【感想・ネタバレ】敗戦日記のレビュー

あらすじ

「この小さなノートを残さねばならない。あらゆる日本人に読んでもらわねばならない」。敗戦へと向かうなかで綴られた日記。分量は45頁ほど。1945年3月11日から始まり、大部分はフランス語で書かれている。そこには、国家への絶望と希望のはざまにあって、一人の文学者がいかに苦悩し、いかに正確な判断を下そうとしていたか、生々しい声が記されていた――。本書は、日記全文の翻訳に、串田孫一宛書簡と関連の文章15篇を加えたほか、戦後数カ月分の日記も収録。日記の原文は口絵に収めた。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 本編の『敗戦日記』は一九四五年三月十一日から八月十八日まで。『続敗戦日記』は同年八月十八日から十一月二十二日まで。どちらも、公刊を想定して書かれたものではない。合わせて収録されているのは戦中および戦後すぐに書かれた文章と書簡。作家の日記のような情景描写や街の人々の様子はこの日記からは窺われないが、渡辺自身が、敗戦へと国全体が向かうなか学者としていかに煩悶し時に自死をまで考えていたか、また八月十五日以降の時流に憂いを感じていたかが、赤裸々に記されている。

0
2025年08月09日

「小説」ランキング