が痛かった。だからこそ母親の態度は読んでいてイラついた。最後の最後に母が気付くまで。たしかに幼い子ども2人を残して夫に先立たれたら、、、と考えると想像もつかない絶望感だろうと思う。自分が味わったことのないことでこの母親を責めるのは違うかもしれないが、やっぱりもっと早く気付いてあげてほしかったと思う。そして、子どもの人生は子どものものであるということを改めて自分の中で再確認できた。
実習で関わった患者さんそれぞれのエピソードは毎回様々で、その度にグッと胸にくる場面があった。患者さんとのエピソード、同級生とのエピソード、晴道が前を向いて一歩を踏み出すまでのエピソード、全部全部良かった。まさか最終章であんなにハラハラさせられるとは思ってなくてどうなることかと思ったけど。
卒業式後の西田さんからの贈り物は涙腺崩壊。最後まで素敵なおじいちゃんだったな。
全体を通して家族、友情、人と人の繋がりを感じる話だった。
Posted by ブクログ
めーっちゃよかった。
久々に読書で泣いた。
男性看護師を目指す、青年の話。
人は大きな病気や怪我に直面したとき
人生に対する考え方や、自分の在り方、ものの見方って変わる気がする。
私も癌を経験して考え方も変わったと思うし
ものの見方や人の見方も変わったと思う。
そして、人生とはこういうもの
とか
自分はこう生きたい
とか
あれを信じたい
とか
あれは信じないし、時間をかけない
とか
自分だけの考え方が生まれる気がする。
看護師や医者って
自分自身も命に対して誠心誠意向き合っているし
命に本気で向き合う人達のそばにいる。
看護師さんなんてとくに
体のサポートだけじゃなくて、心の支えも行う。
だから、人生の学びや気付きって人より多くなる気がする。
ショックを受ける場面
立ち直れない場面も、もちろんあって
心身共にすごく大変な仕事だと思う。
だけど、頑張ったぶんだけ
人と本気で触れ合うぶんだけ
人生の学びを多く得られるかもしれない。
素敵な仕事だなーって本当に思う。
Posted by ブクログ
途切れることなく何度も何度も泣きました。 藤岡陽子さんの文章は、素直で真っ直ぐで大好きです。 読み終えたわたしも、心素直にスッキリとしていました。
心に刺さる言葉がいっぱい‼︎
『人は頑張ったぶんだけ強くなると思ってる』
『岡崎くんもフル充電せずに、八十パーセントで頑張って』
『看護師の資質として欠かせないもの。それはイマジネーション、想像力です』
『青は、空と海の色だ。自然界に最初からある、自由な色だよ』・・・題名の『青のナースシューズ』の意味と感動のラスト‼︎
生きる勇気をもらえる物語でした、ありがとうございました。
Posted by ブクログ
★★★★☆(良)とても爽やか、青春だぁ!医師が良くも悪くも活躍する小説はたくさん読んだけれど、看護師がメインのものは初めてで新鮮でした。交通事故で亡くなった父に憧れて看護大学に通う成道。病院の実習で出会い、別れ、挫折、悩み、成長。平行してずっと気がかりなのは交通事故で怪我をして車椅子を使用し介護が必要な弟のこと。引きこもっていたけれど、少しずつ前向きに歩き出す。あまりにも暖かくて、拗らせてるので、看護学校の厳しすぎる教育、意地悪な病棟ナース、カスハラ患者などの胸糞も読みたくなりました。
Posted by ブクログ
母親の意地も理解はできるし、専業主婦で今後も生きていくと思っていたのに、事故があって夫は亡くなるし、下の子には障害が残るし、健康な上の子に負担をかけさせてしまうのはわかる。生活費を稼いでくるだけで、大変なのもわかる。その意地で息子2人の可能性がどれだけ奪われてしまったのかを考えると痛い。最初から祖父母や他の人にも頼ったほうが絶対よかったじゃん。成道に「実習と春道どっちが大事なの」は絶対に言っちゃいけないと思う。成道が大人すぎる。母親の意地なんてなんだよ、と。なんでそんなに成道が負担するのに甘えているの、と。読んでいて、労ってあげたかった。成道に弟と母親以外の時間を作ってあげたいと切実に思った。
カーディーラーの西田さんとの話はよかったし、トランスジェンダーの三国さんや看護師になろうと決意する酒向くんの話等、男子学生たちの話もよかった。けど、母親へのやるせない気持ちの方が読後に残る。
Posted by ブクログ
9冊目の藤岡陽子さん。
7年前に父が交通事故で亡くなり、働き詰めとなった母に代わり、家事や車椅子の弟・晴道の世話を担う成道。
ヤングケアラーだった成道が、自分の夢である看護師になるため、やっと一歩踏み出すのですが、まだまだ女性社会の看護師業界でさまざまな問題にぶつかります。でも仲間や患者との関わりから、学び成長していく姿に、エールを贈りたくなると同時に、読んでいるこちらまで勇気づけられました。
いやぁ〜成道が本当に優しくて努力家で素晴らしかったです。きっと素敵な看護師さんになるんだろうなぁ。ぜひ成道と彼の同級生たちのその後も読んでみたいです。
ただ唯一、惜しむらくは…前作の『春の星を一緒に』もそうなんですが、タイトルで若干ネタバレしちゃってますよね…。大切なキーワードがタイトルになっているので仕方ないのかなぁとは思いますが、途中で結末が想像できてしまったのがちょっとだけ残念でした。
でももちろん、それを踏まえても素敵なお話でした。