【感想・ネタバレ】レモネードに彗星のレビュー

あらすじ

「あなたが今思ったよりも、全然すごいよ」 円城 塔(作家)
新時代の才能、発掘! 円城塔賞受賞作「レモネードに彗星」を含む 少し不思議でハイパーポップな傑作短編集!
美しい叔母とは大きな窓ごしにしか対面できない。もう15年も。私が死んでからの15年。「レモネードに彗星」/世界への軽蔑を共有することで結ばれた二人の、数奇な運命。「純粋個性批判」/触れることのできない、破滅的に美しい彼女との予測不能な愛の物語。「新しい孤独の様式」など7篇収録
「安心して。私だって千年も生きるわけじゃない」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「序文、あるいは未来都市の火災」俺同じ夢を何回も見るとかないなあ
「かいぶつ が あらわれた」文体軽いな。これ筋の通ったストーリーからすげえ引き算したらできんのかな
「純粋個性批判」あ、面白い!俺も色々おもちゃにして批判していきたいものだ
「宇宙人がいる!」いいね!握手して思うことそれなんだ。謎に昔を思い出して答え合わせしたくなる気持ちはわかる

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

分かり合えなさが愛おしいのはなんでなんだろう。と考える。理解しようともがくみじめさが、断絶に打ちひしがれる後ろ姿が美しいと感じるからだろうか。
どうだろう、もっと切実なものなんじゃないか。

私たちは互いを全て理解することは決してできない。だって自分自身の欲求すら理解できていないのに、相手に真に寄り添うことなんてどうしたら可能なんだろう。
だから、ひとりでぼんやりとしているよりも、誰かと一緒にいる時の方が寂しい気持ちになる。
それでも、あなたとこうして向き合っていたい。
そんな孤独を、あまりにも瑞々しい文章で、あらゆる角度で書き出しているのがこの短編集だ。
痛みも苦しさも後悔も、その鮮烈さを保ったままで洗われるような瑞々しさがある。つけられた傷すらたまらなく愛おしくなる。

かいぶつ が あらわれた
終末はゆるやかに、隣人のようにやってくる。きっといろんなことを忘れている私が、世界の終わりよりもずっと受け入れられない彼女とのさようならを再会という祈りに変換しているのが苦しい。きっと他の人から見たら怪物も彼女も同じような存在なのだ。

純粋個性批判
ああよかったな、と思った。手紙を破り捨てたこと。きっと今度は素敵な小説が書ける。他ならぬまりえちゃん自身にとって。

宇宙人がいる!
笹井のことを馬鹿がつくくらいの真面目人間のままだと思っていることと、なんで山田に振られたのか全然見当もつかないことはきっと同じことで、でもそれでいいんだよな、そういうもんだよなって思うことができる。人間は下等だから何にも分からないけど、別にわかんなくたっていいんだよな。

火星と飴玉
どうして失言って言った瞬間にそうだと気づくことができるのに、口から出ていくことを止められないんだろうな。っていう時の気持ちが生々しくてこわくなる。自分と全然違う、どうやって距離を縮めたらいいかなんて皆目見当もつかない相手との会話って、こんな感じだ。
ああこの人は自分とはどう頑張ったって人生が交わることはないんだって突きつけられる絶望と、それでもきっと大切な宝物になるだろう会話のかけらを抱きしめる。確かな幸せの輪郭がある。

新しい孤独の様式
これは愛だ、としか言いようがない。戸川ハルオはこれから先もずっと傷つき続ける。一瞬たりとも本当に望むものが手に入らないことに苦しみ続ける。だけど、それを全部ねじ曲げることができるかもしれない解決法を自分でぶち壊して壁のこちら側に止まることを選んだ。律動に従って生きることを望むような人間が!側にいることで鮮明に、深まっていく孤独を前にそれを呑む決意ができることが、愛じゃないわけがないんだよな。

レモネードに彗星
「後悔」の表現がすごい。後悔の感情、可視化された情景、それでも抑えることのできない衝動。早く全てを置き去りにしてしまいたいのに、それもできずに亡霊に囚われ続けている。のに、亡霊は、その全てを美しいと思う。甘さよりも苦味が主張する、炭酸入りのレモネード。自身を燃やしながら飛ぶ彗星を孕んだ液体は、それでも忘れたくない感情の塊なのかもしれないと思った。

スカートの揺れ方
たった一言だってそんなことは言っていないけれど、それでもわかる。これは恋ですね。600ユーロのスカートが青い炎とともに跡形もなく消えた後も続く関係。その距離感。煌めくようで、ほんのちょっぴり寂しくて。
恋の話だ、致命的なほどに。

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2025年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かいぶつ が あらわれた
純粋個性批判
新しい孤独の様式
がかなり好きだった〜〜〜

どこか寂しさがあるけどなんかポップ!
新しい孤独の様式、触ってはいけない人の薬指に触れて指の正確な直径を体に刻み込もうとする描写が素敵だった。もう二度と触れることはできないから。
やましい気持ちを隠し通してそばにいることを選んだこと。相手が自分を選んでくれたことが優ったってことだ。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集7篇「新しい孤独の様式」はすこし長く中篇かな。
どんどん浮かび上がる紀世子、壊していくかいぶつ、何にでもなれる宇宙人を捕まえて好きだった人になってもらったり、触れられない結婚やバグで現れたAIやスカートと一体化した少女など異常さに溢れている。そしてその中に漂っている寂しさ、切なさがとても愛しい

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p119.占われた方へ自ら進んでしまう節が人間にある
p129.レバーと言うのに、レバニラ炒めという
p132.豆腐の角に頭をぶつけて死ね
p144.「アキネイターか」
p148,スミとチロル、過去のデータが参照されない、というところが似ている
p149. 金と引き換えの行為では本質的な空洞を埋めることができない=風俗などに行かない理由
p168.律動
p177.劣情=卑しい感情、また性的な欲望や好奇心をいやしむこと
p209.新しい孤独の様式、とてもよかった。現代でのSNSだけでのつながりを表現している?(会わなくてもカップル。性的な関係を持たない夫婦)

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

合う合わないがすっぱり分かれそうなもの。SF……?円城塔氏推薦なので、彼の作品が好きな人には合うのかな?

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2025年08月26日

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