【感想・ネタバレ】慟哭の冠のレビュー

あらすじ

大阪時代は賞レースを総なめにするも仕事は増えず
東京進出後もM-1準決勝で9回敗退するなど苦汁をなめ続けた
その間に妻は家を出ていき生活はどん底に……
泥まみれのM-1ラストイヤーで栄冠をつかんだ男の、魂の咆哮

【目次】
chapter1 お笑いに勝ち負けはある
chapter2 Welcome to hel l Tokyo
chapter3 エイエンなんてあるわけない
chapter4 慟哭の冠
chapter5 思い立ったが吉日

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

大阪で賞レースに勝ち、タイトルを引っ提げて上京した久保田。
この頃はまだ嫁がおり元気のない犬と暮らしていた。
大阪で獲ったタイトルが役に立たず、会社から仕事のオファーもない。
月10回の舞台はあるが16万のうち14万は家賃に消えて、嫁もバイトに行くようになる。
自分から動かないと!と企画した単独ライブ。
100人キャパぐらいの六本木のライブハウスで20しかチケットが売れていなかった。
奮起し街頭で手売りすると70ぐらいまで売上が伸びた。
しかし当日来たのは13人。
悔しさじゃなくて無力感で涙か出た。
1章は「キャプテン★ザコ」と売れない同士つるむ様子がちょくちょく出てくる。

東京に来て3年。久保田はまだまだ売れない。
M-1が再開したので2015年か。お笑いの話はほとんど出てこない。
お笑いの仕事がないので色々バイトをした話。
靴磨き、治験、バドミントンの審判。
とんねるずの番組で途中で帰った話。プライドを捨て、近道を行こうとする芸人を見て帰った。売れなさすぎて狂ってきた。
その後もキャバ嬢の犬の散歩、社長の飲み会でバラ撒かれた金を拾う日々。
嫁はコンビニを辞めて水商売に。
M-1を目指し奮闘するもカレーを買って帰ると離婚届を置いて嫁が犬と一緒にいなくなっていた。

田無から北池袋へ引っ越す。
住みます芸人を勧められ、戦力外通告を受けるも東京で奮闘。
漫才大会で優勝し作家の籾野と出会い、僅かながら人生が好転していく。
2015年のM-1が来て、神経は研ぎ澄まされていた。絶好調を感じるも準決勝敗退し、敗者復活戦敗退。視聴者投票でトレンディエンジェルに敗れた。

新宿に引っ越し過去最低の物件で暮らす。
やさぐれて飲んで暴れる日々。
チンピラに騙されたり飛び降り自殺に遭ったり。歌舞伎町で殺伐とした生活を送りながらM-1優勝へ向けて舞台の場数を踏んでいく。
屈辱感を糧に2016年臨むも敗退。
2017年。単独ライブツアーを行いさらに漫才に磨きをかけていく。前日に沖縄の営業でスベるも経験値を積み、準決勝に臨みラストイヤーで初めて決勝に進出する。
決勝当日は一番乗りで楽屋に入り、優勝候補の和牛対策を講じM-1優勝のタイトルを獲得する。
楽屋でSNSを確認すると元嫁からDMがきていた。ずっと匿名のDMで応援してくれていたのだ。返信しようとした時にはアカウントは消えていた。

優勝してからの久保田の浮き沈みの話。
上沼恵美子が和牛が優勝だったと言えば中川家剛が喜んでくれた。
後輩も喜んでくれたが自宅のお供え物が置かれた。
セクキャバで闇営業したり記者に突撃され有ること無いこと書かれたり。
M-12018で審査員批判をして炎上。
テレビの仕事は激減したが身心疲れていたので釣りを始めた。
炎上をきっかけに冠番組を持たせてもらった話。
ドキュメンタルの話。
相方村田が舞台を頑張りたい話。稽古期間は仕事がないので、絵を描いたら150点全部売れた。

あとがきの段階では9年構想の本書が出たタイミングでオンラインカジノの濡れ衣で2ヶ月謹慎の話に触れてあった。


ーーーーーーーーーーー

とろサーモン久保田かずのぶの自伝。

とろサーモン久保田は「ラジオの枠買ってもらった」「もう久保田が言うてるからしゃあないやん」「耳の穴かっぽじって聞け」辺りからのファン。

読書を始めたので芸人本を読んでみた。

小説を読んでいるからか、やはりプロの作家からすると文章力は低い。本人のキャラクターを知らないで文章だけ読んでもあまり伝わってこないかも。ピンとこない例えも多かった。久保田らしさだけど、韻を踏んだからよくわからなかったり文章が気持ち悪くなっている部分もあった。反面難しい言葉は出てこないしすぐ改行しているので読みやすい。

芸人さんなのでエピソードトークが面白い。聞いたことあるエピソードも文章で読むと違った印象になる。

売れない時期のエピソードは凄惨で胸に迫るものがある。嫁が出ていった時の話は詳細に書かれないまでも衝撃だった。

M-1勝つか負けるかのシーンも手に汗握る展開。何年も挑戦して苦しんだ本人でなければ書けないことだと思う。ハイライトの部分はもっと詳しく読みたかった。

これからも活躍するだろうから、本人の事がより深くわかって良かったと思えた。

0
2025年07月22日

「ノンフィクション」ランキング