【感想・ネタバレ】クジラの骨と僕らの未来のレビュー

あらすじ

小さな頃から生き物が大好きで、様々な動物を飼っていた著者は、中学2年生の時、骨格見本に興味を持ち、死んでしまったペットのハムスターの墓あばきを思いつきました…。クジラ博士となった研究者の骨から始まったストーリー。

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Posted by ブクログ

鯨類学者で東京海洋大学助教の中村玄さんが、動物の骨格に興味を持ち、そしてクジラの研究に打ち込むようになるまでの半生をつづった本である。とはいうものの、難しくない。笑いあり発見ありのワクワクドキドキの内容だ。ハムスターの骨格標本を作るために墓あばきをすることから始まって、大学では魚の骨格標本作りに打ち込み、さらに南氷洋での調査捕鯨に参加してクジラの骨格標本作りに挑む。好きなことに一直線の生き方は、あきれるほどにさわやかだ。

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2025年08月21日

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東京海洋大学の中村玄先生の、クジラ博士になるまでのエッセイ。先日読んだ同じクジラ研究者の田島先生のエッセイも大変に興味深かったが、こちらも相当に興味深い内容だった。
魚やハムスターの骨に魅せられて始まり、やがて留学先の南米で見かけたクジラを数年後に研究するに至る。小林快次先生もそうだが、今専門の研究をしている方が最初からそれに根差しているのかと思うと、ほとんどがそうではないと気付かされる。数奇な運命、とも言えるエピソードばかりだ。
本書は調査捕鯨のことに多くページを割いている。かの有名なシーシェパードの妨害、母船の火災(1人が亡くなっている…)からの避難、私たち読み手にも緊張が走る。鯨調査の正当性を主張するわけではないが、この本のタイトルにもある「僕らの未来」のために、私たち人間が及ぼしている生態系への破壊行為や、長期調査によるその影響を調べることは大変重要である。
クジラは私と同じ哺乳類だ、と考えされられる一説がある(p97)。まだクジラを生で見た事がない私は、実物を見たらどんな感覚を覚えるだろうか。

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2023年11月26日

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鯨の研究者を目指したきっかけがとても面白くて、楽しく読めました。南極調査の話も読んでいくと自分も鯨の研究者になりたくなりました。

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2023年06月04日

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幼い頃より生物が好きで、自ら骨格標本も作っていたという鯨類形態学専門家によるクジラに惹かれた話。
クジラにも骨にも興味がある訳じゃないのに、何故か手に取り読みました。知らない世界を見る楽しさ、知的好奇心という刺激。知らないことは面白い。

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2023年03月29日

Posted by ブクログ

僕たちがこれからも他の生き物たちとともに地球上で生活していくために必要なこと、それは他種の生き物や生息環境に興味関心を持ち、正しい情報をもとに考えながら行動することだと思う

言葉として、概念として頭ではわかっているけどなかなかできない
でもこの本を読んで少しだけこの考えに近づけた気がする

また、自分にはできない、想像もつかない世界があるんだなと思った。またこの本のように、専門家の考え、歴史を分かりやすく説明してくれる本を読んでみたい

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2022年09月08日

Posted by ブクログ

生きものが好きで一緒に暮らしたいと思い、様々な生きものと触れあってきた作者が骨格標本を作ることに熱中し、クジラの学者になった。好きなものを突き詰めていくと自然と道が拓けることもある。今からでも何か探したいと思ってきた。

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2022年08月31日

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本当に面白かった!読みやすい!

中村さんの別のクジラの本を読んだので
こちらも読んでみようと思った。

最近クジラのことが知りたくなって色々と読んでいるけれど、この本はクジラの生態や特徴だけではなくて、クジラそのものを取り巻く世界のことが書かれている。一歩引いた目で現在の地球におけるクジラという存在を知ることができる。
ますますクジラが好きになった、もっと知りたい。

クジラもそれを研究する人たちも海のことも、普段の生活とはかけ離れていてすこし遠い世界のこと、憧れの存在みたいになってしまいがちだけれど、海にはクジラひとつひとつの個体がたしかに生きていて、それらを地道に知ろうとする人たちがいるおかげで、情報が得られる。
物事を多面的に、より深く知ろうとすることでこんなにも世界って開ける、広げていけることができるんだなあ。

