あらすじ
私、小澤雄也は本書の編集を手掛けた人間だ。
収録されているテキストは、様々な媒体から抜粋したものであり、
その全てが「近畿地方のある場所」に関連している。
なぜこのようなものを発表するに至ったのか。
その背景には、私の極私的な事情が絡んでいる。
それをどうかあなたに語らせてほしい。
私はある人物を探している。
その人物についての情報をお持ちの方はご連絡をいただけないだろうか。
※単行本とは内容が異なります。ご了承ください。
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Posted by ブクログ
途中まで読者も呪われたとか言うんじゃないだろうな? とビクビクしながら読んでたら。逆手に取られた気分。
二つの事件が交差して、悲劇を生む。
怪談の資料から徐々に怪異に迫り、真相が明らかになる......が瀬野と小澤の話からして、怪異が本当なのか怪しくなり、これは単なるホラーミステリなんかじゃなくて読者からそう遠くない身近な話なんだよっていうのを突きつけられた。
ホラーを通して哲学を語った。
背筋さんへのインタビューでホラーを通して生を考える的な話を聞いた。この作品もそういう解釈でいいのかな。
Posted by ブクログ
書籍版を読んだのが妊娠前で、この文庫版を読み終えたのが出産後。書籍版と文庫版で多少の内容の違いはあるものの、やはり妊娠前と出産後に読むのでは話の捉え方が大きく変わってくる作品だ。
怪異に関するアーカイブはほぼ変わっていないが、「近畿地方のある場所について」のパートは全く別の世界線として見た方が混乱はないかも。
子供を亡くした経験がないとは言え、私も母となった今、作中に登場する赤い女の執念が分からなくもない。たぶん私も同じことするかもとか考えた。
特にこの文庫版で印象に残っているのは、一番最後のアーカイブ。幽霊屋敷となったお札屋敷で、赤い女と了君(の姿をした化け物)が共に手を繋いで空を見上げているシーン。赤い女は、亡くなった夫とは死後も再会することは出来ず、本当の息子とも再会できなかったが、息子に良く似た化け物を生み出した。彼女はそれでも幸せだったのではないだろうか。命を喰らう息子の姿をした化け物を育てるために、怪異を拡散させ続ける赤い女は生者からしたら厄介極まりない怪異だが、赤い女が生前出来なかった育児の続きを自らも怪異となりながらも続けている状況を考えると同情も共感もしたくなる。
登場人物の瀬野も最終的に行方不明となったが、怪異となった母や弟の姿をした化け物と再会できたのか、そして家族としてやり直すことができたのだろうか。
そんな風に読後にしんみりと考えさせられた作品だった。
Posted by ブクログ
モキュメンタリー構成で様々な視点からストーリーを回収していく面白い構成だった。後半は恐怖より悲しみと切なさの方が勝った
『幽霊を見てしまうのは、死んだ人がいるからだいうことをどうか忘れないでほしい。』
Posted by ブクログ
インタビューやネット掲示板、雑誌記事などがメインストーリーの合間に入るが、一見関係性のない話が結末向けてに収束していくホラーでした。
個人的にはカルト宗教が好きなので(私自身は無宗教だが笑)、話に途中から絡んできた時はアツかったです!笑
最終的に胸糞展開で終わるわけではなくて、伏線を回収して感動エンドで終わるので読後はスッキリ感があります。
Posted by ブクログ
とても読みやすく、普通の小説とは違って色々な体裁が施されていてホラーの世界に没入できた。ホラーと宗教の組み合わせは相性が良く、納得感もあったものの、どこか既視感を感じてしまう部分も否めなかったです。とはいえホラー小説として完成されているので読んで損はないと思う。