あらすじ
シスターフッドがポリティカルになりすぎると、それはシスターたちのあいだに分断や対立をもたらすことにもなりかねない。その一方で、シスターフッドが政治に無関心になりすぎると、互いの涙を拭い合うばかりで、「元気を出して明日からまた同じ日常を頑張ろう」という激励会になり、つらい日常を変えていこうという動きに発展しない。 ――本書 「はじめに」 より
2022年にスタートした雑誌『SPUR』の同名連載を新たに加筆修正。コロナ禍以降の社会の動きを鋭く見つめ、これからのわたしたちの生き方を考えた、エンパワメント・エッセイ集。
◎アイスランド発「ウィメンズ・ストライキ」の“共謀”に学ぼう
◎シスターフッドのドレスコードはむしろ「差異万歳!」
◎完璧じゃないわたしたちでいい
◎焼き芋とドーナツ。食べ物から考える女性の労働環境
◎古い定説を覆すママアスリートの存在
・・・・・・etc.
無駄に分断されず、共に地べたに足をつけてつながる。前に進むための力が湧く39編を収録!
ブレイディみかこ
ライター・コラムニスト。1996年より英国在住。2017年、『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)で第16回新潮ドキュメント賞受賞。'19年、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)で第73回毎日出版文化賞特別賞受賞、第2回本屋大賞 ノンフィクション本大賞などを受賞。小説作品に『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』(KADOKAWA)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)、『リスペクト――R・E・S・P・E・C・T』(筑摩書房)などがある。近著には『地べたから考える――世界はそこだけじゃないから』(筑摩書房)。
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Posted by ブクログ
Never Mind the Bollocks (アホらは気にすんな)。
「サード・プレイス」
愛知県豊橋市の大豊商店街の「みずのうえ文化センター」でウィキペディア編集講座が行われていた。
「ニューロマイノリティ」
シスターフッドには、そういうアナーキーな力があるのだ。
思想とか理念とかそういうことを超えた、パワフルで根源的な生き延びるためのカがある。
Posted by ブクログ
ブレイディみかこさんは、僕はイエローでホワイトでちょっとブルーからのファン。日本ではなくイギリスに住んでいる筆者だからこそ感じる、見えてくる視点でのエッセイでした。
特に印象に残ったのは、
「自信は気の持ちようではない。
本物の自信は環境と経験で培われるもの。
環境も経験も他者が必要。」
という内容でした。自信は精神論ではない。これは女性に限らず、男女共通で現在の教育の中で大切な考え方だろうと。自信をつけるには、失敗できる環境下で努力など試行錯誤をしていく中で、だんだんとできることが増えた、上手にできたなどの成功体験から自然と身につくものなのだろうと。
他にも日本にいると気づけないかもしれない視点からのエッセイ、なるほどと感じながら読ませていただきました。
Posted by ブクログ
女性たちが自分たちらしく普通に生きることの難しさとお互い認め合って助け合うこと,そして少しずつでもより良い社会の実現に向かうこと.大切なことが語られている.
しかし,女性もだけど,男性の意識改革はどうなってるんだろうと腹立たしい.
Posted by ブクログ
足元から始めろ。
シスターフッドと言うが、それってどういうことか考えたことはあるか。エンパシーという言葉を日本に広めた(と私は思っている)著者が書く、フェミニズム。
女性が、移民が、貧しい人が、と言ってその属性を持つすべての人が同じように考えるわけではない。99%が望んでいたとして、1%の反対をなかったことにしてはいけない。誰かを排除するための闘いではない。知らないで、知ったふりで、行動するのではなく、まずは自分から、自分のリアルにつながるところから。著者の指摘はハッとさせられる。自分と同じことを言う人だけではなくて、異なる意見の人をも排除しない社会、そして運動が求められているのだ。それが本当の誰も取り残さない社会だ。
最近のイギリスを知る意味でも面白い。特に政治的状況とか。