あらすじ
少年のロクはある晩、盗みに入った家で主人の夏目金之助に見つかってしまう。しかし金之助はロクを新しく来た書生と勘違いしたようで、そのまま夏目家で生活を共にすることになり……。(「夏目家どろぼう綺談」) 離婚して実家に出戻った君江は、路上で猫を拾い可愛がる。しかしその猫は高名な小説家・内田百閒の飼う「ノラ」だった。失踪した愛猫を探し東奔西走する百閒のもとへ、ノラを帰そうと試みるが――。(「内田家うらない綺談」)テレビ朝日新人シナリオ大賞を受賞した脚本家が描く、猫を愛した文豪たちの心温まる物語。
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Posted by ブクログ
猫好きはこの表紙とタイトルは素通りできないでしょう(笑)。
夏目漱石『吾輩は猫である』、内田百閒『ノラや』はこんな背景で書かれたのでは?と思ってしまうほどでした。
『ノラや』は未読でしたので、読んでいたらもっと楽しめたかもしれません。
『夏目家どろぼう綺談』では、夏目家に泥棒に入ったロクが金之助に見つかり、新しくきた書生だと勘違いされ、いつの間にか一緒に生活するようになり…という話。
『内田家うらない綺談』は百閒の愛猫ノラがしなくなり、必死で探す百閒と、迷い込んできた猫がノラだと知ったもののうっかり逃がしてしまった君江の話。
どちらも読後は心がほっこりしました。