あらすじ
時は1974年。
雑誌記者の丈治は、ブームに乗って新設されたオカルトコーナーの記事を任される。
命じられてツチノコ探しに出かけた帰り、丈治はマンホールに落ちていた子供、明を助ける。
彼と食事する店を探す中で、ツチノコを振る舞うというレストランを見つけ……。
マンモス団地に現れる少年の霊、飼い犬の心霊写真、そして都市伝説「カシマレイコ」。
オカルトに詳しい明とそれらを調査するうち、丈治は驚くべき秘密を知り……。
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Posted by ブクログ
昭和40年、50年代の雰囲気(オカルトブーム、ツチノコブーム、団地での怪談話など)の描写の妙もさることながら、話の構造も巧みだったと思う。
各話のミスリードを誘う二段構えの構造。
オカルトの世界に引き込むのも、初手のツチノコは「言うてもまだオカルトと決めつけるのは早い」と思わせてからの、次の団地の幽霊で「あ、この話の世界観では幽霊は実在するのね」と見せつけて、次の話ではもうオカルトが実在する世界観を受け入れているので、そこからどんなとんでも展開が来ても受け入れやすいという、とても丁寧な段階を踏んでいたことに後から気がついた。
本当に巧妙である。
その巧妙さから最後に明かされるのは、神出鬼没な明とオカルトコーナーの記者、丈治の謎と関係性。
アメリカ人と日本人のハーフとして、昭和時代だからこそ風当たりの強かった彼に隠された本人も預かり知らなかった謎とは。
明の正体は。
それは是非是非本編にてご確認を!