【感想・ネタバレ】食べすぎる世界――なぜ私たちは不健康と環境破壊のサイクルから抜け出せないのかのレビュー

あらすじ

あなたが“選んだ”その一口が、
私たちの未来を喰い尽くす

食品ロス、超加工食品、肉食、農業と気候変動、格差……
食をめぐる意外な事実の数々と、私たちが今できること。

・食料安全保障=食料自給率ではない
・甘いお菓子と母乳は、脂質:糖質比率が同じだから、やめられない
・所得水準が低いほど、健康的な食事を「選択」するのは困難
・肉を食べたいから、動物の痛みを控えめに考える
・地球に良いものが、体に良いとは限らない
・農作物を栽培しない農家を助成する効果

イギリスで話題になった「国家食料戦略」の立役者が、
複雑で巨大な食の舞台裏に切り込む!

「あなたが選んで買って食べるものはどれも、この巨大な機構にそれとなく促された結果であり、私たち一人ひとりもまた、知らないうちにその歯車の1つとなっているのだ」
(「はじめに」より)

「この本を読むと、小さな行動の積み重ねが社会を変える力になることにも、気づかされる」
―井出留美『食料危機』『私たちは何を捨てているのか』

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Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトル:選択させられている私たち――『食べすぎる世界』を読んで気づいた食と健康の罠
**なぜこの本を読むに至ったのか**
令和8年も日々夜勤や遅番のリーダー業務をこなしながら、合間を縫ってブログ執筆や動画作成に追われる日々を過ごしている。疲労困憊で帰宅する道中、ふとスーパーやコンビニに寄り、ゼロコーラやファミチキ、あるいは甘いお菓子をつい買ってしまう自分がいる。
**核心的テーマと著者の主張**
本書の核心は、現代人がジャンクフードをつい食べすぎてしまうのは「個人の意志の弱さ」の問題ではなく、現代の巨大な「食料システム」に僕たちの体が完全にハックされているからだ、という強烈な事実の指摘である。砂糖、精製炭水化物、脂肪といった、人類が進化の過程で本能的に渇望するようにプログラムされた成分を、極めて安価に大量供給する仕組みが完成しており、それが人々の健康だけでなく、気候変動や食品ロスといった環境破壊までも引き起こしていると著者は警鐘を鳴らす。
**「超加工食品」という現代のバグ**
特に印象に残ったのは、食卓を席巻している「超加工食品」の恐ろしさだ。これは単なる加工食品ではなく、着色料や乳化剤、香料などを駆使し、味や食感を人工的に作り上げることで、人間の食欲を過剰に刺激し「食べれば食べるほどさらに欲しくなる」ように設計された食品群を指す。驚くべきことに、イギリス人は1日の摂取カロリーの55%をこの超加工食品から得ているというデータがあるそうだ。

**地球も「食べすぎ」ている**
さらに理解を深める背景知識として、地球自体も「食べすぎ」による限界を迎えているという視点が面白い。世界中の人が米国と同じ暮らしをしたら、地球が5個も必要になるという試算がある。余った食品は燃やされるか埋め立てられ、農業からの肥料流出が環境を汚染している。私たちが「安いから」「手軽だから」と無自覚に超加工食品を消費する裏で、地球規模の環境破壊という途方もないツケが回ってきているのだ。
**日常の幸せと未来への選択**
これまで、おちえと夜中にアイスを食べたり、休日に思い切り外食を楽しんだりすることは、僕たちの人生に欠かせない最高のスパイスだと思っていた。もちろん、その楽しさを完全に捨てるつもりはない。しかし、この巨大な食のシステム構造を知った今、自分たちの口に入るものへの「解像度」が劇的に上がったのを感じる。
**総括**
『食べすぎる世界』は、食卓という最も身近な場所から、社会の不平等と地球環境の危機を鮮やかに描き出し、僕たちの当たり前を揺さぶる傑作だった。システムから完全に抜け出すことは難しくても、「その構造を知っている」というだけで、僕たちの明日の選択は確実に変わっていく。そう確信させてくれる、人生の視座を高める最高の一冊である。

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2026年05月14日

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