【感想・ネタバレ】刑事の父2のレビュー

あらすじ

女性を殺害したと自首してきた大物議員秘書の藤森が、不起訴で釈放後、都内のホテルで刺殺された。警視庁の西警部補は、藤森殺害事件を捜査する一方で、息子の逮捕は警察内部からの圧力だと考える。藤森と警視庁幹部の人間との接点が見え隠れする中、さらに、政界と癒着している詐欺グループの存在が浮かび上がって来て……。西は真犯人を突き止め、警察と息子を救うことが出来るのか――書き下ろし長編警察サスペンス!

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Posted by ブクログ

小杉健治『刑事の父 2』角川文庫。

2ヶ月連続刊行のシリーズ第2弾。

今の世の中を見ても、警察と政財界との癒着は明らかだろう。癒着までいかずとも忖度などは当たり前のことだ。

本作は、家族思いの実直でひたすら正義を貫く刑事が、政治家の圧力により真犯人を隠蔽しようとする警察組織の上層部に歯向かったことから窮地に陥るというストーリーである。正義の拠り所である警察組織が腐敗してしまっては何を信じれば良いのだろうか。

読み終えてみれば意外にあっさりと事件が解決、全てが丸く納まるのだが、突っ込み所が多々ある。

西警部補とコンビを組んだ椎名ひと子が警視庁幹部に取り込まれ、西を誘惑しようとした疑いから何時の間にか表舞台から姿を消したり、終盤の端折り気味の怒涛の展開で、あれよという間に真犯人が逮捕されたりと、この第2弾で決着を着けてしまおうとする作家の焦りが窺える。

これでは脚本のマズいテレビの2時間サスペンスドラマと何ら変わらないではないか。

腕のあるベテラン作家なのだから、場合によってはもう1冊を使ってでも、どっしりした納得のいく作品に仕上げるべきではないだろうか。シリーズ第1弾との余りの落差に驚いた。


OLの三上舞衣をSMプレイの果てに殺害したと自首してきた大物議員である沢田一郎の秘書の藤森駿が不起訴で釈放後、都内のホテルで刺殺された。

警視庁の西弘樹警部補は椎名ひと子と共に藤森殺害事件を捜査する一方で、息子の修弥が特定商取引法違反で逮捕されたのは、藤森駿の逮捕に積極的に動いたことを善しとしない警察内部からの圧力と考える。

藤森と警視庁幹部の人間との接点が見え隠れする中、さらに、政界と癒着している詐欺グループの存在が浮かび上がって来る。

本体価格880円
★★★

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2025年11月26日

シリーズ作品レビュー

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