【感想・ネタバレ】ギアをあげて、風を鳴らしてのレビュー

あらすじ

第38回小説すばる新人賞受賞作。

小学四年生の吉沢癒知は、宗教団体「荻堂創流会」の近畿支部で「降り子(=創父の生まれ変わり)」として信徒から崇拝されていた。幹部の母からは、神聖な身体を持つ者として食事や他者との触れ合いを厳しく制限されていたが、自分に寄せられる信徒の信仰心や日々の「儀式」に抵抗をおぼえはじめていた。そんな癒知の前に現れたのは、家庭の事情で何度も転校を経験している渡来クミ。引越し当初、近所を散策中に見かけた「めっちゃきれかった」癒知に興味津々。ある日、学校のトイレで遭遇したことをきっかけに、ふたりは距離を縮めていく。そして繋がりを持ったのは癒知とクミだけでなく、母親同士も親交を深めるようになり……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙を見て、女子2人の青春バディ物だろうなというのは分かったが、その先は全くの予想外。まさかの新興宗教絡み、宗教二世問題と家族離反の重いテーマを内包している、爽やかさ以上の切なさやるせなさも描いた内容。

困っている人の弱みに付け込んで適当なことを教えたり、ウソクソの品物を売りつけたり、拉致して財産むしり取ったり…この小説でもやりたい放題の連中。

信仰の自由は認められるべきだと思うが、それを掲げてやりたい放題やってるカルトの連中には虫唾が走る。例え洗脳されて「良かれ」と思ってそういうことをしている信徒であっても、やってることは他人に迷惑をかけているわけだ。

その狭間で、生きづらさにめげず友情と自分の欲求を信じてあがく2人の主人公に、おじさんは大いなるエールを捧げたい。

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2026年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

親の不仲に悩むクミと生まれながらに宗教の中心に置かれた癒知はともに10歳。特殊な環境で育ったため友達もいなかった癒知は転校してきたクミと最初こそぶつかるが、家庭が楽しくないクミと秘密を共有し、親友となっていく。
癒知の悩みは神の降り子としての役割と降り子であるがため、母にすら触れてもらえない事。食べるものも制限されていて、ガードをしながらも愛情に飢えている。クミにすら全てを打ち明けることはできない。クミもそれを察知して踏み込まない。母同士も交流し、健康を取り戻し、明るくなってきた事を喜んでいたクミは、自分の家に起きる事を予測できず、衝撃を受け、癒知に当たってしまう。
小説とはいえ、児童虐待とも思える内容に衝撃を受けた。洗脳の恐ろしさ、というか。
ラストははっきりさせていないが、児童相談所を頼ってほしいなと思った。

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2026年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全てを失ったとしても、手にしたいもの。
それは一体なんだろうか。
そもそも全てを失うという選択肢を選べるだろうか、そう考えてしまった。
クミが引っ越してこなければ癒知と出会うことはなかった。クミの母が宗教団体に入ろうとも思わなかった。けれど、クミが引っ越してきたから癒知は救われた。希望を得た。
クミは一歩踏み出す勇気を得た。
人生に正解なんて無い。一つの決断は、誰かから見たら間違ってるかもしれないけど、
当人たちからしたら最善の選択肢。
すごく大事な決断を幼くして選んだ彼女たちは強い。
個人的には森田の存在が気になる。
癒知の味方に見えるが…
なぜ彼は宗教団体に入ろうと思ったのか、
なぜ宗教に関する論文を書いたのか。
バックグラウンドが気になった。

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2026年04月06日

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