あらすじ
「だんまり堂」に依頼すれば、願いが叶う?
文や遺言書、迷子の掛札、料理帖。
字を書くことなら何でも承ります!
口の利けぬ筆耕師が、筆に祈りをのせて代書する――
「日本歴史時代作家協会賞」受賞作家による、人情時代シリーズ!
水沢数馬は深川の蜜柑長屋で、姪の春佳と筆耕屋を営んでいる。数馬は訳あって口が利けぬが、文字に触れると書き手の想いや過去が心に浮かぶ――そんな才を持つがゆえ、依頼人に寄り添った仕事をすると評判だ。
今日も“だんまり堂”には、迷子の娘を捜し続ける夫婦、冥土からの文を求める飛脚、大店の娘に料理帖を託したい女中が訪れ……。
温かな人情時代シリーズ開幕!
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Posted by ブクログ
内容(ブックデータベースより)
「だんまり堂」に依頼すれば、願いが叶う?
文や遺言書、迷子の掛札、料理帖。
字を書くことなら何でも承ります!
口の利けぬ筆耕師が、筆に祈りをのせて代書する――
「日本歴史時代作家協会賞」受賞作家による、人情時代シリーズ!
水沢数馬は深川の蜜柑長屋で、姪の春佳と筆耕屋を営んでいる。数馬は訳あって口が利けぬが、文字に触れると書き手の想いや過去が心に浮かぶ――そんな才を持つがゆえ、依頼人に寄り添った仕事をすると評判だ。今日も〝だんまり堂〟には、迷子の娘を捜し続ける夫婦、冥土からの文を求める飛脚、大店の娘に料理帖を託したい女中が訪れ……。温かな人情時代シリーズ開幕!
令和8年5月19日~22日
Posted by ブクログ
麻宮好さんの作品は、初めて読んだ「恩送り」からファンです。人のぬくもりを感じる作品が多く、このお話もそういうものを感じます。これからシリーズとして続くのかなと期待したい作品です。
Posted by ブクログ
付喪神なのか妖に近いのかわからないけれど
硯や墨が言葉を話す。
書道を少ししていたので、硯や墨が言葉を話していたらなんて楽しいのだろうかと思いました。
そんな硯を持つ主人公の数馬と、
姪の春佳のもつ過去。
単なる火事なのか、何かが起きたのか。
物語が進むとともに、数馬の記憶が蘇っていく。火事が起きて兄たちが、ではなく何かが起きて兄がわざと…?
とても続きが気になる終わり方でした。
もちろんそれぞれの話もおもしろく、
人情あふれる物語だと思いました。
子供が関連している話が多いことには理由があるのでしょうか?
主人公と姪の関係性から?気になります。
Posted by ブクログ
書いてもらった物で願いが叶うと言われる筆耕屋のだんまり堂の数馬は、口は利けぬが文字に触れると書き手の想いや過去が心に浮かび、硯や筆や文鎮とも話せると、すてきな設定な上に面白いし時代ものでも読みやすい。江戸時代の子供が受けるひどい扱いや境遇がすごく嫌になる。依頼の裏にある悲しみや残酷さに切なくもなる気持ちを、一緒に暮らす春佳が明るく朗らかで和ませ救ってくれる気がする。いいコンビだなぁ。春佳の両親と数馬の声の謎が女の持ち込んだ筆と繋がるのか先がすごく気になる!これは嬉しいシリーズが開幕したと今後が楽しみ。
匿名
とても優しいお話。
不慮の事故で喋れなくなった主人公が新しい不思議な力で依頼者を幸せに導くお話。
読んでいて 心がぬくぬくして明るい気持ちになる。
このまま次の巻が出るといいな。
Posted by ブクログ
《慰める言葉も、文字にすれば味気ないものになる。》p.116。
《根っこは大事だ。だが、根っこにしがみついていたら、綺麗な花は咲かせられない》p.243
【第1話】行方不明になった娘を探している染物屋夫婦の掛札2枚。
【第2話】6歳の子供が死んだ母親に書いた手紙への返事を代筆してくれという依頼。
【第3話】大店の娘が嫁に行くので彼女を可愛がっていた女中が料理帖を書いてくれと依頼してきた。
【感想】代筆の話は幾つか知っています。桜川ヒロさん『四月一日さんは代筆屋』、小川糸さん『ツバキ文具店』、アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」など。やはりいずれもテイストは似てますが今回の作品はその中でも優しい。硯や墨や文鎮がしゃべるのもたのしい。
■筆耕屋についての簡単な単語集
【井上】手習い所の先生。
【お海】硯。数馬と会話できる。唐硯の中でも上質の端渓硯。紫がかった色と丸みをおびた形の美しい硯。
【数馬】水沢数馬。主人公。筆耕師。武士。記された文字に触れれば人の思いを感じ取れる能力を持つ。火事で兄夫婦を失い口がきけなくなった。
【勝】蜜柑長屋の井戸端会議の主。
【雁之助】通称ガンちゃん。春佳の手習所での友だち。ガキ大将。
【スミばあ】上物の唐墨。作られて50年は経ているがいまだ現役の古墨。
【だんまり堂】筆耕屋としての数馬の通称。春佳は嫌っている。
【呪いの筆】その筆で書かれたものを見ると、命を落とすと言われてるらしい。謎の女が持ってきてこの筆で恋文を書いてくれと依頼されたのがそれらしくお海やスミばあが拒絶反応を示した。
【春佳】姪。亡き義姉の美乃(よしの)とそっくりな美しい瞳。数馬の口の動きを読み取り会話することができる。物語開始時9歳。
【彦三郎】星野彦三郎。数馬の叔父。父の弟。上州で絹の仲買商をしておりかなり成功しているようだ。
【筆耕師のお仕事】基本は代筆。手紙。戯作草稿の清書。書本の写し。遺言書作成。看板。掛札場用の掛札。レシピの文書化。家系図作成。
【文左衛門】蜜柑長屋の差配をやってるのでいつの間にか文左衛門と呼ばれるようになった。70歳。
【平吉】早飛脚。足を痛めて今は走れない。親しい子供の亡くなった母への手紙への返事を依頼してくる。その後春佳が文字を教える。
【蜜柑長屋】数馬や春佳が暮らす長屋。
【龍翁:りゅうおう】文鎮。龍を模した青銅製の文鎮。足利時代に作られたとか?
【りん】隣の住人。仕立て屋。24歳。独身。口は悪いが気立てはいい。なぜ結婚していないのかはわからない。