あらすじ
機械が人々の生活を支える街ノーサンギア。
機械工のハリエットを謎めいた美青年・セブンスが訪ねてくる。
自らを暴走状態だと言い解体を希望する彼は、人間と見紛うほど精巧な機械人形だった。
折しも巷では原因不明の機械の暴走が多発していた。
ハリエットはセブンスの問題を解明するためにも事件を調べることに。
一時的な同居生活で、人間に仕える機能をもつセブンスは完璧に家事をこなし慈しむように世話を焼いてくる。
孤独なハリエットが初めての感情に揺れる中、心をもたないはずのセブンスにも変化が生じ――。
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Posted by ブクログ
最初はルビだらけの用語に戸惑ったが、一旦慣れるとぐいぐい読めた。
機械が心を持ったらどうなるのか。
見かけるテーマながら、この世界における機械の設定、心を持つまでに至る過程、心を持った際の行動原理、暴走のトリガーなどなど、とても細やかに練り込まれていて、その世界観に一気に引き込まれた。
主人公の惚れ惚れする特技、今回の件の前から機械と「そう」接していたところ、無自覚の洞察力も素晴らしかった。
前半、割と「彼」を受け入れる人が多くて簡単な世界と思わせておいてからの後半の怒涛の展開。
つくづく作者様の手のひらで踊らせれている感じがあった。
それだけ精巧に作られた作品だと感じた。