あらすじ
明治新政府軍の来襲で家族や友人を失った二本松藩の少年タキは、人並外れた強さをもつ怪しげな「キ」と名乗る一団に窮地を救われ、秋姫という目の見えない老女の家に匿われることになる。理不尽な命令ばかりする秋姫と衝突してばかりのタキだったが、やがて奇妙な絆が生まれ始める。だが、政府軍の魔の手が再び迫り……(「鬼婆図探訪」)。その他、人語を話す大猿が書いた幻の書「狒々日記」をめぐる回想と証言を描く「夢狒々考」、争乱と復讐に満ちたとあるキの激動の半生「最後のキ」など全四編を収録。若き民俗学者・鶯谷玄也が、文明開化と共に姿を消した歴史の闇に生きる集団「キ」の痕跡を追う連作集。
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Posted by ブクログ
最近スタープレイヤーとか読んで、それはそれでよかったんだけど、やっぱこれだよな〜
不思議で、どこか郷愁にかられるような。
キという忍者みたいな謎の存在についてさまざまな角度から語られていく。
人物が少しずつリンクしているのもよい
はじまりから巡り巡って最後にまた鶯谷にかえっていく。奇縁だね
しかしまさか、キの1人、カヨの子が鶯谷だったとはねえ。自分のルーツを探す旅だったのかな
結局御屋形様とはなんだったのか?
Posted by ブクログ
幽民。狒狒。キ。
鶯谷玄也。鬼婆。伊豆。松吉。カシワ。矢銀。お館様。敵討。オオフネ学校。
民俗学。山の民。キの館。明治になって消えゆく文化、民。カヨ。母。
男を殺してるときと、伊豆学校にいたときはいくらかましだったよ
Posted by ブクログ
その悲しみは語られることでむしろ濃くなっていく
「キ」の在り方は、とても象徴的だ
御屋形様は役目を終えたのか、それとも取り残されたのか
その曖昧さは言いようのないさみしさとして纏わりつく
Posted by ブクログ
移り変わっていく時代を後世から探しに行くような物語。人ではないものも人であるものも存在したけれど、未来からそれを見た時に「本当にそれは実在したんだろうか?」と疑問の余地が残って、残りながらも「実在してくれていたらいいな」と願ってしまうような郷愁の気持ちを感じさせるのがうまい。きっとこれからの時代でますます彼らの空気は薄くなっていくんだろうけど、それでもどこかに薄らと彼らがいることを信じたくなる。