あらすじ
『氷の国』に侵略され冬に覆われた『森の国』で戦士に憧れる炊事番の心優しき少年オテル。砦を急襲され絶体絶命の窮地に立たされたオテルは、火の精霊を呼び起こして!? 炎と氷の英雄譚開幕!!
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作画も北欧な雰囲気も良い
川口先生の過去作でのテンポの悪さを払拭するかのようにかなりテンポよく物語が展開していくので、あっという間に1巻を読み終えてしまいました。
強敵との戦闘においても苦戦してダラダラと間延びするのではなく、程よく危機感を匂わせてからバッサリと倒し切ってくれる点も好きです。
レッドフードに引き続きキャラデザも個人的にかなり好みで絵を見てるだけでも楽しめましたが、川口作品特有のムキムキ巨美女の出番が少なかったので、2巻以降に期待したい。
Posted by ブクログ
『レッドフード』の川口勇貴の新作「灯火のオテル」。
北欧をモデルにした世界で、剣と精霊で戦争をする勇者たちの漫画です。
冬が延々と続く極寒の世界。森の国の少年オテルが、戦場で火の精霊と出会ったところが物語の始まり。北欧やケルト神話がアイデアのきっかけであると思うので、物語はサーガという意味合いになりますね。
主人公のオテルは物語の英雄に憧れてはいるものの、命よりも名誉を重んじて死に急ぐタイプの勇者ではなく、生き抜くことの大切さと、その覚悟の上で戦いに挑む勇敢さを持ち合わせているような印象。
ただ、生き抜くことの対象が自分を含む味方や親しいもの全体に波及していて、優先順位で言うと、自分が最も低いところにいるような気がするなぁ。自己犠牲であれば、簡単に命を擲ってしまいそうな危うさは感じます。
勇気と自棄が紙一重のところにあるのはよくない。
精神の強さは別として、持たざる者だったオテルが火の精霊の力を得て、どんな戦士になってゆくのか。的である氷の国の戦士が、今のところことごとく残虐非道なクソ野郎なので、あちら側に心を寄せてしまい苦悩する、ということにはならなそうです。自己の安全を考えない、と言う危険は常にありそう。1巻途中で始まった修行編で、改善されれば良いのですが。
裏表紙に採用されている1コマ。
焚き火に斧をかざして鉄板がわりに焼き魚を料理している場面です。こういう戦場での、その場の工夫が見られるシーンは好きです。
なんというか、ディテールアップパーツだと思います。