あらすじ
大学病院での医療事故に関わり、世間から「偽医者」とバッシングを受け職場を追われた産科医の阿比留一馬は、逃げるように北へと向かっていた。途中、雪の中で産気づいた妊婦に出会い、小さな産院に同行する。そこは村唯一の分娩施設・竹下診療所だった。院長の相良の言葉で診療所で働き始めた一馬は、限界集落の産院の実情を目の当たりにする。さらに、彼の医療事故を世間に広めた女性記者が診療所を訪れて……。現役医師が描く、命に向き合う感動の医療小説。
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Posted by ブクログ
大学病院での医療事故を世間から糾弾されて職場を追われた産科医の阿比留一馬は北の限界集落の診療所に辿り着く。同じ産科でも大学病院と竹下診療所では違う現実が広がり、過酷な地方医療の実情に向き合う。ジャーナリストは終盤に掻き回し役で出てくるかと思いきや、早い登場で彼女も重要人物だったことに驚いた。相良先生をはじめ、竹下診療所の人々の温かさが心地良かった。里帰り出産を検討した時に規模の大きな病院で出産を担う流れが進んでおり、良いこともあるが、普段近くにある産科にお世話になっている身としては色々思うことがあった。
Posted by ブクログ
青年産科医。未来ある彼がそのとき考え得るうちの最善の医療処置をおこなったにもかかわらず、胎児を救えず、女性は子どもを産めぬ体に。これを取り上げた記事のせいで炎上。息を潜めて生きねばならなくなった彼がたどり着いたのは古びた診療所1軒のみの村。
追いかけてきたのが記事を書いた記者というのが意外でした。実は記者が意図したのは医療体制の問題を提起するためで、医師をやり玉にあげるつもりなど毛頭なかったのに、違う方向で話題になってしまった。医師同様に仕事に対する自信をなくし、何も書けなくなっている。
診療所の医師と助産師、調理担当の婆ちゃんという顔ぶれが最高。温かい温かい物語でした。