あらすじ
40歳を過ぎた体重125キロの作家が、ひょんなことから「美容」と「健康」生活に目覚めたら・・・・・・。
肌はもちもちプルンプルン、30キロもやせ(リバウンドも)、そして、最後にはなんと結婚!?
ドラマ化された『クラスメイトの女子、全員好きでした』に続く、やさしくて、おもしろくて、ためになって、ときに泣ける、前代未聞の「おじさん美容エッセイ」全37篇。
“美容の師”として尊敬する女優・タレントMEGUMIさんとの特別対談も収録。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
近所の子供に「太っちょゴブリン」と揶揄された、中年の太ったおじさんが、美容沼にハマっていく本ということで、楽しみに手に取ったのだが、、、
惚気かよ!って感じで、ちょっと食傷気味だった。
タイトルになっている深夜3時に化粧水を買いに行ったエピソードは、彼女と出会う前の出来事のようだが、以降のエピソードは、ほとんどが彼女の助言によるもののようで、大変勝手ながら少しガッカリしてしまった。男性が、パートナー女性の助けを借りずに、自発的にセルフケアの重要性に気づいて、心身ともに健康になるというのは、今の世の中だとやはり難しいことなのだろうか。セルフネグレクト気味に陥り、思考をミソジニーに支配された中年男性諸氏が、この本を読むことでセルフケアに目覚めてくれたら良いなと思っていたが、残念ながらそういった効用はなさそうだ。
と、さんざん貶してしまったが、この本は、すごく大事なことが書いてある素敵な本だ。この本で紹介されていた、「これなら俺でもできるなってことだけ続けることが格好良いんだよ。なんでもかんで もやろうって無理をするのは実は一番格好悪いんだよ」という甲本ヒロトの言葉には痺れまくったし、著者に美容を教え込んだ彼女さんの「私と別れるようなことがあっても、自分を大切にする習慣をあなたに付けさせるのが私の役目だと思ってる。私に愛されていた証拠をその体に残してあげたい」という言葉にも大いに泣いた。「誰かが怒っているときは心の中では泣いてると思いなさい。そうすれば、素直に相手の言うことを聞けるから」という言葉も含蓄が深い。この彼女(メスゴブリン)は何者なんだろうか?
美容と健康に目覚めたことの一番の収穫を、「自分自身を過信しない」「他人の意見を素直に受け入れる」といった意識改革と語る著者の爪の垢を、世のミソジニー野郎どもに煎じて飲ませたい。
美容はモテるための努力ではなく、自分をご機嫌にするための文字通りセルフケアだ。誰かにケアしてもらわずとも、自分で自分をケアできる事は生き物としての強みだ。「美容は自分のため、健康は大切な人のため」と著者は言うが、私もその通りだと思う。そして美容に気をつけている女性は多いが、男性は無頓着な人が多いため、ちょっと気をつけるだけでまわりに差をつける事ができ、著者のように素晴らしいパートナーを得る事だってできる。X(旧Twitter)に棲息するミソジニー男性は、バカのひとつ覚えのように「女は得してる」「女はラクだ」と言うが、男のほうがよっぽど人生ヌルゲーじゃねぇかと思う。
「男ども、美容に目覚めよ。」