あらすじ
中央区日本橋に住むOL、三上舞衣が行方不明になった。警視庁刑事部捜査一課の西弘毅警部補は、所轄の和田ともに彼女の行方を追っていた。彼女の足取りは、六本木のホテル以降消えていた。そこで、ホテルから出てきた車に目を付け、車の持ち主・山川に事情を聞くことにする。すると、ホテルから出た後、友人と川に行ったというのだ。西は、山川たちの行った川を捜索し、三上舞衣の遺体を発見する。殺した犯人は誰なのか……。調べていく内に、「藤森駿」という大物議員の秘書の名前が挙がってくる。藤森を調べようとするも、捜査本部から西は外されてしまう。一方、御茶ノ水警察署からの電話に出た西は、「息子さんを逮捕しました」と言われる。捜査と家庭の間で揺れ動く西はどう動くのか――。
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Posted by ブクログ
小杉健治『刑事の父』角川文庫。
2ヶ月連続刊行のシリーズ第1弾。
世の中には政治家絡みの隠蔽や陰謀めいた事件が多々ありそうだ。安倍晋三の暗殺事件で逮捕された山上被告の初公判開始が何故、ここまで遅れたのか。山上被告は捨て駒にされ、真犯人は別に居たのだという説もある。死刑囚にしても、実際に刑が執行の判断は法務大臣の胸算用であり、刑が確定していても冤罪の可能性があれば、なかなか刑は執行されない。一方で死刑が確定して、直ぐに刑が執行される場合もあるのだ。
一般企業でも不良問題や不祥事を隠蔽したり、上層部の意向に逆らえば左遷させられたり、馘首されたりする場合もある。
本作は、家族思いの実直でひたすら正義を貫く刑事が、政治家の圧力により真犯人を隠蔽しようとする警察組織の上層部に歯向かったことから窮地に陥るというストーリーである。正義の拠り所である警察組織が腐敗してしまっては何を信じれば良いのだろうか。
中央区日本橋蛎殻町に住むOLの三上舞衣が行方不明になる。行方不明となった状況から殺人事件に巻き込まれた可能性もあり、警視庁刑事部捜査一課殺人犯十二係主任の西弘毅警部補は、所轄の和田大地巡査ともに彼女の行方を追っていた。
三上舞衣の足取りは自宅から向かった六本木のホテル付近で消えており、ホテルから出て来た車に目を付け、その車の持ち主である山川に事情を尋ねる。山川は友人に呼び出され、六本木のホテルに向かい、友人とスーツケースを乗せて川に向かったと話す。その話を聞いた西は川を捜索し、三上舞衣の遺体を発見する。
さらに捜査を続けていくと、山川の友人が藤森駿という大物議員、沢田一郎の秘書である可能性が出てきた。西は藤森を調べようとするが、 突然、上層部からの命令で捜査本部から外され、特命捜査対策室再発防止係という閑職に左遷される。それでも西は密かに藤森の調査を続ける。
一方で西の家庭では妻からの相談で、大学生の息子の修弥が勝手に休学し、友人の曽田優斗と詐欺まがいのビジネスに手を出していた可能性が出て来た。西は修弥を問い詰めるが、何も言わぬままに姿を消した。すると、御茶ノ水警察署から修弥を特定商取引法違反で逮捕したという連絡が入る。
本体価格900円
★★★★★