【感想・ネタバレ】本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話のレビュー

あらすじ

自分とは異なる立場や考えの人と、いかに対話し、合意形成していけばよいのか分からない。それどころか、深刻な信念対立を目の当たりにし、対話への希望を失ってしまう。そんな人は多いのではないだろうか。本書は、「本質観取」と呼ばれる哲学の思考法・対話法を、誰もが実践できるようになるための入門書である。「言いっぱなし」でも「論破!」でもない。分断をのりこえ、真に生産的な対話をもたらし、民主主義を成熟させるための対話の極意、奥義とは? 実践で活用できるワークシートや、ファシリテーションのコツなども収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本質観取は、「○○とは何か」を問うような、そもそもを考える営み。
あらゆることに関して、「人それぞれでは?」のような考えもあるが、それで済ませるのではなく、きちんと辞書的な意味ではなく「本質」を問い、「共通了解」を得ることがユニークネス。
哲学の歴史的には、「人それぞれ」的な考え方をするソフィスト連中に対し、プラトンが物事の本質を追求したのに端を発する。但し、プラトンは彼岸にイデアを置いてしまった(本質を、現実世界とは離れたところに位置づけてしまった)。それに対して、デカルトが、「我思う、ゆえに我あり」で示されるように、疑いようのない〈私〉から出発したことで前進し、そこからフッサールによって確立。具体的には、まず客観的な正解があることを疑い、〈私〉が物事をどう「確信」しているかを問う、というところから、それを積み重ね、〈私たち〉の間に普遍的な確信を見出すアプローチとして成立した。
以下は、具体的な手法となる。
0.テーマ決め。ポイントは、「答えを得られる問い」として設定すること。(→論点設定!!)形而上学的な問いは不適。
1.問題意識の確認と目線合わせ
2.体験例や具体例の出し合い
3.キーワードを見つける
4.本質を言葉にする
5.見つけた本質と、問いなどとの整合性のチェック

何もかもビジネス文脈に結びつけるのは好きではないが、とはいえ本書の発想は、ビジネスと哲学の交差点として、山口周などが訴える領域としてエントリーになりうるのでは、と思った。ハウツー的に映るが、哲学的に物事を考えるきっかけにはなるのではなかろうか。

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2026年03月26日

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