あらすじ
ビットコインの価値はいったいどこまで上がるのか
GAFAMが支配するビジネスとWeb3の決定的な違いとは
これからの資産形成やビジネスに新たな視点を与える
ビジネスパーソン必読の一冊!
山口周さん推薦!
『怪しい? 危ない? よくわからない? みんな「インターネットに乗り遅れた人たち」が言ってたことです。同じ失敗をしないために、本書を読みましょう』
【本書の内容】
<デジタル資産の真の価値>
・なぜアメリカは「ビットコイン大国」をめざすのか
・ビットコインは「デジタルゴールド」? 国や機関投資家が暗号資産を買う理由
・かつて暗号資産の先進国だった日本がトップランナーに返り咲くために必要なこと
・暗号資産の投資詐欺に引っかからないための鉄則
・ブロックチェーンという技術の何がすごいのか
<Web3は社会をどう変えるのか>
・支配者や王様のいない「分散型インターネット」の時代
・巨大プラットフォーマーのビジネスを根底から覆すWeb3の思想
・DeFiの登場で金融機関の手数料ビジネスが激変する
・「広告を見る」ことが価値に変わるWeb3ブラウザ
・ゲームをプレイするだけで資産が増えるPlay to earnの世界
・地方創生のカギを握る「関係人口」とは?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
Web3(個人が「所有・管理」できる分散型ウェブ。ブロックチェーン上でデータが自動的に検証され、誰もが参加可能な仕組み)が盛んに経済活動を世界中でインターネット経済圏で行われている。本著はこれまで常識から新しい経済活動への社会的参加を促す内容となる。
ビットコインをはじめとする暗号資産の「デジタルゴールド」としての確立である。法定通貨に頼らず、世界中の人々の信用の総和によって価値が保たれる点に本質を主張している。そして、Web3がもたらす「価値交換の再定義」である。NFT(非代替トークン)、DeFi(分散型金融)、DAO(分散型自律組織)といった仕組みは、あらゆる経済活動を中央管理から解放し、コードによる信頼構築を可能にし、Web3によって、「誰もが自らのデジタル資産を保有・活用できる」新しいインターネット経済が形成されるとも説く。
だが、課題はある日本の制度整備の遅れである。米国やシンガポールなどではWeb3や暗号資産を国家戦略に組み込み、金融・司法インフラとして成長させているのに対し、日本は依然として慎重過ぎる姿勢を指摘する。
さて、慎重なことは良いことだ。本著の内容は新しい経済活動への参加を是とする内容であり、リスクに対してはあまり触れていない印象である。
日本国内の暗号資産による詐欺は、2025年(令和7年)上半期の警察庁データでは、「暗号資産送信型詐欺」の認知件数は371件と、前年同期比で約14倍(+1,445%)に急増。被害額も約57.8億円と、約5倍(+497%)に膨らんでいる。同年8月末時点で、特殊詐欺全体は17,662件(+42.4%)、被害額831.4億円(+136.4%)と、過去最悪のペースで推移しており、その中でも暗号資産関連が特に上昇傾向にあると警察庁は指摘し注意喚起をしている。そして、特に暗号資産絡みの犯罪は警察は協力的ではない。理由は、マネーローンダリングしやすいからである。資金が善意の第三者へ渡ってしまえばそれらは回収不可能であり、送金先が海外であれば最早、日本国の法律は適用しないことを意識することが重要である。海外から暗号資産で送金依頼または誘われたら詐欺であり、国内でいくら法整備されようとも暗号資産で海外送金してしまえば現実的ではない。
では、新しい時代の経済活動とどう向き合うか。それは正しく金融商品をリスクを理解した上で投資することだ。理解してから購入するのが良い。どの金融商品も異なるが本質は同じである。暗号資産は一時的に資産が増えるかもしれないが1時間後には無価値なデータになる可能性すらあるのだ。そして、暗号資産はまだ産声を上げて十数年足らずだ。これから形を変えて成長するだろう。別のインターネット経済に飲み込まれるかもしれない。正しく理解した上で向かいあうことで投資すると時代の長者になれるかも知れないだろう。本著はWeb3とは何かを紐解く一つの解釈となる内容であるといえよう。