あらすじ
第三王子アンジュには、前世の記憶があった。日本という国で伸明という少年として生きてきた記憶だ。彼には抜群の容姿を持つ幼馴染がいて、平凡な自分と比べてはコンプレックスを感じていたが、中学のある時、その同級生から告白された。戸惑って答えを出せずにいたが、いつまでも待つと言った幼馴染は、高校生の時に不慮の事故で亡くなった。そのことに大きな後悔を抱えたまま、第三王子アンジュに転生すると、アンジュは母親譲りの美貌を持つが、身分の低さゆえに王宮で蔑まれ、男を誑かすなどの根も葉もない噂を立てられたせいで無表情な少年になっていた。しかし、そんなアンジュは第二王子の近衛騎士レイフィールドの面影に心が騒めいた。早世した幼馴染にどこか似ていたからだ。勇気を出して声をかけるが、噂を信じ込んでいるレイフィールドからは冷たい態度をとられて…?
【電子特別版】chi‐co先生の書き下ろしショートストーリーを電子版だけに特別収録!
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Posted by ブクログ
塩対応(どころか嫌悪感すら丸出し)だった攻めが、受けに惹かれて溺愛する変化にキュンキュン萌えて、一方で「彼には嫌われてるから…」と塩対応な攻めに胸を痛める受けの切ない心情にヒリヒリして、〚嫌われ→溺愛〛作品としては大満足な内容だった
…が、とにかく本来の人格であるアンジュの人生が過酷すぎて、アンジュ自身が報われてほしい……!と強く願ってしまった。
今生に絶望して「もう、疲れた…」と精神の底に沈んでしまったアンジュの代わりに、前世である伸明の人格が浮上する…と言う展開で、一応アンジュと伸明は共存しているのだが、物語の主人格は伸明のまま。
伸明主軸で恋愛していくので、「アンジュの意思は…?」と置いてけぼりな印象になってしまい、これまで散々傷ついてきたアンジュ自身が救われて欲しかったな……と。
“転生BL”ではなく、普通のファンタジーBLとして、傷ついたアンジュがレイフィールドと出会って恋をして、癒されていく展開が読みたかったなぁ……と(元も子もない)
それ程、アンジュが可哀想で、可哀想で……
元の人格が不憫すぎると、不憫受け好きとしては元人格に肩入れしちゃってモヤモヤが残る印象に
また、転生前からアンジュを気遣っていた従者・デイエルスが魅力的すぎるキャラだったので、(デイエルス→アンジュのフラグも垣間見えるし)いっそのこと、デイエルスとのCPでも全く問題無かった気が……
いや、寧ろ「ありのままの君を愛してくれる人はいるんだよ…!」とアンジュに示す為にも、本来の人格のまま〚デイエルス×アンジュ〛展開を読みたいかも笑
Posted by ブクログ
不憫な受けが好きなので好みの話だった。
攻め視点の章もあり、誤解が解け、恋愛感情が強まるシーンがとても好みだった。
同じように襲われるシーンが何回か続いたりと、中盤少し停滞しているように感じられたりもしたが、最後の50ページほどで好みの展開に変わっていったので最終的には面白く読み切ることができた。
主人公に行動力を
この作者様の別作品が好きで、試し読みの印象も悪くなかったので期待したのですが、残念ながらあまり好みではなかったです。
伸明がレイフィールドに見た幼馴染みの面影を振り切るまでの経緯もレイフィールドがアンジュ(伸明)に惹かれていく過程もあっさりしすぎていて共感しづらく、伸明が目指した『アンジュの立場改善』も不発なまま。
そして何よりもアンジュ(本人)も兄の立場を慮って自ら悪役を演じることができ、実母から差しのべられた手に安易にすがることのない芯の強さを持っているのなら、そもそも『嫌われ王子(というよりも虐げられ王子ですが)』に甘んじることもなかったのではないかと思えてしまい、設定と物語に違和感がありました。
主人公にもう少し行動力があれば、面白い作品として読めたかもしれません。