【感想・ネタバレ】猫も歩けば文豪にあたるのレビュー

あらすじ

少年のロクはある晩、盗みに入った家で主人の夏目金之助に見つかってしまう。しかし金之助はロクを新しく来た書生と勘違いしたようで、そのまま夏目家で生活を共にすることになり……。(「夏目家どろぼう綺談」) 離婚して実家に出戻った君江は、路上で猫を拾い可愛がる。しかしその猫は高名な小説家・内田百閒の飼う「ノラ」だった。失踪した愛猫を探し東奔西走する百閒のもとへ、ノラを帰そうと試みるが――。(「内田家うらない綺談」)テレビ朝日新人シナリオ大賞を受賞した脚本家が描く、猫を愛した文豪たちの心温まる物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

猫好きはこの表紙とタイトルは素通りできないでしょう(笑)。

夏目漱石『吾輩は猫である』、内田百閒『ノラや』はこんな背景で書かれたのでは?と思ってしまうほどでした。
『ノラや』は未読でしたので、読んでいたらもっと楽しめたかもしれません。

『夏目家どろぼう綺談』では、夏目家に泥棒に入ったロクが金之助に見つかり、新しくきた書生だと勘違いされ、いつの間にか一緒に生活するようになり…という話。
『内田家うらない綺談』は百閒の愛猫ノラがしなくなり、必死で探す百閒と、迷い込んできた猫がノラだと知ったもののうっかり逃がしてしまった君江の話。
どちらも読後は心がほっこりしました。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

おもしろくて一気読み。
「夏目家どろぼう奇譚」はシナリオ大賞取って 映像化もされてるんですね。全然知らなかった。
夏目漱石の「吾輩は猫である」と内田百間の「ノラや」を書かれたきっかけ。小説なのに 本当にこんな事があって お2人共こんな風な性格だったのかなと思えるほど。
ラストには両方とも ホッとできました。

0
2025年05月31日

Posted by ブクログ

猫でお馴染みの(?)"あの文豪"と猫が織りなす物語。
「夏目家どろぼう綺談」
「内田家うらない綺談」
の、中編二話が収録されております。

思えば、私の"動物視点モノ好き"のきっかけは、若かりし頃読んだ漱石センセの『吾輩は猫である』だったな~・・。
と、一話目「夏目家どろぼう綺談」冒頭の"名無しの猫"の語りにムフムフしながら読み出しましたが、その後は少年・ロク視点、夏目金之助(漱石)視点、細君の鏡子視点・・と主体がクルクル変わっていき、どうやら猫が主役ではないらしいと気づいて、ちょっと拍子抜けした次第です。
とはいえ、貧しくて文字も読めなかったロクが、泥棒目的で侵入した夏目家に何だかんだで居座る内に、次第に金之助と馴染んでいき、学ぶ喜びを覚えていく過程は心温まるものがありました。
そして、金之助がロクに文字を読ませるために"あの名作"が誕生するという着地も良かったですね~。(勿論フィクションですけど)

そして二話目「内田家うらない綺談」は、愛猫のノラが行方不明になってしまいパニック&憔悴してしまう内田百閒と、それに巻き込まれる周囲の様子がコミカルに描かれています。
偶々ノラを拾ってしばらく面倒を見ていた出戻りお嬢様の君江が、いざノラを百閒に返そうとした矢先にノラがまた失踪してしまったことに責任を感じて、なぜか占い師"君姫"と名乗って百閒に接近・・そこから奇妙な交流が育まれて、この騒動が『ノラや』の誕生秘話に繋がっていく流れでございます(こちらも勿論、フィクションでやんす)。

二話とも、漱石や百閒のクセツヨだけど憎めない、人間味あふれるキャラが上手く描かれていて、楽しんで読ませて頂きました。
個人的には、もうちょい"猫目線"が欲しかったところですが、全体的に微笑ましい仕上がりだったので良しとします~。

因みに、「夏目家どろぼう綺談」は、「第14回テレビ朝日21世紀シナリオ大賞」を受賞した脚本がベースとの事で、桐谷健太さんが金之助(漱石)役でドラマ化されたそうです。
どんな感じだったのか視てみたかったですね~。

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2025年06月23日

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