【感想・ネタバレ】今を春べとのレビュー

あらすじ

子どもと一緒に参加したかるた教室で、希海は初めてかるたの札を払う。空を切り裂くように飛んだ札。指先に満ちた新鮮なエネルギー……。その記憶が強く刻まれた希海だが、「もうすぐ40歳になる」「暗記力に自信がない」「子どもがいるから」など、気づけば自分に言い訳ばかりして、競技かるたを始めることにためらっていた。かたや夫は、仕事と趣味の優先順位をつけようとするのだった。果たして希海が選びとった道とは? 今、自分の〈好き〉を手放そうとしている人すべてに捧げる物語。『ちはやふる』漫画家、末次由紀さん推薦!

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Posted by ブクログ

難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今を春べと 咲くやこの花

もう何年も前に成海璃子主演のNHKドラマで覚えた百人一首のうちのひとつ。

うちの子どもが中学生の時少しだけ歌留多部に入っていたので決まり字についてはうっすらとは知っていたけれども、本作はドラマとかでは知ることのできない百人一首の内側や知りたくないような駆け引きなども丁寧に描かれていて結構夢中になって読みました。

最後の読後感の良さに救われるけれども希海の夫婦間や母子間のやりとり、義妹とのやりとりは心をえぐられながら読んでいました。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

子供が競技かるたに興味を持ったので、かるた教室に通い始めたものの、小学生の息子はすぐにサッカーにのりかえてしまう。しばらく思い悩んだものの、希海は新たにかるた会に通うことにした。
母親が趣味に生きていいのかどうか、あまり協力的ではない家族と折り合いながら、ときには揉めながら、長くかるたを続けていくことを目指す家族の再生の物語。私もかるたは好きで、決まり字とかを見ながら下の句を考えたりして、かなり頭の体操になりました。

私も子供が早く帰ってくる日には趣味で時間を使っていると罪悪感が今でもあり(仕事の時には感じません)これは母親業をやるうえでは永遠のテーマなのかなぁと思ったりもします。

帯の「妻だから、母親だから。自分の〈好き〉を手放しますか?」が刺さります。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

子供のために参加したかるた教室。夢中になってしまったのは母親だった。家事との両立など葛藤がありつつ。

非常に面白かった。百人一首はほとんど知らない世界。映画やドラマの「ちはやふる」では説明されなかった技術的なことが分かったのも良かった。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

皆川希海(みながわ のぞみ)は幼稚園の息子・郁登(いくと)と一緒に子ども向けのかるた教室に通っていたが、郁登は小学校に上るとかるたへの情熱を急速に失った。年下に負けて大暴れしたのをきっかけにかるた会をやめ、少年サッカーチームに入ってしまう。取り残された気分の希海は、自分の中でかるたへの未練があることに気づく。
勧められて一般向けのかるたの会「光のどけき会」に入るが、練習日の土曜日は、夫の勇助がコーチを務めるようになった、郁登のサッカーチームの練習日でもある。月に2回だけ、サッカーに同行せずかるたの練習に行くことを夫と息子は許してくれたが、後ろめたい気持ちとかるたを続けたい気持ちのせめぎ合いに悩むことになる。
今までは自分と息子が同じかるたという楽しみでつながっていたが、今では夫と息子がサッカーという絆で強く結ばれ、もう息子と同じ楽しみを分かち合うことは一生無いのだろうかと思うと、それも寂しかった。

夫・勇助の描写が秀逸すぎてあるあるある。客観的に見ればとても育児に協力的なパパだが、希海が大会に出たいと言うと物分かりよくOKするも、すかさず、自分もサッカーチームの監督とコーチの飲み会に参加したいと交換条件を出す。件の大会の朝、勇助に急な仕事が入って、希海は大会に行けなくなって大喧嘩。どっちが優先かわかるよね、ママってそんなに物わかりが悪かったっけ?
子どもがいるのに自分の趣味に時間を割くのは間違っていると非難する、勇助の妹にも苛立つ。
趣味は子どもが手を離れてからでも遅くないんじゃない?と夫も言う。
かるたの練習に行く日は朝のうちに家事を全部片付けて、夫と息子がサッカーに持って行くものを全て準備してから、彼らより30分早く家を出る。自分のことなのだから準備くらい夫がすればいいのに、必ず忘れ物をして「やっぱりママがやって」ということになった。
それだけやっても、
子どもがいる女性は趣味を持っては行けないのか。
いちいち夫に許可をもらわなくてはいけないのか。

葛藤の末、勇助と自分は対等な家族で、かるたは大事な趣味、という境地にたどり着いた希海は、とても清々しく見えた。
最後の章は桜の舞う中、春の日差しが暖かく、ちょっとくすぐったくなる思い。
「彼」の「隠し通そう」という決心には、いやーそれは結局は「しのぶれど」ってことになるよね?と突っ込んでおこう。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

何冊か読んだような気がしたが記録には残っておらず、著作一覧を見ても記憶にない。ということは初読みの作家さんだ。
本作はタイトルを見ればわかるとおり、競技かるたをテーマにした小説だ。幼稚園でかるたに目覚めた息子に付き添ってかるた教室に通ううちに、自分がはまってしまったアラフォーの女性の姿を描く。
育児や家庭のために様々なことをあきらめてきた彼女が、続けたいと強く望んだかるたの世界がとても魅力的に描写されていた。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

あらすじなど知らずに読み始めたからてっきり育児に悩む母の話かと思いきや、めっちゃカルタの話だった。タイトルで気づくべきだったな、ちはやふる観たばかりだったし。エピローグが良かった!

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2025年11月22日

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