文体もユーモアに溢れていて、たまにクスッとしてしまった。とっても良い本でした。

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2021年09月17日

Posted by ブクログ

 クジラの研究者である著者が、どのように興味を持ってその道を進んだのか、研究者としてどのようなことをしてきたのかが紹介されている。
シーシェパード遭遇の話もある。海に落ちたメンバーの救助活動が終わり次第、救助活動に協力した日本調査団に礼を言うと同時に妨害行為を再開すると宣言をされた話などは、現場にいた人にしかわからない話。
漢字にルビも振られているし、わかりやすく書かれているので、やりたいことが見つからない、と思ってる10代は試しに1章節でも読んでみると面白いことが見つかるかも。

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2021年09月08日

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この本を読んで?~1983年生まれ,生き物が好きでトカゲをペットショップで見て飼うことになり,付けられた渾名がハチュー。中学の理科の先生は女性だけど,牛や豚の内臓を授業中に見せる名物先生で,高校では新任の先生に魚類の骨に着色した透明標本を見せられ,出身大学の研究室を紹介して貰った。高2でアルゼンチンに留学し,クジラを見た。高3は後輩達と過ごし,水産大学に入学。魚の骨の標本作製に夢中になり,大学院進学時に赴任してきたクジラの専門家の先生の研究室に入って,南氷洋まで調査捕鯨に出向いて博士号を貰って,給与付きの研究員となった~まあ好きな道に進むことが許される豊な国になったね,日本も

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2022年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

研究するってこんなこと。

生き物好きの少年が鯨類学の研究者になる過程を丁寧に本人がまとめた自伝。少年の日の理科の授業、骨格標本作りの試行錯誤、アルゼンチンへの留学とクジラとの出会い、進学と研究の始まり。南氷洋での観測の日々と、博士課程での自分のテーマを追う生活について。波瀾万丈というほどでもないが、確実に個性的な人生が描かれている。

出会うべきときによい出会いがあった幸運。アルゼンチンに留学した時に出会ったクジラ。しかしその時他の留学生に尋ねられた日本の捕鯨について高校生の著者は答えを持っていなかった。研究者となって再度訪ねたアルゼンチンで著者は博物館でクジラの標本に感動し、その価値を噛み締める。今なら捕鯨についても自分の意見を伝えられるというが、その時適当に答えてしまうようだったらクジラを自分のテーマとはしなかったのではないか。答えられなかったから自分のテーマになるひっかかりとなったのではないか。

人の本質は小さい頃から変わらないのかもしれない。著者は生き物が大好きな少年だった。採集したり観察したりという現在の仕事の芽がその頃から芽生えている。自分も振り返ればきっと小さな頃からの何かが今まで続いているのだろう。進路を考えている人は未来に思いを馳せるのもいいが、振り返ってみるのもいいのかもしれない。すでに一生のテーマとの出会いがあるかもしれない。

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2022年06月12日

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幼少期からの好きを仕事に。周りがそれを助けてくれる環境にあった少年は成長して鯨の研究者になる。すごく楽しそうな大学生活、緊張感に包まれた調査船生活。鯨が打ち上がれば腐臭にまみれながら解剖し、南へ北へ鯨を追いかけ、世界中の研究者と語らう。ここまでくるのにとてつもない苦労もあっただろうに、この本からはキラキラしたエネルギーを感じる。課題図書になるのも分かる気がする。

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2022年06月05日

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クジラの研究者である著者が、なぜクジラの研究を志したのか、クジラを研究するとはどういうことなのかを語ります。
子どものころから生き物が好きで、ザリガニや虫を捕まえることに熱中し、犬・猫・鳥はもちろんのこと、様々な生き物を飼っていたという。中学の理科教師に見せてもらった骨格標本に興味を持ち、自宅の庭に埋めてた亡くなったペットのハムスターを掘り起こし、骨格標本を作って夏休みの宿題として提出したという。著者もすごいけれど、それを許したご両親が凄すぎる。私だったら、絶対「そんなかわいそうなこと、やめなさい!」と言ってしまうだろう。
クジラの調査といえば、当然のように登場するシーシェパード。学生の時、南氷洋の調査船に乗っていて遭遇したそうだ。その時のシーシェパードの船の一つがファーレイ・モワット号だったとか。私の大好きな作家の一人だが、ちょっと感情的な行動をする団体の船の名前だったことが、残念だった。
クジラは、まだまだ知られていないことの多い動物だそうだ。調査・研究をすることに障害の多い分野でもありそうだけれど、新たな事実を見つけてほしい。

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2021年08月21日

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