あらすじ
日本を終生愛してやまなかったハーン(1850―1904)が我が国古来の文献や民間伝承に取材して創作した短篇集.『怪談』は俗悪な怪奇小説の類から高く抜きんでて,人間性に対する深い洞察力につらぬかれている.有名な『耳なし芳一のはなし』『雪おんな』など17篇の他に『虫の研究』3篇を収めた.
【電子版特典】荒俣宏氏によるエッセイ(『図書』2025年10月号掲載)を収録.
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Posted by ブクログ
日本文化の価値観をよくぞ見出してくれました。ありがとう。
やっぱ外人だから日本の自然観に違和感を覚えたんだろうな。
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この本に載せられている怪談はハーンがきちんと選んでるってよくわかるね。
怪談ってようは怖い話である。だからより怖いものを創作しようとする。そうすると、路線はグロテスクや怨念にシフトしてしまう。
しかし、ハーンはそういう路線とはちょっと違う日本の怪談をチョイスしていると思う。
それらは日本の自然と融合した「不思議」な話である。
「青柳」「十六桜」「安芸之介の夢」なんか怖いというよりは、蜃気楼のような、不思議なものに出会ったというようなお話である。
でも、そういうお話こそ、日本らしいんだろうな。